村田 雄浩 -男の肖像時計の選択(パワーウオッチVol.42-2)

チュードルのクロノタイム。縦に3つのインダイヤルがレイアウトされた端正なクロノグラフで、黒いフェイスがアクティブな印象を与える

 

飾り気のない朴訥とした役柄が多い村田さんだが、実際の人物も非常に柔らかく気取りのない雰囲気だ。

「もともと時計にそんなに興味がある方じゃなくて、この時計も貰い物なんです。もちろんそれまでも時計は何本か買ったことはあるんですがどれも高いものではないし、飽きっぽいのですぐにしなくなっちゃう。これをくれたのは貿易商の友達なんですが、その友達が『そろそろ時計くらいはした方がいいよ』って言うんですね。そんなこともあって、この時計だけは使い続けています」

友達が「そろそろ時計くらいはした方がいいよ」って言うんですね。
そんなこともあって、この時計だけは使い続けています---

そういって取り出してくれたのが、チュードルのクロノタイム。友達の心遣いに感激して愛用するようになった時計だが、この時計を手に入れたことで身だしなみも微妙に変わってきた。それまでの村田さんは、ジャージがトレードマークというほど服装に無頓着だったが、最近は少しシックなジャケットなどもよく着るようになったのだ。時計自体のたたずまいが比較的オーソドックスで、どんな服装にも合わせやすい点も大きいだろう。

---時計を手に入れて眺めることでストレスを解消しているんだと思います。
時計にはそういう効果があるような気がする

「俳優っていうのは現場に入れば衣装が用意されているわけだから、移動中は動きやすければいいやって(笑)。ジャージだったらそのまま稽古もできますしね。ところが年齢もだんだん上がっていくに連れて、このままではいけないなって気持ちが芽生えてきた。そこにあの時計を貰ったこともあって、多少は服装にも気を遣うようになってきましたね。若いころはできるだけアクティブでいたかったから、時計は鬱陶しかったんですけどね。でも、この仕事をやっていると高価な時計をしている人も周囲にいるけど、そういう人たちは時計を手に入れて眺めることでストレスを解消しているんだと思います。時計にはそういう効果があるような気がする」

そんな村田さんのストレス解消は、もっぱら趣味の乗馬だ。時代劇の撮影で必要だったために覚えたのだが、始めてからはすっかりはまってしまい、現在は群馬の牧場に愛馬を預託してオフのたびに乗りに行っているという。

「もうここ数年は自分の全精力を馬に注いでいる感じですね。オフのたびに馬に乗りに行くことで、自分の中の余計な何かを浄化してくる。それでまた仕事を頑張れるんです。時計に情熱を注ぎ込む人も同じだと思うんですよ。持ち主にとって愛してやまない時計は、だんだん擬人化されて人格を持ってくるわけですよね。馬と付き合っていると、その気持ちはよくわかります。ましてや馬は生き物ですから、機嫌が悪ければこっちの思い通りになってくれませんからね。時計はそんな気まぐれな部分はずっと少ないだろうけど、調子が悪ければ持ち主だっていろいろ愛情を注ぐわけですしね。男の趣味ってそんな感じだと思いますよ」

 

村田 雄浩俳優)
TAKEHIRO MURATA 1960年3月18日、東京都生まれ。79年に映画「思えば遠くへ来たもんだ」でデビュー。温和なキャラクターをそのまま反映した役柄が多く、その親しみやすい笑顔にファンは多い。92年には映画「おこげ」への出演によって、日本アカデミー賞やキネマ旬報などの助演男優賞を総ナメにして注目を集めた。近年の代表作はテレビドラマ「渡る世間は鬼ばかり」、映画「青空のルーレット」「パッチギ! LOVE & PEACE」など。

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