國村 隼 -男の肖像時計の選択(パワーウオッチVol.37-2)

「スモールセコンド好き」という國村さん愛用のルクルト。ラグ(バンドと本体を繋ぐ部分)の形状が非常に珍しい

 

NHK朝の連続テレビ小説『芋たこなんきん』のヒット以来、「カモカのおっちゃん」という愛称がお茶の間に定着した國村隼さん。最近では、サントリーのウイスキーのCMでも、渋い演技を見せてくれている。そんな國村さんが愛用している腕時計は、ジャガー・ルクルトのアンティーク。1950年代の物だそうだ。

「僕は1955年生まれなんですけど、何となく同年代の腕時計に引かれてしまうんですよね。ああ、この腕時計も自分と同じだけの時間を生きてきたんだなあ、と」

実は國村さんは少年時代、エンジニアに憧れていたらしい。

「機械が好きで、車の設計をやりたくてね。まあ、いろいろあってドロップアウトして、なんやかんや言っているうちにこうなっちゃいましたけど(笑)」

僕は1955年生まれなんですけど、何となく同年代の腕時計に惹かれてしまうんですよね。
ああ、この腕時計も自分と同じだけの時間を生きてきたんだなあ、と

当然、腕時計にも子供の頃から興味があったという。

「小学校の頃から、親に『ディズニーウオッチでいいから買ってくれ』と言ってましたね。ついぞ買ってもらえませんでしたけど。僕は車でもシャシやサスペンションより、エンジンが好きというタイプ。なんかね、機能はすごくシンプルなのに、それを実現するためのメカニズムがすごく複雑になっていることに、ときめきを感じるんですよ。最終的な目的に対して、どんな機械だったら成立するのか。それを考えていった過程も好きだし、実際に製作していくときの流れも好きなんです」

1本の映画を作るという行為は、時計作りのように
とてもメカニカルな要素で成り立っているんですよ。

國村さんは、腕時計やエンジンをとおして、それを作った人間たちのストーリーを見ている。そこから得た感覚が、役者という仕事に役立っている面もあるとか。

「1本の映画を作るという行為は、時計作りのようにとてもメカニカルな要素で成り立っているんですよ。ある目的のために、1シーンごとの部品を作り、編集でそれを組み上げていくわけですから。そのなかで役者はいわばネジの役割。いくらよくできたネジでも、歯の数が合ってなければちゃんと動きません。だから僕は台本を読むとき、自分の役よりも、まずその世界観やトーンを理解することを考えます。台本は設計図みたいなもの。しっかりそれを読み解き、自分というパーツの役割と機能を把握していくことが、プロの役者の仕事だと僕は思ってます」

エンジニアへの夢は、いつしか役者へと変わっていったが、その根底にある職人気質は今でも変わらないようだ。

 

國村 隼俳優)
JUN KUNIMURA 1955年11月16日生まれ。大阪府出身。カンヌ国際映画祭カメラ・ド-ル賞受賞作『萌の朱雀』で主演を努め、『KILL BILL vol.1』『ブラック・レイン』など、国内外を問わず、数多くの名作・大作に出演。ドラマや舞台、CMなどでも活躍している。国内の映画出演作に『半落ち』『交渉人真下正義』『日本沈没』など、11月に公開された『やじきた道中てれすこ』にも出演。テレビドラマでは『芋たこなんきん』『震度0』『冬の運動会』など、舞台では『エレンディラ』『ふたたびの恋』などに出演。

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