サブマリーナは1950年代初頭にロレックス初の回転ベゼルを装備して登場したターノグラフをベースに開発されたモデルで、1954年のバーゼルフェアで正式発表されました。
以降、徐々にスペックが改良され、リューズガードの装備、クロノメーター認定、サイクロップスレンズによるデイト表示搭載など、機能性が追求されていきました。この間、イギリス軍をはじめとする多くの国軍に採用され、最高峰の潜水時計として幅広い分野で認知されるようになったのです。
ロレックスは、このサブマリーナを最初に発表する前の年に、「ロータリングベゼル」という名で回転ベゼルの特許を取得しています。さらにその前年には独自のリューズ方式である「トリプロック」の特許も取得。この2つのロレックス独自の機構がサブマリーナ誕生の要因となり、現在はこの稀代ダイバーズウオッチの個性そのものを示すようになっているのです。
こうした時代を先取した機能を取り込みながら不断の改良を重ねてきたサブマリーナ。その歩みは、そのままダイバーズウオッチ全体の歴史にもなるほどに、完成度の高いダイバーズとして不動の地位を築いていったのです。その一方で、数々のモデルチェンジにより、歴代モデルはコレクターズアイテムとしての顔も持ちます。有名な“赤サブ”やフランスの潜水調査会社との共同開発による“コメックス”などは生産本数も少なく、アンティークファンの間では高値で取引されています。現在でもコンビモデルやグリーンベゼルを発表するなど、常に話題を振りまく存在です。
ダイバーズウオッチの代表格ではありますが、ほかのブランドのものと比べるとデザインはいたってシンプルです。ビジネスシーンでも使える精悍なフォルムが海には縁遠い人をも魅了しています。単なるダイバーズウオッチの枠を超えた、大きな存在感を誇る時計といえるでしょう。
1954年のバーゼルフェアで発表されたといわれるRef.6204の当時のリーフレット。ベゼルの目盛に最初の15分に1分間隔の目盛がついていない。180メートル防水

- サブマリーナのファーストモデル、Ref.6204が誕生。翌年1954年にバーゼルフェアで正式に発表される。600フィート=180メートルの防水性能を持つといわれ、世界初の本格ダイバーズウオッチとして注目を集める。

- Ref.6536が、全回転両方向巻き上げ方式のCal.1030を搭載。それまでの全回転一方向巻上げ方式から、巻き上げ効率が飛躍的に向上する。

- Cal.1030を基にして開発された新型ムーヴメント、Cal.1530がRef.5508に搭載される。非常に安定性が高く、この1500番台のムーヴメントは80年代に至るまで改良を加えつつ採用された。

- Ref.5512からサブマリーナにリューズガードが採用され、ベゼルの刻みも側面から表面へと変更。耐久性や実用性がさらに向上する。

- フランスの潜水専門会社コメックスの依頼により、飽和潜水に対応するヘリウムガスエスケープバルブを搭載した特別仕様のRef.5513とRef.5514を開発。コメックスへと供給される。

- Ref.1680から日付け表示機能が搭載される。また、ゴムのパッキンを3つ使用し、防水性能を高めたトリプロックリューズもこのレファレンスから採用。

- 飽和潜水時、ケースに侵入したヘリウムガスを外へ排出するエスケープバルブを備え、610メートルの防水性能を誇るシードゥエラーを上位機種として発売。先に開発されていたRef.5514のサブマリーナが、そのベースになったといわれている。

- Ref.16800からサファイアクリスタルの風防が採用され、防水性能が200メートルから300メートルへと向上。ムーヴメントに関しても、このレファレンスから2万8800振動を誇る3000番台のハイビートムーヴメントに変更。日付け表示にクィックチェンジ機能が新たに付く。現行モデルとほぼ同じスペックを実現し、サブマリーナは完成の域に達する。

- テンプの支えを両ブリッジ式に改良。耐衝撃性と安定性を向上させたCal.3135を搭載したRef.16610が登場する。

- サブマリーナの誕生50周年を記念してグリーンベゼルのRef.16610LVが登場。

- サブマリーナデイトが約19年ぶりにリニューアルを発表。レファレンスも7桁となりこの年まず最初に金無垢モデルRef.116618のイエローゴールドとサブマリーナ初となるホワイトゴールドモデルのRef.116619がリリースされる。翌年、コンビモデルが登場する。

エクスプローラーの文字盤が採用されていたといわれるファーストモデルのもうひとつのタイプ。裏ブタは厚手のセミバブル仕様。200メートル防水
サブマリーナは誕生当初から防水性やムーヴメントなど仕様が違うRef.6204とRef.6200という2つのモデルが存在します。そして、それぞれに改良を重ねながらRef.6204はデイト付きのRef.16610へ。Ref.6200はノンデイトタイプのRef.14060Mへと受け継がれていきます。その間、数多くのレファレンスが存在していることから見ても、いかに試行錯誤のうえに完成されてきたモデルかがわかります。
●レファレンスと製造年代一覧
| レファレンス | 製造年代 | レファレンス | 製造年代 |
|---|---|---|---|
| Ref.6204 | 1953年 | Ref.6200 | 1953年頃 |
| Ref.6205 | 1954年 | Ref.6538 | 1955~1959年 |
| Ref.6536 | 1955~1959年 | Ref.5510 | 1958~1960年代半ば |
| Ref.5508 | 1958~1960年代半ば | Ref.5512 | 1959~1970年代前半 |
| Ref.1680 | 1966~1990年代半ば | Ref.5513 | 1962~1989年 |
| Ref.16800 | 1980~1988年 | Ref.14060 | 1988~2000年 |
| Ref.16610 | 1989~2009(?) | Ref.14060M | 2001~現在 |
