レアもの図鑑(第17回)
前回(Vol.16)に引き続いて、今回もパネライのレアものをご紹介したい。ファンにとっては周知のことだが、今でこそ多くのファンを抱えるパネライは、イタリア海軍と蜜月の軍需専門精密機器メーカーとして名を馳せていたことで知られている。そのため、その腕時計の存在は長らくイタリア海軍の軍事機密として秘匿されてきた。現在のように民生用の高級腕時計ブランドとして大々的にデビューしたのはパネライがヴァンドームグループ(現在のリシュモングループ)の傘下に入った翌年の1998年からだ。パネライは現行でもレアモデルが多いが、民生用としてのデビューから数年間はレギュラーモデルでも仕様変更により短期間で生産終了となったものが多く、限定モデルも今以上に個性的なアイテムが多い。黎明期に見られる希少ポイントの豊富さはパネライの人気を支える魅力となっている。ここで取り上げるダイヤモンドコレクションはパネライのレアモデルのなかでも、ひと際ユニークな存在だ。
まずは何といっても文字盤に注目。無骨なイメージのパネライに似つかわしくない、きらびやかなダイヤモンドのインデックスが何とも個性的な表情を作り出している。こうしたダイヤモンドをセットしたモデルはごく初期に受注生産で製造されたといわれているほか、復刻モデルとして登場することもあったが、このモデルは2002年にリリースされたモデルのひとつ。同時期にほかにもベゼルやケースにダイヤモンドをセットしたモデルがいくつか発表されたものの、どれもが極めて数の少ないレアモデルで常にファンが探し回り、入荷後すぐに売り切れてしまうほど。今では市場で出会えることも非常に稀だ。「誰よりも変わったパネライが欲しい!」という人には、まさにうってつけのモデルといえそうである。
POWER Watch No.57(2011年3月)掲載
協力◎トキオカ本店/写真◎笠井 修
ダイヤモンドによる文字盤インデックスはミリタリーウオッチのデザインフォーマットには似つかわしくないドレッシーな雰囲気だが、ベースデザインがシンプルゆえにダイヤモンドの存在感が引き立つ
“ピカサブ”の名で呼ばれる
トリチウム夜光の初期モデル
こちらはベゼルが現行モデルとは異なり、15分刻みの目盛りがなく、オールポリッシュ加工が施された初期モデルのルミノール サブマーシブル。パネライ好きの間ではそのディテールから、通称“ピカサブ”と呼ばれている。さらに、B品番までは針と文字盤インデックスに現在は使用されていないトリチウム夜光が施されている。現行にはないディテールや仕様はファンの心をつかみ、現在流通数の少ないレアモデルとして人気が高い。ルミノール サブマーシブル/Ref.PAM00024/ステンレススチールケース、ラバーベルト/ケース径44mm/300m防水/自動巻き(Cal.OP Ⅲ)/USED/参考価格45万円
ピカサブの特徴である、ポリッシュ仕上げの逆回転防止機能付き回転ベゼル。15分刻みの目盛りがないため、現行モデルと比べるとややすっきりとした印象を与える。また、文字盤のインデックスにはトリチウム夜光が使用されているため、経年劣化によるヴィンテージテイストが何とも味わい深い

