腕時計用語集

アカデミー独立時計師協会
【 ACADEMIE HORLOGERE DES CREATURE INDEPENDAINT 】
1985年にジュネーブで発足された、独立して時計を製造する職人のための連合団体。
スイスの伝統ある時計技術を伝承していくことを理念とし、時計メーカーに属さず、独自の工房で1人もしくは少人数で時計の製造を行う時計師たちが集っている。初期の会員には、フィリップ・デュフォー、ヴィンセント・カラブレーゼ、スヴェン・アンデルセン、アントワーヌ・プレジウソ、フランク・ミュラーなども在籍。ヴィンセント・ベラール、ライナー・ニーナバーなど、今後の活躍が注目される時計師名もその名を連ねる。

アビエーションウオッチ
【 Aviation watch 】
航空時計のこと。主に空路の運行に必要とされる計算尺やスケールを文字盤やベゼルに記したパイロット用の時計を指す。昨今は高度や方位などのデータを、デジタル表示するものもある。

アラーム
【 Alarm 】
任意に指定した時刻を音で告げる機能。最初のアラームウオッチは、1947年に発売されたヴァルカン・クリケットで、こおろぎ(クリケット)の鳴き声のような音を発することから名付けられた。
1956年にはジャガー・ルクルトからメモボックスが発売されたが、こちらは鈴のような音が魅力となっている。フランス語の場合、レベイユと表記される。

アンクル
【 Ancre 】
脱進機を構成するパーツのひとつ。テンプとガンギ車の間にあり、ゼンマイから送られる動力を、テンプの振動を利用して一定の調子に整える役割を果たしている。
アンクル脱進機

【 Ancre escapement 】
文字どおりアンクルを採用した脱進機をアンクル脱進機と総称している。現在の機械式腕時計のほとんどが脱進機にアンクルを使用したムーヴメントを搭載している。 それ以前にはクロックと同様のピンレバー脱進機が一般的だったが、変化しやすい腕時計の姿勢差には適していなかったためアンクル脱進機が採用されるようになったといわれている。


【 Jewel 】
ムーヴメントが摩耗するところに設置される補強のためのパーツ。人工のルビーなどが使用され、手巻きや自動巻きによって、その使用数が異なる。一般的には17石や21石の石を使用することが多い。

イナズマ針
耐磁性能を高めたロレックスの人気モデル、ミルガウスの初期モデルと2007年のバーゼルワールドで発表された新作モデルに採用されている稲妻形の秒針の通称。初期モデルは生産数が非常に少なく、アンティーク市場からもほとんど姿を消している。

インカブロック
【 Incabloc 】
ムーヴメントを衝撃などから保護する耐震装置の一種。インカブロックは、衝撃で折れやすいテンプの芯棒(天真)を、バネ付きの穴石で支える構造。耐震装置としては最もポピュラーなものとなっている。

インダイヤル
【 Register Subdial 】
メインの文字盤の中にある、小さな文字盤のこと。サブダイヤルともいう。シンプルなスモールセコンドや、クロノグラフの30分積算計、12時間積算計などが代表的。

インデックス
【 Index 】
時・分・秒を表すために文字盤やベゼルに配された目盛りや数字のこと。時計によって、アラビア数字やローマ数字、ドット、バーなどがある。数字では、一般的にゴシック体やヘルベチカなどの書体が多く見られるが、クラシカルな印象が強いブレゲ独自の書体も存在している。

ウォータープルーフ
【 Waterproof 】
防水加工の意。時計の防水性能を指す言葉としても用いられる。風防、裏蓋、リューズなど、隙間が生じやすい箇所にプラスチック製やゴム製のパッキンを取り付けて、水分や湿気が浸入しないようにケースが設計されている。さらに、防水性能を高めるために、ねじ込み式の裏蓋やリューズを採用した、ダイバー用の潜水時計も存在している。

受け石
【 End stone 】
→ 石の項を参照

受け板
【 Bridge 】
地板の対面に設置されている、板のこと。歯車、アンクル、テンプなどパーツの真を、地板とは別に片側から押さえるために使用されている。

裏スケルトン
【 Seethrough back 】
機械式腕時計のムーヴメントが見られるように裏蓋の中心を抜き、そこに透明なガラス(サファイアクリスタルが多い)をはめ込んだ構造のこと。ムーヴメントの装飾や動きが楽しめるだけでなく、故障や不具合の発見にも優れている。シースルーバックとも呼ばれる。

裏蓋
【 Rear cover 】
ケースの裏側をふさぐ蓋のこと。素材はケースと同じものを用いることが多い。ねじ込み式、はめ込み式、ねじ止め式など取り付け方法はさまざま。ねじ込み式は高い防水性能が必要とされるスポーツウオッチに採用されていたが、現在ではスポーツウオッチ以外でもこの仕様を採用することが多い。

閏年
【 Leap year 】
1年が366日あり、西暦が4で割り切れる暦年をいう。グレゴリオ暦に基づいて、1582年から定められており、1年365日に0・2422日が加えられる際の誤差を修正するために4年周期で1年の日数が366日となる。

運針
【 Step second 】
秒針が動くことを示す。ノックするように1秒1秒を刻んでいくのがステップ運針。一方、ノックをせず流れるように動いていくのをスイープ運針という。

永久カレンダー
【 Perpetual calendar 】
毎月の日数の違いや、閏年の調整なども自動的に行う複雑な機能のこと。パーペチュアルカレンダーとも呼ばれる。現在発売されている永久カレンダー機能は、西暦2100年まで無調整のものが多い。

エクステンションベルト
【 Extention bracelet 】
ブレスレットのコマの繋ぎ目に板バネを入れ、伸縮(エクステンション)するようにしたもの。蛇腹ベルトともいわれる。1950縲・0年代のロレックス・オイスターブレスによく見られるほか、日本でも20年ぐらい前まではよく使われていた。

エスケープバルブ
【 Escape valve 】
正しくはヘリウムガスエスケープバルブ。サルベージ作業などでは、水圧に耐えられるように、身体をヘリウム混合ガスで飽和させる飽和潜水という潜水方法が用いられる。ところが、ヘリウムガスは分子構造が非常に小さいため、腕時計の内部にも侵入してしまう。
侵入したヘリウムガスは、浮上するにつれて膨張し、風防を吹き飛ばしてしまうなどの事故を起こす。そこで腕時計内部に侵入したヘリウムガスを、外部に排出させるためにこのヘリウムガスエスケープバルブが開発された。
ロレックスのシードゥエラーや、オメガのシーマスタープロフェッショナルなど、高い防水性能を持つダイバーズウオッチに搭載されている。

エスケープメント
【 Escapement 】
機械式ムーヴメントの脱進機のこと。輪列をとおして伝わったゼンマイからの動力を、規則正しい往復運動に変換させるための装置。現在の腕時計が採用しているアンクル脱進機は、ガンギ車、アンクル、テンプで構成されている。

ETA
【 ETA 】
スイスの時計ムーヴメントメーカーの最大手企業。ニコラス・G・ハイエック率いるスウォッチグループの傘下として、グループはもとより、多くの時計メーカーにムーヴメントを供給している。
さまざまな時計製造企業を統合して誕生したETA社によって、現在までプゾーやユニタス、バルジューといった往年のムーヴメント専業メーカーの商標が守られてきた。

エナメル
【 Enamel 】
琺瑯の意。ガラス質の塗料で塗ってから炉で焼成させ、鮮やかで照りのある独特の質感を持たせる技法。文字盤やケースなどの表面に装飾をする際に用いられる。

エボーシュ
【 Ébauche 】
未完成のムーヴメントのこと。供給先のメーカーが独自に開発したパーツを組み込むために、下級処理の段階までで用意される。また、そのようなエボーシュを製造、供給するメーカーをエボーシュメーカーと称する。

エル・プリメロ
【 El primero 】
1969年にゼニス社がモバード社と共同開発した世界初の自動巻きクロノグラフムーヴメント。
高級クロノグラフムーヴメントに採用されるコラムホイールを搭載し、毎時3万6000振動のハイビートを誇る。1970〜80年の間は生産されていなかったが、81年に生産を再開。現在でも製造が続けられている。

エングレービング
【 Engraving 】
ケースやムーヴメントの受け板、文字盤、尾錠などに施される彫金を指す。特に時計専門のエングレーバー(彫金師)によるハンドエングレービング(手彫り)仕上げは、工芸品としての時計の価値を高めるとされている。
エンドピース穴
ベルトを取り付けるために必要なバネ棒を固定させるため、ケースのラグ部分に空けられた穴。ラグの内側に空けられる場合と、ラグを貫通させる場合の2パターンがある。

オイスターケース
【 Oyster case 】
ロレックスの代名詞のように思われるが、元来はイギリスのオイスター社が開発したもの。
防水性能を考慮し、金属の塊から削り出したケースにねじ込み式リューズを組み合わせた構造により、防水性、防塵性を飛躍的に高めた。ロレックスでは、その基本構造を現在でもほとんど変えることなく継承している。

オイル
【 Oil 】
ムーヴメントの各部の動きをスムーズにし、摩耗を防ぐために使用される油。通常の機械式腕時計では、使用される部位に合わせて7種類ほどの時計専用オイルが使用されている。
時間を経過することで粘り気が出たり揮発したり、時計の駆動に影響する劣化が生じるため、4年程度で定期的なオーバーホールによるメンテナンスと新しいオイルの注油が必要になる。

オーバーホール
【 Overhaul 】
腕時計を分解し、ムーヴメントやケースの洗浄、ムーヴメントのパーツへの注油、組み立て、調整後の精度チェックまでを行う作業。オーバーホールの主眼はムーヴメントにあり、完全に分解してから調整を行うのが基本となる。使用する頻度により固体差はあるが、オーバーホールは3年から4年に1度は行うのが理想とされている。腕時計を長きにわたり使用するには必要不可欠な作業だ。

オートマタ
【 Automate 】
自動精密機械や自動人形、からくり仕掛けを指す。1774年頃に時計師のピエール・ジャケ・ドローが製作した「音楽家」「画家」「書記」の3作品は傑作として有名。オルゴールやクロックと連動して鳥がさえずる、シンギングバードと呼ばれる機構など、その種類はさまざま。
腕時計の世界では、リピーター機構と連動して文字盤や裏蓋内部に仕込んだ人形や絵柄が動くからくり時計の総称としても使用される。

懐中時計
【 Pocket Watch 】
懐に入れて持ち運べる携帯時計のこと。17世紀頃から生産されているが、後に腕時計が普及したことにより衰退した。そもそもは上流階級の人々に愛用された嗜好品としての側面が強く、エングレービングなどを施した装飾性の強いものが多かったといわれている。現在でも限られたメーカーから製造され、時計愛好家から支持を獲得している。

回転ベゼル
【 Rotaring bezel 】
固定式ではなく、ケースとは個別に回転することの出来るベゼルのこと。ダイバーズウオッチや、GMT機能、ワールドタイマー付きの腕時計などに採用されている。ダイバーズウオッチでは、潜水時に誤操作しないよう一方向しか回転しない逆回転防止機能が付いたベゼルを搭載。アビエーションウオッチなど、あらゆる単位を算出できる計算尺を搭載したベゼルには、双方向に回転するタイプが搭載されている。

カウントダウン機能
【 Countdown 】
設定された時間を減数計算方式で表示する計測機能のひとつ。腕時計では、ヨットレースのスタートまでの時間を、小窓の色の変化で目視するタイプが一般的。レガッタ機能とも呼ばれる。

カギ巻き
【 Key wind 】
通常の腕時計のようにリューズを使用せず、代わりに専用のカギを香箱真に直接差し込んでゼンマイを巻き上げる時計のこと。主に柱時計や置時計、懐中時計によく見られる。

角穴車(かくあなくるま)
【 Rachet wheel 】
ゼンマイが格納されている香箱車に連動する、ゼンマイを巻き上げるための歯車。角形の香箱真に固定するために、角形の穴が設けられているのが由来。逆回転を防ぐため、コハゼによって制御される。

ガスケット
【 Gasket 】
ダイバーズウオッチなど、高い防水性、気密性が要求される腕時計で使用されるゴム製のパッキンのこと。裏蓋、リューズ、プッシュボタンなど、隙間が出来やすいパーツに取り付けられる。

カーベックス
【 Carbeccs 】
手首への装着感を考慮して、ケースを腕のカーブに沿って湾曲させた形状のこと。アメリカの時計メーカーであるグリュエンが製造した腕時計から派生した言葉。主に、トノーケースやレクタンギュラーケースの腕時計に採用されている。

カボション
【 Cabochon 】
リューズの先端などに取り付けられた宝石。カボションとはフランス語で「曲面状に磨いた宝石」を意味する。サファイア、ルビーなどが一般的。また、実際に宝石を使用していない場合でも、同様の形状を持つ装飾をカボションと呼ぶ場合もある。

カム式クロノグラフ
【 Cam 】
クロノグラフの構造のひとつ。1960年代後半までのクロノグラフは、ピラーホイール式が優先されてきたが、1970年代に入ると、コストを削減するためにパーツ点数を減らしたカム式の機構へと移り変わった。 基本的な役割は変わらないが、耐久性の良い回転運動のピラーホイール式に対して、ノック運動を行うカム式の機構は耐久性に関して専門家の間でも賛否両論ある。

ガラス
【 Glass 】
文字盤を保護するためのパーツ。風防とも呼ばれ、素材にはミネラルガラス、プラスチック、サファイアクリスタルなどが使われる。現在は、サファイアクリスタルが一般的。サファイアクリスタルは、硬質で傷が付きにくいことに加え、透明度の高さや輝きの強さもあり、風防に最も適した素材となっている。

カレンダー機構
【 Calendar 】
日付けや曜日などを表示する機構。小窓に日付け表示のみ、あるいは曜日までを表示するタイプがスタンダード。小窓の位置はさまざまだが、3時や6時位置が一般的だ。同じ日付け表示でも、文字盤に記載された日付けを針で指すポインターデイト方式も存在する。
そのほかにも、日付けの小窓を2分割して、大きな数字を表示できるように設計されたビッグデイト、日付け、曜日、月をひとつの文字盤内で表示するすトリプルカレンダー、月齢を表示するムーンフェイズ、閏年の表示までを自動で行う永久カレンダーなど、その種類は非常に豊富だ。

ガンギ車
【 Escape wheel 】
アンクルと対になっている、脱進機のパーツのひとつ。テンプに一定の力を与えて左右に振動させると同時に、テンプからの規則正しい振動周期を輪列に送り、一定の精度を維持する役割を果たしている。

緩急針
【 Regulator 】
ヒゲゼンマイの長さを調整するためのヒゲ棒を、左右に動かすレバー。この緩急針を調整することで、針の遅れ、進みをコントロールすることが可能になる。

機械式
【 Mechanical 】
香箱に収納されたゼンマイがほどける力を利用して、歯車を動かし、針などを動かすムーヴメントのこと。機械式ムーヴメントを採用した時計のことを指すことも多い。手動でゼンマイを巻き上げる手巻き式と、ローターの回転によってゼンマイを巻き上げる自動巻きの2種類がある。時計は、この機械式と、電池を動力に使用するクォーツ式の2種類に大別することができる。

キズ見
【 eye glass 】
時計の組み立てや修理を行うときに使用するルーペ。作業の内容や扱うパーツなどによって倍率にもいくつかの種類がある。

キネティック
【 Kinetic 】
セイコーが1988年に開発した、世界初の自動巻き発電機構を搭載したムーヴメントのこと。回転錐の運動でコイルに電流を発生させ、その電力をコンデンサーに充電。その電気エネルギーで水晶振動子を振動させ、回路を駆動させる。電池交換不要のクォーツ式腕時計。
キネティックオートリレー
セイコーのキネティックに節電機構を搭載したもの。腕時計を72時間以上使用しないと、自動的に節電状態に入り針が止まるが、ICでは時を刻み続け、腕時計を動かすとキネティックムーヴメントも復活。現在時刻に復帰する。

キフ
【 Kif 】
天真などの微細なパーツを、衝撃から守るためのムーヴメントに設置される耐震装置のひとつ。

逆回転防止機能付き回転ベゼル
【 Unidirectional bezel 】
主にダイバーズウオッチに搭載されている、潜水時間計測のための一方向回転式ベゼルのこと。潜水時に誤ってベゼルが回転し、潜水時間の計測に誤差が生じることがないように、時計と逆回りにしか回らないように設計されている。

キャビノチェ
【 Cabinotier 】
ヴァシュロン・コンスタンタンの創業者であるジャン・マルク・ヴァシュロンなど、18世紀のスイス時計界で活躍した優れた時計職人らの呼称。当時の時計職人たちが屋根裏(キャビノチェ)で時計の製作を行うことが多かったことから、時計工房、または時計職人自体をキャビノチェと称するようになったといわれている。

ギャランティー
【 Guarantee 】
保証、あるいは保証書のこと。新品の腕時計の場合、購入後1年以内に起きた自然故障を無償で修理するための保証書になっていることが多いが、そのメーカーの製品であることを保証するための証明書としての意味も併せ持つ。

キャリバー
【 Calibre 】
腕時計に搭載されているムーヴメントを管理するための型番。通常は「Cal.」と表記されていることが多い。

ギョーシェ彫り
【 Guillochure 】
18世紀にアブラアン-ルイ・ブレゲが考案したといわれている、文字盤に施される繊細な彫金装飾のこと。装飾的な意味合いと、光の反射を抑えて文字盤を見やすくする実用的な意味合いを持つ。本来は熟練した職人が手作業で彫り上げていたが、現在はプレス加工が多い。高級ブランドの一部では、今でも職人による手作業でこの装飾が施されている。

鏡面仕上げ
【 Mirror finish 】
ケースやブレスレットに鏡のようなツヤ感を持たせた仕上げのこと。現在でも、職人の手作業で磨き込んでいくのが一般的。ポリッシュ仕上げともいう。

均時差
【 Equation of time 】
真太陽時を1日の長さとすると、1年を通じて、23時間44分から24時間14分の間で1日が変化する。これを1日24時間で区切った平均太陽時に比較した際に、軸差マイナス16分からプラス14分の誤差が出る。その誤差を均時差という。コンプリケーションのなかには、この均時差を表示する機能を搭載したモデルも存在する。

クォーツ
【 Quartz 】
電圧を加えると、毎秒3万2768振動する水晶の特性を生かして調速を行う電池式の高精度ムーヴメント。機械式では日差数秒の精度が限界だが、クォーツ式の場合、月差数秒という驚異的な高精度が実現できる。1969年にセイコーが、世界で最初にクォーツ式を商品化した。

グラスヒュッテ
【 Glashütte 】
ドイツのザクセン州、ドレスデン近郊にあるドイツ時計産業の中心都市。A・ランゲ&ゾーネ、グラスヒュッテ・オリジナル、ノモスなど、ドイツを代表する実力派の時計ブランドが本社を構える。

グランドコンプリケーション
【 Grand complication 】
永久カレンダー、ミニッツリピーター、スプリットセコンドクロノグラフ、トゥールビヨンなど、複雑機構を複数搭載した腕時計のことを指す言葉。機械式の場合は製作が非常に困難なため、希少価値が高く何千万という価格になる。多機能化が容易なクォーツムーヴメント搭載の腕時計からは、手頃な価格でグランドコンプリケーションが登場している。

グリニッジ天文台
【 Royal Greenwich Observatory 】
1675年にロンドン東部のテムズ川近くにあるグリニッジの丘にチャールズ2世が建立したイギリス王立天文台。世界で最初に子午線が置かれ、GMTの呼称で知られているグリニッジ標準時の基点になっている。1997年には、世界遺産にも登録されている。

クロノグラフ
【 Chronograph 】
通常の時刻表示機能に加えてストップウオッチ機能を搭載した腕時計のこと。一般にはインダイヤルの数により2カウンタークロノグラフ、3カウンタークロノグラフに分かれるが、インダイヤルのないクロノグラフもある。

クロノメーター規格
【 Controle Offiiciel Suisse des Chronometres 】
1951年にスイス時計製造協会が認定した時計の制度規格。現在はクロノメーター検定協会(COSC)が定めた厳しい試験にパスしたムーヴメントに与えられ、時計の文字盤などにクロノメーター認定を受けたムーヴメントであることを表記することが認められている。また、この認定を受けた高精度ムーヴメント自体を、クロノメーターと称することもある。

クロノマチック
【 Chronomatic 】
マイクロローター式の自動巻きクロノグラフムーヴメント「Cal.11」のこと。1969年にブライトリング、タグ・ホイヤー、デュボア・デプラが共同で開発した。自動巻きクロノグラフムーヴメント/カム&スイングピニオン式/毎時2万1600振動/直径31ミリ/厚さ7.7ミリ

クロワゾネ
【 Cloisonne 】
文字盤装飾のなかでも最も伝統的手法のひとつ。エナメル技法ともいう。フランス語で「仕切る」を意味するクロワゾネは、日本では有線七宝とも呼ばれ、文字盤上に厚さ0・1ミリ、幅1ミリのゴールドのワイヤーで絵柄の輪郭を描き、そこに使用する色ごとに釉薬を入れて焼き上げることで完成する。色ごとに何度も焼き上げねばならず、熟練の技術を必要とする。

軍用時計
【 Military watch 】
軍隊が制式に採用する時計。主に軍と契約を交わした時計メーカーが製造し、裏蓋にミルスペックと呼ばれる刻印がされている時計を指す。一般に販売されている時計を導入する場合もある。精度はもとより、耐久性、視認性など、極限の環境下でも高い実用性を発揮するクオリティが求められる。

ケース素材
ムーヴメントを収納する容器。最も一般的なステンレススチールのほか、ハイエンドモデルにはイエローゴールドやホワイトゴールドなど金無垢のケースが採用されることが多い。
最近はプラチナ、チタン、セラミック、カーボンなどのほか、ステンレススチールにPVD加工を施したものなど、多種多様な素材をケースに採用する傾向が見られる。

月差
【 Monthly rate 】
1カ月間の時計の進みと遅れの度合いを示す言葉。一般的には、機械式時計の場合は1日の進みと遅れの度合いを示す日差で精度を表示し、クォーツ式の場合に月差を用いる。機械式の場合は日差プラスマイナス10縲・0秒以内、クォーツの場合は月差プラスマイナス10縲・0秒以内が正確とされている。

原子時計
【 atomic clock / nuclear clock 】
誤差が10万年に1秒という、最高精度を持った時計。原子や分子から発生する、一定周波のエネルギーを利用している。電波時計はこの原子時計をもとにした標準時刻電波を受信して誤差を修正する。

コーアクシャル脱進機
【 Co-axial escapement 】
オメガが量産化を成功させた独自の脱進機構。通常よりもひとつ多い3つのツメ石を持つアンクルなどにより、パーツの摩耗を軽減。注油の必要性をほぼなくすことに成功した。通常のアンクル脱進機より、安定した高精度を維持できるとされる。現在のオメガでは、この機構を積極的に取り入れて、多くのモデルに搭載している。

ゴールド
【 Gold 】
金の意。純金はK24。時計にはK18が主に使用される。イエロー(YG)、ピンク(PG)、ローズ(RG)、ホワイト(WG)など、金と混合する他の素材によって色味や硬度などが変わる。市販として使用可能な合金の金含有度はK9、K14、K18、K22が法規で認められている。それぞれの金製品には、国の承認が必要で、許可されたものにはホールマークが刻印される。

コインエッジ
【 Coin edge 】
その名が示しているように、硬貨の縁に似た溝状の装飾のこと。主にベゼルやケースの側面に彫り込まれることが多い。アンティークのパイロットウオッチなどにも採用されており、腕時計にクラシカルな印象を与えることができる。

香箱(こうばこ)
【 Barrel 】
機械式時計の動力源である主ゼンマイを収めている丸缶状の歯車のこと。バレル、一番車、香箱車とも呼ばれている。

コート・ド・ジュネーブ
【 Côtede Genéve 】
ムーヴメントの地板や受け板に施される波形の模様。スイスの古典的な時計装飾の類で、美しさを誇示するためだけでなく、バリを除去し、油飛びも防ぐという効果がある。

コラムホイール
【 Column wheel 】
クロノグラフ機能の操作を、ムーヴメントの各部に伝達する歯車。2段構造で上段に柱(ピラー)のような形の歯車があることからピラーホイールとも呼ばれる。1960年代後半までは、コラムホイールを搭載するムーヴメントは一般的であったが、現在では高級なクロノグラフモデルにしか見ることができなくなった。最近では、カム式を見直しコラムホイールにモデルチェンジする傾向が見られる。

コンプリケーション
【 Complication 】
トゥールビヨン、パーペチュアルカレンダー、ミニッツリピーター、スプリットセコンドクロノグラフなどの複雑な機構を搭載している腕時計の総称。また、これらの複雑機構を2つ以上搭載している腕時計を、グランドコンプリケーションと呼ぶ。

サイクロップレンズ
【 Cyclops lens 】
ロレックスのデイト(日付け)モデルには、日付け表示窓の上にレンズ状のものが付けられている。これがサイクロップレンズと呼ばれるもので、約2.5倍の拡大率を持っている。カレンダーの視認性を高めるための機構だが、ロレックス以外で採用しているところはまだ少ない。

サテン仕上げ
【 Satin finish 】
金属の表面仕上げのひとつ。サテン(絹)に似た質感の、ツヤ消し仕上げとなっている。腕時計ではケースやベゼル、ベルトとの接合部分などに使われることが多い。

3針時計
時針、分針、秒針の3本の針を持つ時計のこと。中央に秒針を備えたセンターセコンドと、主に6時位置に設置されることの多いスモールセコンドと呼ばれるインダイヤルで秒を表示するものがある。センターセコンドのタイプは、中3針とも呼ばれている。

仕上げ
【 finish 】
ムーヴメントの輪列、時計の建て付け、ケースやブレスレットの磨きなどを最終調整すること。

シースルーバック
【 Seethrough back 】
裏蓋にサファイアクリスタルなどの透明な素材を使用した意匠。外からでもムーヴメントの駆動や、仕上げを鑑賞することができ、時計愛好家から人気が高い。裏スケルトン、スケルトンバックなどと呼ばれることもある。

GMT
【 GMT = Greenwich mean time 】
グリニッジ・ミーン・タイムの英語の頭文字。すなわちグリニッジ標準時のこと。または、24時間針を持ち、長針と短針による時刻表示のほかに、24時間表示が行えたり、第2時間帯の時刻を示す機能を示す。GMT機能を搭載している腕時計を示すこともある。

COSC
【 COSC = Controle Offiiciel Suisse des Chronometres 】
スイスにあるクロノメーター検定協会の略称。時計の品質向上を目的に設立され、時計の精度検査や、クロノメーターの認定などを行っている。

時差
【 Time difference 】
地球上の緯度が異なる場所で生じる時刻の差のこと。1時間は経度では15度。グリニッジ標準時を基準に、国や地域ごとに標準時を設けている。ちなみに日本とイギリスの時差はプラス9時間。つまり、日本はイギリスより9時間早い時間帯にある。各国との時差を読み取るにはワールドタイマー機能を搭載した時計が主に使用される。

姿勢差
【 Difference position 】
腕の動きによって、腕時計は水平や直立などさまざまな向きで使用される。この腕時計の向きが変わった状態では、ムーヴメントへの重力のかかり方が変わるため、精度も微妙な影響を受ける。この重力のかかり方の違いで生じる精度の誤差を姿勢差と呼ぶ。

自動巻き
【 Automatic 】
体の動作に呼応してローターが回転し、ゼンマイが自動的に巻き上がって動力を貯える機構。オートマチックともいう。現在では両方向回転で巻き上げる自動巻き時計が浸透している。

ジャイロマックス
【 Gyromax balance 】
パテック フィリップ社が1949年に特許取得した同社独自の調速機構。着脱できるワッシャーを取り付けることで、メンテナンスを容易にしたユニークな構造を採用している。

ジャンピングアワー
【 Jumping hour 】
短針の代わりに、文字盤に設けられた小窓に数字で時刻を表示する機構のこと。時刻を表す数字がジャンプして瞬間的に切り替わるため、ジャンピングアワーと呼ばれる。分針や秒針が左右に往復運動をするレトログラード機構と組み合わされることが多い。

ジュネーブ
【 Genéve 】
スイス時計産業発祥の地として知られるスイス南西部、レマン湖畔の都市。毎年、リシュモングループを中心とする「ジュネーブサロン」と呼ばれている、国際高級時計展「S・I・H・H(Salon Inter-national dela Haute Horloge-rie)」が開催されることでも有名。

ジュネーブシール
【 Le poinfon de Geneve 】
スイスのジュネーブで作られる高品質な時計に与えられる認証。1860年にその条件が定められ、公式検査機構による厳密な検査に合格しなければならない。一定の品質基準、精度と耐久性、定められた構成部品がジュネーブ州内に住む時計職人の手で製作され、組み立てられることなどが主な条件となっている。現在、ジュネーブシールを与えられているのは、パテックフィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、ショパール、ロジェ・デュブイなどのごく少数のブランドのみとなっている。

ジュラ山脈
【 Massif du Jura 】
スイス北西部にある山脈地帯。ラ・ショー・ド・フォン、ビエンヌ、ル・サンティエ、ル・ロックルなど、時計に深い関わりを持っている地域が点在していることから、時計業界ではウオッチバレーとも呼ばれている。ジャガー・ルクルト、ジラール・ペルゴ、オメガ、ゼニスなどの有名ブランドの本社がこのジュラ山脈一帯に設立されている。

シリアルナンバー
【 Serial number 】
本来は、時計をメーカーが管理するために時計ごとに与えた固有番号を指す。限られた特別な商品であることをアピールするために、限定モデルなどにもこの固有番号が刻まれていることが多い。

シルバー
【 Silver 】
軟らかく、加工しやすく、古くから宝飾品、食器、ケース素材として広く使用されてきた金属。純銀では軟らかすぎるため、銀92.5パーセント、銅7.5パーセントの合金のかたちで利用される。これをスターリングシルバー、シルバー925と呼ぶ。


【 Stem 】
テンプや歯車の中心に設置されている軸のこと。芯とも表記する。

真鍮
【 Brass 】
銅と亜鉛の合金のこと。あらゆる形状に加工しやすく、適度な強度も保有すが、錆や腐食しやすい欠点がある。時計の場合は、そのまま無垢で使用されることは少なく、金や銀、クロムなどでメッキしたうえで製品化される。丁寧に扱うと独特の風合いを見せ味わい深い色になる。

振動数
【 Beat 】
テンプが左右に振れる回数のこと。6振動といえば、テンプは1秒間で左右に6回、すなわち3往復する。ビートともいわれ、8振動、つまり毎時2万8800振動以上のものがハイビートムーヴメントだ。
振動数が上がれば精度も上がるといわれるが、ロービートでも高精度なものもあり、必ずしも振動数と精度は比例しない。振動数が増すとムーヴメントの摩耗が激しくなるため、あえてロービートを採用しているところもある。アンティークは1万8000振動のロービートムーヴメントを採用していることがほとんど。

スタート/ストップボタン
【 Start & Stop 】
クロノグラフを駆動させるためのプッシュボタン。通常は2時位置にスタートとストップ2つの機能を持つボタン、4時位置にクロノグラフ針をゼロ位置に戻すリセット用のボタンが設置されている。

ステンレススチール
【 Stainless steel 】
水や湿気に強く錆びにも強い。また化学薬品や酸化に対しても優れた耐蝕性を誇る合金鋼として、ケースやブレスレットに一般的に取り入れられている。1913年にイギリスで開発された。

ストラップ
【 Strap 】
時計を腕に装着するためのベルトのこと。一般的なクロコダイル(ワニ革)、アリゲータ(ワニ革)、カーフ(牛革)のほか、最近ではエイの革を使ったガルーシャなども人気が高い。皮革素材のほかには、ナイロン、ウレタン、ラバーなどの素材を使用したものも作られている。
●親
 12時側のストラップを指す。
●剣先(けんさき)
 6時側のストラップを指す。
●尾錠(びじょう)
 別名バックル。親の先端に取り付けられており、剣先と親を繋ぐ役目を果たす。
●つく棒
 尾錠に設置された棒状のパーツ。剣先に空けられた穴に挿入して、親と剣先を固定する。
●定革(ていかく)
 つく棒を差し込んだのち、剣先のストラップの余った部分が煩わしくないように収納しておくための固定型の環状のパーツ。定環(ていかん)とも呼ばれる。
●遊革(ゆうかく)
 つく棒が差し込まれたのちに、剣先側のストラップをさらに固定するための移動可能な環状のパーツ。遊環(ゆうかん)とも呼ばれる。

スプリットセコンドクロノグラフ
【 Split second chronograph 】
ワンプッシュで2つの計測を同時に行うことができるクロノグラフのこと。クロノグラフ秒針が2本あり、スタートボタンを押すと、2本が同時に動き始め、ストップボタンを押すとそのうちの1本が停止し、もう1本はもう1度ストップボタンを押すまで動き続ける。
この機構により、たとえば1位と2位の走者のタイム計測や、ラップタイム計測が行える。非常に複雑で、精度も要求されるため、このクロノグラフはコンプリケーションウオッチのひとつでもあり、これを作っていることは、高い技術の証明でもある。ラトラパンテあるいは割り剣クロノグラフとも呼ばれている。

スプリングドライブ
【 Springdrive 】
セイコーが独自に開発した新しい駆動機構。クォーツのように電池、蓄電池、モーターの類は使用せず、手巻き式や自動巻き式の腕時計と同じく動力源はゼンマイを使用。しかし、調速機構に関しては、通常の機械式時計とは異なり発電機とIC回路、水晶振動子によって行っている。通常の機械式時計の範疇を超える、平均日差プラスマイナス1秒という高精度を実現した。

スムーステンプ
【 Smooth balance 】
天輪にチラネジやアジャストスクリューネジを持たないシンプルなテンプのこと。平テンプとも呼ばれる。
スモールセコンド

【 Small second 】
文字盤上に時針、分針とは別に設置された、秒針用のインダイヤル。通常、秒針はセンターセコンドと呼ばれる機構で、時針、分針とともに、センターを軸にして回転しているが、スモールセコンドの場合、秒針のみを単独で表示するため、秒単位の視認性を高めることができる。また、クロノグラフの場合、通常の時計で秒針が設置されている場所にクロノグラフ秒針が設置されているため、秒針はスモールセコンドを採用していることが多い。

スモールダイヤル
【 Small dial 】
文字盤の中にある独立した小さな文字盤を指す。インダイヤルとも呼ばれる。30分積算計、12時間積算計、24時間積算計など、クロノグラフの積算計として使用される場合はカウンターとも呼ばれる。
積算計以外にも、日付け、曜日、閏年、ムーンフェイズ、第2時間帯表示など、さまざまな機構がスモールダイヤルに表示される。

スワンネック緩急針
【 Swan neck regulator 】
テンプの調速をさらに微調節することのできる、緩急針に付け加えられた板バネ。その形状が白鳥に似ていることからスワンネックと呼ばれるようになった。設置されているネジを絞めたり緩めたりすることで、緩急針の動きを微細に制御し微調整が行える仕組み。

精度
【 Accuracy 】
時刻表示の正確さ、安定性などを示す用語。搭載される機能の誤差、歩度、日差、月差、年差などを評価する際に、総体的に使用される。

積算計
【 Counter 】
クロノグラフ機能を駆動して計測された時間の累計を表示する機能。主にスモールダイヤルを使用して表示され、一般的な30分積算計、12時間積算計のほかに45分積算計、24時間積算計などがある。

セラミックス
【 Ceramic 】
陶磁器系の非金属素材。高硬度、非磁性、高耐蝕性、軽量など、ステンレススチールにはない独自の特徴を持つ。腕時計では、ケース、ブレスレット、文字盤などさまざまなパーツに用いられている。

ゼンマイ
【 Spring 】
機械式腕時計の動力源となる、香箱に収納されている細く長いバネのこと。かつてはスチール素材を使用していたが、耐久性の問題から改良が加えられ、現在は数種類の金属を混合して作られる特殊鋼が使われている。

耐磁性能
【 Anti magnetic 】
ムーヴメントへの磁力の影響を抑える機能のこと。金属部品が多いムーヴメントは、強い磁気を発生する機械などに近付くと、自らも磁気を帯びてしまうことが少なくない。磁気を帯びたムーヴメントは正常な動きができなくなり、精度が大きく狂ってしまう。そこで、軟鉄製のインナーケースでムーヴメントを収納するなど、磁気を寄せつけない構造を採用した耐磁ケースなどが開発された。最近では、磁力を帯びにくい特殊な金属を使用する場合もある。

耐震性能
【 Shock resist 】
時計が落下したりした際の衝撃を、天真の受け石が吸収する機構。一般的に採用されているインカブロック、パラショックのほかにも、キフやブレゲが発明したパラシュートなどの機構がある。

ダイヤル
【 Dial 】
文字盤のこと。真鍮素材やステンレススチールをベースに、装飾などを施したり、ラッカーで色付けされた後、インデックスをプリントしたものが一般的だが、18金にギョーシェ彫りやエナメル処理が施されたもの、ポーセリンを使用した高価なものなど文字盤だけでも多くの種類がある。

ダイバーズウオッチ
【 Diver’s watch 】
ダイバーが使用する潜水用時計。入水可能なスポーツウオッチもダイバーズウオッチと総称されることもある。ISO(国際標準化機構)と日本工業規格(JIS)の2つの規格が知られ、ISO規格準拠では、一般的には200メートル以上の防水性能を持ち、誤作動防止機能付きの回転ベゼルの設置、視認性、耐衝撃性など、さまざまな基準を満たすものをダイバーズウオッチと認定している。

タキメーター
【 Tachymeter 】
主にクロノグラフ搭載モデルに装備されている、平均速度などを計測するための機能。速度を計測するための目盛りを記載したベゼルや、文字盤の外周に目盛りとして設置されている。
1キロを通過するまでにかかった時間をクロノグラフの針によって計測し、クロノグラフ針が指し示しているタキメーター目盛りの数字によって平均時速割り出す。

脱進機
【 Escapement 】
→ エスケープメントの項を参照

チタン
【 Titanium 】
非常に軽く、耐摩耗性、耐蝕性、耐久性、耐熱性に優れた金属。チタニウムとも呼ばれる。ステンレススチールと同じく、時計ではケースやブレスレットに採用される。軽量かつ堅牢で金属アレルギーを起こしにくい素材として、昨今多用されるようになった。

調速機
【 Controller unit 】
脱進機から伝達された動力を、時計の駆動に適した速度に調節しながら再度脱進機に送るムーヴメントのパーツ。単体のパーツではなく、テンプ(ヒゲゼンマイ)、天真、振り石、振り座、緩急針といった微細なパーツを組み合わせて作られる。

チラネジ付きテンプ
【 Screw balance 】
ネジ状の錘が取り付けられたテンプのこと。錘を微調整することで精度をコントロールし、安定させることができる。そもそもは、温度などの影響を受けて精度が落ちることを回避するために開発された構造だが、劣化しにくい素材が開発されたため、現在ではチラネジを搭載していないテンプを採用するのが一般的だ。
ただし、往年の機械式時計を彷佛とされる構造に対しての評価も高く、今でもチラネジ付きテンプを採用されることは決して珍しくない。

ツインバレル
【 Twin barrel 】
ゼンマイを収納した香箱が2つ装備されていることを指す。古くは、へブドマスなどのように香箱を大型にして駆動時間を向上させた時計も存在するが、ゼンマイが伸びてしまう頃には、テンプの振り角が落ち、姿勢差にも耐えられず、精度が不安定になるという欠点があった。これを解消するために、複数の香箱を搭載して駆動時間を向上させる機構が開発された。

ツメ石
【 Pallet stones 】
アンクルのアームの先端に取り付けられた石。主に人工ルビーが採用されることが多い。

デイデイト表示
【 Day date 】
曜日表示と日付け表示、2つのカレンダーを併せて表示する機能のこと。
→ カレンダー機構の項を参照

鉄道時計
【 Railways watch 】
19世紀のイギリスやアメリカでは、鉄道の多くが単線だったため、時計が不正確では事故になりかねないことから正確な時刻表示を行える時計が求められた。現在では、そのために作られた機械式懐中時計を鉄道時計と呼ぶことが多い。大きめで蓋のないケース、はっきり読み取れるアラビア数字、太めの針などの特徴を持つ。

手巻き
【 Hand winding 】
機械式時計の動力を生み出すゼンマイの巻き上げを、リューズの操作によって手動で行う時計のこと。これに対して、ローターと呼ばれる錘を使用してゼンマイを巻き上げる時計を自動巻きと呼ぶ。

デュアルタイムウオッチ
【 Dual time watch 】
ひとつの腕時計で、2つの時間が表示できる機構を搭載したもの。小さなサブダイヤルを第2の時計にしているものが多いが、ジャガー・ルクルトのデュオのように、表裏に2つの時計を組み込んでしまったものもある。GMTモデルもデュアルタイムの一種。

テレメーター
【 Telemeter 】
2つの地点の距離を光と音の速度差を利用して計測できるスケール。この目盛りを備えたクロノグラフは、軍事用として開発された。敵艦の砲弾光が見えた瞬間に計測をスタートし、発射音が聞こえた時点でストップさせたときにクロノグラフ針が指す目盛りが敵艦までの距離となる。

天真
【 Balance staff 】
テンプを構成するパーツのひとつ。天輪と呼ばれる輪状の中心に設置された軸。

テンプ
【 Balance with fairspring 】
テンプは文字どおり輪のような形状をした天輪と、回転運動の軸となる天真、そして天輪と天真を繋ぐアームなどから構成されている。これにヒゲゼンマイが取り付けられ、アンクルが左右に振れたときに元の位置に戻そうとする動きが生じる。この動きによってテンプは往復運動を繰り返すことになる。
ゼンマイはすぐに解けてしまうので、ゼンマイを動力源とした一定方向への回転力を、ガンギ車やアンクルの動きと連動して、規則正しい往復運動により一時停止させ、その動力を長時間維持させていることになる。同時に、正確な振動を維持する重要な役目も果たす。まさにムーヴメントの心臓部。

テンプ受け
【 Balance bridge 】
テンプの位置を固定し、かつ支持するテンプ専用の地板。緩急針などもセットされている。

天文台コンクール
【 Astromical observatory chronometer concours 】
スイスにあるジュネーブ天文台とヌシャテル天文台、そしてフランスのブザンソン天文台が実施した時計の精度を検定する試験。テストをパスした時計だけが天文台クロノメーターとして認定された。
グリニッジ天文台やキュー天文台など、各国で多くの天文台コンクールが行われたが、特にジュネーブとヌシャテルの2つのクロノメーターコンクールは、ハードルが高いことで知られていた。名だたるウオッチメーカーがチャレンジし名声を獲得したが、1967年にその幕を閉じた。

トゥールビヨン
【 Tourbillon 】
テンプにかかる重力の影響を姿勢に関係なく平均化し、精度を向上させることを目指して開発された機構。地球上に存在する以上、腕時計の部品はどれも、厳密にいうと地球の重力の影響を受けることになる。テンプにも重力がかかるため、振動に極微ながら誤差が生じる。
これを軽減させるために、キャリッジと呼ばれる籠の中にガンギ車とアンクルの脱進機を収め、1分間に1回転させるのがトゥールビヨンである。フランス語で「渦巻き」を意味し、1795年にアブラアン・ルイ・ブレゲにより開発された。

ドクターズウオッチ
【 Doctor’s watch 】
医師や看護師が、患者の脈拍数を測るのに便利なように、時間と分を表示する文字盤と秒表示用の文字盤を独立して備えている腕時計。ロレックスのプリンスのように、メインダイヤルの上半分が時針と分針を備えた通常の時計、下半分が秒表示になっているものが多い。小振りな懐中時計のようなもので「ナースウオッチ」と呼ばれるものもあるが用途は同じ。

トノーケース
【 Tonneau 】
トノーとは樽のフランス語。つまり樽形ケースのこと。
レディースモデルに多く採用されていたが、フランク・ミュラーの登場で、メンズモデルにもトノーケースが増えている。

トリチウム
【 Tritium 】
文字盤内の視認性を高めるため使用される自発光型の塗料。放射性元素の夜光塗料として使用される。

トリプルカレンダー
【 Triple calendar 】
日付け表示、曜日表示、月表示という3つの表示を、ひとつの文字盤内に併せ持つカレンダー機構。これにムーンフェイズ表示を組み合わせたモデルもある。

日常生活防水
雨、汗、洗顔など、日常生活のなかでの生じる事象を想定して設定された3気圧程度の防水性能。基本的に1気圧=10メートルの防水性に置き換えられるが、実際には動きによって想定以上の水圧が生じることがあるので、3気圧防水であったとしても水中での使用は不可能。

日差
【 Daily rate 】
時計の1日の進み、遅れを表す言葉。月差は月、年差は年を表す。

ヌシャテル
【 Neuchâte 】
ラ・ショー・ド・フォンやビエンヌと並ぶジュウ渓谷の時計産業が盛んな土地。スイス中西部、ヌシャテル湖北西岸にある都市。天才時計師アブラアン・ルイ・ブレゲの生誕の地として有名。

バーゼル
【 Basel 】
ライン川上流沿岸に位置し、ドイツ、フランスと国境を接するスイス北部にある都市。世界最大の時計宝飾品の見本市として知られる「バーゼルワールド」の開催地。

パイヨン
【 Paillon 】
エナメル板に金粉や金箔を貼り付け、上薬を塗って焼き込む手法。現在では、素材が貴重になったことと、職人も少なくなったことで、希少性が高まっている。元来は、フランス語で金粉を指す。

歯車
【 Gear 】
ゼンマイから伝わる動力を、軸から軸へと伝達する輪列の車には多数の歯が設けられている。それらの車を総称して歯車と呼ぶ。
ハック
リューズを引き出すと秒針が止まる機構。航空部隊の兵士たちが搭乗前に仲間との時計を合わせる際に「ハック」と、かけ声をかけて時刻合わせを行ったとされている。

バックル
【 Buckle 】
ブレスレットの留め金具を指す言葉だが、革ベルトをワンタッチで留められるように工夫した金具のことだけを指すことも多い。3枚のプレートを2カ所で繋げた、3つ折り式のバックルが主流だ。

バネ棒
ケースとストラップやブレスレットを繋げる金属製の棒。取り外しが行いやすいように内部にスプリングを入れて伸縮するような仕組みになっている。

バブルバック
【 Bubble back 】
1931年、ロレックスが手巻きムーヴメントに自動巻きローターを取り付けたムーヴメントを開発。そのムーヴメントを、従来の手巻きモデルのケースに収納したため、ローターの分だけケースの底に厚みが生じた。それがシャボン玉のように丸く膨らんでいたことから、バブルバックと呼ばれるようになった。1940年前半まで製造されていた。アンティーク市場での人気モデルのひとつ。


【 Hand 】
時計の各指針の総称。時針、分針、秒針、積算針など、時計に使用されているすべての針のこと。リーフ型やコブラ型、スペード型、ベンツ型、ブレゲ型など多品種があり、それぞれの時計のデザインや視認性に大きく影響する。

バルジュー
【 Valjoux 】
1901年創業の名門クロノグラフムーヴメントメーカー。現在は、ETAに統合されており、クロノグラフムーヴメント「バルジュー7750」にその名残りを残す。アンティークのムーヴメント、Cal・22、23、72、88は現在でも人気が高く、現存数も希少なことから価格が高騰している。

パルスメーター
脈拍数を計測するためのスケール。医療用にクロノグラフの積算計表示をアレンジしたものが最もポピュラー。任意の回数の脈を打った時点でクロノグラフ針をストップし、その針が指す目盛りが1分間の脈拍数となる。

パワーリザーブインジケーター
【 Power reserve 】
機械式時計の動力源であるゼンマイがどのくらい巻き上げられた状態にあるのか、そのエネルギー残量を示す表示。通常は文字盤内に設置された扇形のインジケーターにあと何時間もしくは何日間、時計が動くのか表示される。パワーリザーブは約2日間程度が一般的だが、最近は1週間以上持つロングパワーリザーブモデルも数多く出てきている。

ビーナス
【 Venus 】
1924年にスイスのラ・ショー・ド・フォンで創業したムーヴメントメーカー。バルジューと同じくクロノグラフのムーヴメントに定評があり、ブライトリングなどがベースムーヴメントに採用していた。なかでもCal・175や178、188などは名機として現在でもその人気が高い。1960年代にバルジューに吸収され、現在は残っていない。

ビエンヌ/ビール
【 Bienne/Biel 】
ドイツ語とフランス語、2つの言語を公用語として使用するためビエンヌ(フランス語)、ビール(ドイツ語)という2つの呼び名を使用するスイス北西部にある都市。スウォッチグループの本社のほか、ブライトリング、モバード、エベラールなど、多くのメーカーが存在する。

ヒゲゼンマイ
【 Hair spring 】
調速機構には欠かせないパーツのひとつ。テンプの中心にあり、髪の毛ほどに細く長いゼンマイ。このテンプが心臓の心拍機能のように一定の伸縮運動を繰り返す。

ヒゲ持ち
【 Stud 】
テンプ受けの下にあり、ヒゲゼンマイの長さを調節しタイミングを調整する。このパーツをスライドすることでヒゲゼンマイの長さが調整できる。

ビッグデイト
【 Large date display 】
視認性を高めるため、あるいは通常の日付け表示とは異なるデザイン上のポイントとして、日付け表示を2縲・倍の大きさで表示しているもの。普通の日付け表示の場合、1枚のディスクで1縲・1までの数字を表示することが多いが、ビッグデイトの場合は、2枚のディスクを使って、1の位と10の位を分割して表す。

プッシュボタン
【 Push button 】
クロノグラフ機能をスタート、ストップ、リセットするための操作ボタン。プッシャーやプッシュピースともいう。現在は、リューズの上下に2つ装備されるのが一般的だが、最近では、懐中時計に見受けられたひとつボタンのモノプッシュ式クロノグラフも腕時計で見られるようになった。

フライバック
【 Fly back 】
クロノグラフの計測中にリセットボタンを押すと、すべてのクロノグラフ計測針が、瞬時にゼロにリセットされ、再度計測を始める機構のこと。連続して計測を行うのに便利。

プラスチックベゼル
【 Plastics bezel 】
回転ベゼルや、タキメーターになっているクロノグラフのベゼルに使用されているものがある。代表的なモデルはロレックスの手巻きのデイトナで。色は黒。傷が付きやすいため、程度の良好なものは少ない。現在、プラスチックベゼルを採用しているモデルはほとんどない。

プラチナ
【 Platinum 】
金属の元素Pt。白金ともいわれ鮮明な光沢を持つ貴金属で、箔に圧延したり、極細に加工することもできる柔軟性のある素材。ケースに使用されるなかでは、最も高級な素材といえる。

ブリッジ
【 Bridge 】
輪列やテンプ、香箱、アンクルなどを地板の対面から支持するための板パーツ。
→ 受け板の項を参照

ブルースチール
【 Blue steel 】
ステンレススチールに焼きを入れ、青色の酸化被膜を作った素材。時計の場合は針やネジに使用される。硬質になるばかりか、色合いの美しさから人気も高い。 生産は非常に難しく焼くポジションによって焼き切れてしまうものもあるので大量生産はできない。

ブレスレット
【 Bracelet 】
金属製バンドのこと。ブレスと略されることが多い。スポーツウオッチやジュエリーウオッチなどでは、ブレスレットが一般的。レザーストラップなどと互換性があるものもある。

ヘアライン
【 Hair line 】
ケースやブレスレットの仕上げのひとつ。サテン仕上げと同様ツヤ感を抑えたマットな仕上げで、一方向にのみ研磨した跡が髪のようにみえることから名付けられた。

ベゼル
【 Bezel 】
風防を囲うように、ケースの前面に付けられたリング状のパーツのこと。風防をケースに取り付けておく役割もあるが、装飾的な意味合いも強く、ベゼルだけにゴールドを使用したものも少なくない。ブルガリのように鏡面仕上げを施したものや、ロレックスのように多彩なバリエーションをそろえているものなどもある。ダイバーズウオッチは時間目盛りを、クロノグラフではタキメーターを配したものが多い。

ペルラージュ
【 Perlage 】
ムーヴメントの表面に施される装飾。円を重ねた魚のウロコのような模様が特徴。

ポーセリンダイヤル
【 Porcelain dial 】
陶磁器製の文字盤のこと。エナメルと同様に扱われるが、ガラス系素材のエナメルとは異なり、磁器土を銅製の原版に塗り高温で焼いた後に上薬をかけて仕上げた陶製ものを指す。
陶器なので焼きムラがあると文字盤として時計に組み込むのが難しい。また割れやすいデメリットもある。しかし、それだけに希少性は非常に高い。

ボールベアリング
【 Ball bearing 】
ローターを円滑に回転させ、摩耗も軽減させることをテーマに開発された鋼鉄のボールを組み込んだ自動巻き機構用のパーツのこと。

ホールマーク
【 Hallmark 】
1300年代、ロンドンのゴールドスミス社が金銀の偽造を防ぐために貴金属を検定し、認定した貴金属製品に刻印を開始した。これがホールマークの始まりといわれている。年代により刻印のデザインはさまざまあり、アンティークモデルの製造年代を調べる際にも使用される。

防水性能
【 Waterproof 】
懐中時計の時代は防水性能を問われることはなかったが、直接肌に着ける腕時計では、汗などのほかに、手を洗ったときにかかる水や雨に対する防水、そして軽いウオータースポーツからダイビングに至る防水対策まで、腕時計にとって防水機能は重要なものとなっている。

歩度
【 Rate 】
→ 日差の項を参照

ポリッシュ仕上げ
【 Polish finish 】
→ 鏡面仕上げの項を参照

ポインターデイト
【 Date hand 】
日付けを表す数字を、専用の針で指し示すカレンダーの機構。日付け表示は小窓に数字を表示するタイプの方が一般的だが、こちらは数字の読み間違いがないため視認性に優れる。
また、ディスクで動かすタイプと違い、ムーヴメントが薄くなり、故障も少ないといわれる。

マイクロローター
【 Micro-rotor 】
自動巻きムーヴメントの錘の一種。振動で回転しゼンマイを巻き上げる回転式の錘だが、通常、ムーヴメントの3分の2ほどのサイズを採用するのに対して、直径約1センチ前後の小さいサイズに設計されている。

巻き真
【 Winding stem 】
リューズに設置されたゼンマイを巻き上げるために不可欠なパーツ。巻き芯とも記される。巻き上げ以外に時刻やカレンダーの調整を行うのに必要となる。

マニュファクチュール
【 Manufacture 】
もともとはムーヴメントの開発、製造からケースなどに至るまで、自社で一貫生産できる体制を持っている時計メーカーのことを指す。最近では、自社ムーヴメントを製造するメーカーという意味で使われることもある。ジャガー・ルクルト、パテックフィリップ、ロレックスなどが代表的。

マリンクロノメーター
【 Marine chronometer 】
海洋上でも陸上と同じ正確な時刻を確認するために製造された海洋時計。羅針盤同様の形で、振動や温度、湿度、潮の影響を受けず、いかなる状況下でも高精度を保つ。

丸穴車
【 Crown wheel 】
ゼンマイの巻き上げに必要なパーツ。キチ車からの回転を、角穴車もしくは角穴中間車へと伝達する車。

ミニッツリピーター
【 Minute-repeater 】
音で時刻を知らせる機構のこと。1700年代に発明されたといわれており、もともとは文字盤を目視できない暗闇でも時刻を認識できるように開発された。時間だけでなく分の単位までを、鐘を打つ数と音色で知らせるミニッツリピーターのほか、分ではなく15分の単位で知らせるクォーターリピーターもある。トゥールビヨンと並ぶ、複雑機能の頂点。

ミルスペック
【 Millitary specification 】
各国の政府が認定した軍の採用品の仕様や性能についての規格のこと。正式にはミリタリースペシフィケーションと呼ばれ、ミルスペックは略称とされている。軍隊に採用される時計にもこのミルスペックが適用されることが多い。

ムーヴメント
【 Movement 】
いわば時計の心臓部。機械式ムーヴメントは、ゼンマイ、輪列、脱進機、あるいは自動巻きのローターなどから構成され、クォーツ式ムーヴメントでは、脱進機がない代わりに、水晶振動子やステップモーターが加わっている。スイスの時計メーカーの多くはエボーシュと呼ばれるムーヴメント専門メーカーから半完成のムーヴメントを購入し、独自に開発したパーツを組み合わせたり、改良を加えて使用する。

ムーンフェイズ
【 Moonphase 】
月齢を文字盤上の小窓に表示させる機構のこと。顔が描かれたものや実際の月のようにリアルな画像を使用したもの、宝石を配したものなど、アイテムによっていろいろなデザインが施されている。

無垢
【 Pure 】
プラチナ無垢、金無垢、銀無垢、ステンレス無垢など、素材の純度を指す。ケースや尾錠の素材として使用されるが、文字盤やムーヴメントの地金に高価な金属素材が使用される場合もある。

無反射コーティング
【 Anti-reflexible coating 】
文字盤の反射による視認性の妨げを解消するために、風防の映りこみなどを軽減させるコーティングのこと。時計によって、表面のみの場合と、両面に施されるものがある。

メッキ
【 ★★★Plate 】
傷や腐食の対策、または装飾的な意味合いでケースなどの素材として使用している金属の上に、別の金属で被膜・被覆する手法。最近では、電気分解メッキや溶融メッキによる従来のもの以外に、真空蒸着などによるPVD加工やイオンプレート(IP)加工なども見られるようになった。

モース硬度
【 Mohs 】
鉱物、宝石などの硬度を示す基準。一般的には、最も軟らかい1から、最高硬度を持つ10までの基準が用いられる。ちなみに、最も硬度の高い鉱物はダイヤモンド。続いて、同列でルビーとサファイアが規定されている。

文字盤
【 Dial 】
→ ダイヤルの項を参照

夜光塗料
【 Luminous paint 】
暗い所での文字盤の視認性を高めるために、針やインデックス、文字盤などに塗布される発光する塗料のこと。
トリチウムのように常に発光する自発光型と、日中の明かりを蓄積して光を徐々に放出するルミノバなどの蓄光型の2つに大別される。ガラス管にガス状のトリチウムを混入し、10年以上も発光し続けるマイクロガスライトなど、その種類はさまざまだ。

UTC
【 UTC = Universal time coordinated 】
協定世界時。超高精度を誇る原子時計を利用して国際原子時を決め、そこに閏秒を追加して世界の公式時刻として使用している。
長年、世界標準時刻として使用されてきたGMTが、近年、海の潮汐運動がブレーキとなり、地球に自転周期が年々長くなってきていることがわかった。UTCはこれを是正するために考えられたものだ。

ユニタス
【 Unitas 】
オーガスト・レイモンドのムーヴメント製造部門が設立したエボーシュメーカー。懐中時計のムーヴメントで知られており、現在ではETAがムーヴメント商標を引き継ぎ、ムーヴメントの製造を継続している。Cal・6497、Cal・6498などが有名。

ラグ
【 Lug 】
ケースの上下に2本ずつ突き出た形で取り付けられた、ストラップやブレスレットを装着するためのパーツ。ケースと一体で製造されたものと、後から溶接などで取り付けられたものがある。装飾的で細めのタイプは後から溶接されたものが多い。
また、このラグが可動するタイプや、ラグ自体を装備していない時計もある。

ラ・ショー・ド・フォン
【 La chaux-de-Fonds 】
ヌシャテル、ビエンヌなどと同じくジュラ地方に位置する都市。スイス北西部のフランス国境にほど近い場所にあることから、時計製造の技術を持つユグノー(カルヴァン派の新教徒)が、16世紀の宗教戦争で迫害されたことでフランスからこの地へ移住。
その後、徐々に時計産業の中心地として発展していった。スイス最大の国際時計博物館や、アンティークウオッチ店が多数ある。エベルやジラール・ペルゴなどのファクトリーやサプライヤーが点在している。

ラトラパンテ
【 Ratrappante 】
→ スプリットセコンドクロノグラフの項を参照

リーニュ
【 Ligne 】
時計のムーヴメントの直径を表す単位として使用されている。フランス語でリーニュというが、英語ではラインのこと。
1リーニュは、2.256ミリとなっており、17リーニュでは約38.352ミリの時計の寸法ということになる。スイスの時計生産は、このリーニュの単位を優先して製造している。

リダン
【 Redone 】
文字盤やインデックスを補修したり書き換えたりして、新品時のような美しさに戻すこと。リファインともいう。
日焼けにより変色した蛍光インデックスやヒビが入るなどした文字盤を再塗装したりする。美しく再生されるものの、腕時計自体のオリジナル性は損なわれるため、リダンを好まない人も多い。

リファレンスナンバー
【 Reference number 】
時計本体の整理番号や製造番号。カタログなどでは、Ref・から始まり、数字やアルファベットの組み合わせで表記されるのが一般的。製品となった時計には、裏蓋やタグなどに表記されている場合が多い。

リューズ ( 竜頭 )
【 Crown 】
手巻き式の時計で、ゼンマイを巻き上げたり時刻の調整を行う際に使用するパーツ。
漢字では「竜頭」と書く。スポーツウオッチやダイバーズウオッチなどでは防水性を高めるための、パッキンを設置した「ねじ込み式リューズ」が使われる。

ル・ロックル
【 Le Locle 】
時計生産の中心地、ラ・ショー・ド・フォンから西に向かって8キロほどの場所にある町。
やはり、ジュラ地方に位置し、1705年にダニエル・ジャンリシャールが、スイスで初めての時計工房を開設した場所としても知られている。ユリス・ナルダン、ゼニス、ティソの本社が設置されている。

ルビー
【 Ruby 】
→ 石の項を参照

ルミノール
【 Luminor 】
ネライがトリチウムから開発した夜光塗料。ラジウムより安全な弱放射性物質で、発光性もいい。
パネライでは、その「ルミノール」をモデル名にも使用している。

レギュレーター
【 Regulator 】
時針、分針を同軸上ではなく、文字盤上に個別に配置して表示する機構。
通常の時計は時・分・秒針を動かす軸がセンターの1本で済むが、このレギュレーター機構の場合は、時・分を表示する場合は2本、秒針も表示すると3本の軸が必要となりそのぶん、歯車などの部品が必要となるため内部構造が複雑になる。
レトログラード
【 Retrograde 】
逆行を意味するフランス語。英語ではレトログレード。
針が円運動ではなく、扇状に往復運動をするのでこう呼ばれる。秒針やカレンダーに使われることが多い。
レマニア
【 Lemania 】
884年に創業した時計メーカー。業務用ストップウオッチやヨットタイマーなど、計測機系のモデルが有名。自社製の時計よりもムーヴメント開発技術に定評がある。
コンプリケーションやクロノグラフなどの複雑なムーヴメントの製造を得意とする。1981年からヌーベル・レマニアとして、機械式ムーヴメント製造に専念。

レリーフ仕上げ
【 Relief finish 】
懐中時計や腕時計の裏蓋に用いられる装飾技法。浮き彫りともいう。名前のとおり、形や文様が浮き出しているように彫りこまれている点が特徴となっている。

六姿勢
【 Six attitude 】
腕時計の6つの部分を上にした状態で姿勢差を調べること。
① 文字盤
② 裏ブタ
③ 12時位置
④ 3時位置
⑤ 6時位置
⑥ 9時位置

ローター
【 Rotor 】
自動巻きの時計に使われる扇状のパーツ。回転錐とも呼ばれ、腕の振動などにより回転し、その力がゼンマイの巻き上げに使われる。
現在、一般的に見られる方式では、ローターは360度、左右双方向に回転する。動力を生み出すためにはある程度の重力が必要なため、ヘビーメタル、ゴールドなどの素材が多く用いられる。

ローカルタイム
【 Localtime 】
デュアルタイム機能搭載の時計などで、基準となる場所の時刻とは別に設定される第2カ国、地域の標準時。現地時間ともいう。ちなみに、基準となる場所を、ホームタイムと呼ぶ。

ワールドタイム
【 World time 】
世界の主要都市の時刻をひと目で確認できる機構。リューズやボタンを使い、ニューヨーク、パリ、東京など、主要都市名が書かれた文字盤やベゼルを回転させて、該当都市の時刻を知ることができる。時差計算をせずに時差が異なる地域の時刻を読み取ることが可能だ。

ロレックス

ドイツ時計

カジュアル時計

アンティーク時計

レディース時計