1,569

ロレックス礼讃

100年強の歴史のなかで時計界にさまざまな影響を与えたロレックス。その誕生の歴史を時計業界の動向とともに辿ってみましょう。
1881年  ハンス・ウィルスドルフが誕生。
1904年  ルイ・カルティエがブラジルの冒険飛行家サントス・デュモンのために革ベルトの付いた腕時計を製作。
1905年  ハンス・ウィルスドルフがロンドンにおいて時計商社ウィルスドルフ&デイビス社を設立する。
1907年  ウィルスドルフ&デイビス社がスイスのラ・ショー・ド・フォンに事務所を開設。
1910年  ロレックスの丸形キャリバー、Cal.11がスイス・ビエンヌの歩度検定でクラスAを取得。腕時計としては世界初のクロノメーター認定を取得。
1914年  第1次世界大戦が勃発。
1915年  社名を「Montre Rolex SA(ロレックス・ウオッチ社)に変更。
1919年  スイスのジュネーブへ本社を移転。
同時期にカルティエが第1次世界大戦で活躍した戦車からアイデアを得た「タンク」を発表する。
1921年 エベラールが二重カバー式の防水時計を開発。
1922年  フランスのレオン・ルロワが、ケースのなかでムーヴメント全体が振り子のようにゼンマイを巻き上げる自動巻き機構を腕時計に導入。また、同時期にイギリスのジョン・ハーウッドが約130度の回転幅を持つローターを用いた自動巻き機構を開発。1924年に腕時計として初の自動巻き機構の特許を取得。
1926年  ロレックスがねじ込み式の裏ブタとリューズを採用した「オイスターケース」を開発。特許を取得する。
エボーシュSAが設立される。
1927年  ロンドンの速記記者メルセデス・グライツ嬢が「ロレックス・オイスター」を着用したままでドーバー海峡を泳いで横断。
1929年  「プリンス」を開発。独立して駆動する秒針が医師が脈拍を測定するのに便利だったことからドクターウオッチの愛称で呼ばれるようになる。
ジャガー・ルクルトが、縦14ミリ×横4.8ミリ、厚さ3.4ミリの世界最小の機械式ムーヴメント「キャリバー101」開発。
1930年 ティソが世界初の耐磁腕時計アンチマグネティックウオッチを開発。この年に、腕時計の生産本数が懐中時計を初めて上回る。
1930年代  カルティエがマラケシュのパシャの求めに応じて、後にパシャと呼ばれる防水時計の原形を製作。
1931年  ロレックスが全回転式ローターを採用した「パーペチュアル機構」を開発。
同時期にジャガー・ルクルトがケースを反転できるレベルソを発売。
1933年 バブルバック登場。また、パーペチュアル機構で特許を取得する。
1935年  アメリカのユタ州ソルトレイク・フラッツにて、マルコム・キャンベル卿がオイスターを着用したままで時速484.6キロの自動車世界最速記録を樹立。同年にデイトナビーチにて、一時531キロで記録を更新する。
また、同時期にIWCがパイロットウオッチ、マークⅨを開発。
1936年  パネライの潜水時計「ラジオミール」がイタリア海軍に納品される。
1939年  第2次世界大戦が勃発する。
1942年 ブライトリングが対数計算尺を搭載した「クロノマット」を発表する。
1945年 ロレックスが誇る革新機能を搭載した「デイトジャスト」を発表。世界で初めて、日付けが瞬時に変わるカレンダーの小窓を文字盤に装備。
1947年  オイスターパーペチュアルを装備した、テストパイロットのチャック・イェーガーが音速を超える記録を達成。
また、同時期にバルカンが世界初のアラーム機能付き腕時計「クリケット」を発表。歴代のアメリカ大統領に愛用される。
1952年  ブライトリングが、ウィームス大佐の考案による航法用の回転計算尺を文字盤に装備した「ナビタイマー」を発表する。
1953年  ロレックスから冒険者の名を持つ「エクスプローラー」が登場。同年、イギリス登山隊がエベレスト登頂に成功。エドモンド・ヒラリー卿とともに頂上に立ったシェルパのテンジン・ノルゲイの腕には「オイスターパーペチュアル」が着けられていたといわれる。また、同年100メートルという画期的な防水性能を持つダイバーズウオッチ、サブマリーナも発表。翌年には200メートル防水に性能をアップ。
1954年  ロレックスから2カ国の時刻を表示することができるナビゲーションウオッチ、「GMTマスター」が発表される。
1950年代半ば  ロレックスが、強い磁気にさらされる医師や研究者に向けた、耐磁腕時計「ミルガウス」が登場する。
1956年  ジャガー・ルクルトが自動巻きのアラームウオッチ「メモボックス」を発表。
1957年  アメリカのハミルトンが世界初の電池式腕時計「ベンチュラ」を発売する。また、オメガから「スピードマスター」が発売される。
1960年  深海潜水艇トリエステ号が深さ1万908メートルの潜水に成功。船外には、ロレックス製の特殊時計(オイスター)が装備されていた。同年、ハンス・ウィルスドルフが死去。
ブローバがNASAの要請により開発した、電子音叉式腕時計「アキュトロン」を開発、発表。
1960年代  ロレックス「GMTマスター」が、パン・アメリカン航空の公式時計に採用される。
1961年  ロレックスから「コスモグラフ・デイトナ」が登場。
宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンが、人類初の宇宙飛行に成功。腕には第1モスクワ工場(後のポレオット)の腕時計、ジェントルマンスキーの「ストレラ」が着けられていた。
1965年  アメリカがベトナム戦争に介入。
同年、オメガの「スピードマスター」がNASAに公式採用され、アポロ計画などに貢献。
1969年  アポロ11号が月面に着陸。
ブライトリング、ホイヤー=レオニダス、ビューレン・ウオッチ、デュボア・デプラとの共同開発により、世界最初の自動巻きクロノグラフムーヴメント「キャリバー11」を開発。
ゼニスが毎時3万6000振動の自動巻きクロノグラフ「エル・プリメロ」を発表。
セイコーが世界初のクォーツウオッチ「セイコークォーツアストロン」を発売。同年、ロンジンも「ウルトラクォーツ」を発表する。
1970年  ロレックス「エクスプローラー」が、ドイツのグリーンランド遠征とニュージーランド南極探検に制式採用される。
ハミルトンが世界に先駆けて完全電子式腕時計のプロトタイプ、後のパルサーを世界に向けて発表。
オメガスピードマスターがアポロ13号の奇跡の生還に貢献。
1971年  ロレックスから「エクスプローラーⅡ」が登場。同年、フランスの潜水専門会社コメックスの協力を得て開発した「シードゥエラーを発表。
1973年  トム・ジェパードがロレックスのGMTマスターを装着し、サハラ砂漠の横断に成功。
1975年  コメックス社のダイバーがロレックスの「シードゥエラー」を装着し、カナダのロブラドゥール海岸沖で水深1070フィートの飽和潜水記録を樹立。
1978年  登山家のラインホルト・メスナーが酸素ボンベを使用せずにエベレストの登頂に成功。その際にエクスプローラーⅡを着用していたといわれている。また、同年にロレックス初のクォーツ式モデル「オイスタークォーツ」を発売。
1980年  ロレックスのシードゥエラーが防水性能を1220メートルに性能アップ。
1981年  ジャック・マイヨールがクォーツのオメガ「シーマスター120m」を装着し、エルバ島沖で素潜り101メートルの世界記録を樹立。
1982年  時計関連会社の共同体SMHグループがスイスに誕生。
1983年  ロレックスから「GMTマスターⅡ」が登場。
同年、スイスでスウォッチの発売が開始。ムーヴメントのエボーシュ会社として知られるETA社が設立される。カシオ「Gショック」もこの年発売に。
1988年  ロレックスのデイトナに、エル・プリメロをベースにした自動巻きムーヴメント搭載モデルが登場。イタリアからデイトナブームが起こる。
1989年  世界初の電波時計「メガ1」がユンハンスから発売される。
1990年  東西ドイツの統一により、ドイツの老舗時計ブランド、A.ランゲ&ゾーネとグラスヒュッテ・オリジナルが復活。
1991年  ブランパンが6つのマスターピースを完成させ、名門復活といわれて注目される。
1992年  ロレックスからラグジュアリースポーツモデルの先駆けとなる「ヨットマスター」が登場。
1993年  ヴァンドームグループが設立される。カルティエ、ピアジェ、ボーム&メルシエなどが参加。
2000年  ロレックスから、ツインブリッジで強化された、初の自社製クロノグラフムーヴメント「Cal.4130」を搭載した新型デイトナが登場。
2003年  サブマリーナの誕生50周年を記念してグリーンベゼルのRef.16610LVが登場。
2004年  ロレックスのスポーツモデルの原点ともいわれる「ターノグラフ」がデイトジャストのラインから登場し話題に。デイトジャストのコンビモデルがリニューアル。
2005年  ロレックスが創業から100年目。チェリーニのラインから往年の名作、プリンスが復活。GMTマスターⅡも金無垢ケース、セラミックベゼルを装備しリニューアルを果たす。
2006年 昨年に続き、GMTマスターⅡからコンビのリニューアルモデルが登場。
2007年  金無垢、コンビとリニューアルモデルが登場し、新GMTマスターⅡにいよいよステンレススチールモデルが登場。また、同時にヨットマスターからもカウントダウン機能とクロノグラフを搭載した新作モデル「ヨットマスターⅡ」が登場。さらに、伝説的モデルであるミルガウスも復活を果たした。エアキング、オイスターデイト、そしてサブマリーナノンデイトなどのノンクロノメーターモデルがマイナーチェンジされクロノメーター仕様となる。
2008年 シードゥエラー・ディープシーの名前で、シードゥエラーが全面リニューアル。新開発のケース構造、リングロックシステムにより既存モデルの約3倍以上という3900メートル防水を実現した。
新サブマリーナデイトの金無垢モデルも登場。さらに、41ミリと5ミリサイズアップし、新キャリバー、Cal.3156を搭載した「デイデイトⅡ」がコレクションに加わる。
2009年 新サブマリーナデイトのコンビモデルが登場。黒文字盤と青文字盤の2種類のみの展開。
デイトジャストに、41ミリにサイズアップされ、しかも耐衝撃性と耐磁性を強化した新キャリバー、Cal.3136を搭載した「デイトジャストⅡ」が加わる。さらに、36ミリのレディースモデルも登場。
100年を彩る歴代の傑作モデル

1929年~1940年代 PRINCEプリンス PRINCEプリンス

時分針とは別に秒針が独立しているのが特徴です。そのため医師が患者の脈拍を測るときに秒針が見やすくて便利だということからドクターズウオッチの愛称で呼ばれるようになりました。2005年にはチェリーニのラインとして復活を遂げています。

1933年~1940年代 OYSTER PERPETUAL OYSTER PERPETUALOYSTER PERPETUAL

(通称バブルバック)1931年に開発された全回転式ローターの自動巻き機構を搭載したことにより厚みが増したことによって、それを納めるために1940年代頃までのモデルは裏ブタが泡のように膨らんでいることからバブルバックと呼ばれています。

1945年~現在 DATEJUST デイトジャスト DATEJUST デイトジャスト

当時としては画期的な深夜12時に瞬時に日付けが変わるデイトジャスト機構を搭載したカレンダーを、世界で初めて小窓に表示させたモデルです。現在の小窓式カレンダー方式のスタイルを確立し、後の腕時計の文字盤デザインに大きな影響を与えたともいえます。

1945年~現在 EXPLORERⅠ エクスプローラーⅠ EXPLORERⅠ エクスプローラーⅠ

その名のとおり「冒険者」をイメージして作られたモデルです。そのため視認性を重視したシンプルなデザインに仕上げられています。イギリスの登山家による世界初のエベレスト登頂に携行されたことは有名。写真は初期のRef.6350。

1945年~現在 SUBMARINER サブマリーナ SUBMARINER サブマリーナ

ダイバーのジャック・イブ・クストーの要請により生まれたといわれる傑作ダイバーズ。100メートル防水を高い完成度で実現させ、見事に要望に応えました。現在のダイバーズの基本形となったモデルといえます。写真は初代モデルRef.6200。

1954年~現在 GMT MASTER GMTマスター GMT MASTER GMTマスター

ジェット機での海外渡航が一般化してきたことを受け、航空会社からの依頼によりパイロット用にサブマリーナの回転ベゼルのノウハウを応用して開発。1960年には依頼主であるパン・アメリカン航空に制式採用されたことで一躍脚光を浴びました。

1950代半ば~1989年頃 MILGAUSS ミルガウス MILGAUSS ミルガウス

レントゲン技師や無線技師などの磁気の強い特殊な環境下で働く人のために開発され、1000ガウスもの高い耐磁性能を有しているのが特徴です。写真は1970年代に登場した第二世代に当たるRef.1019。2007年には再び復活を遂げています。




100年を彩る歴代の傑作モデル

COSMOGRAPH DAYTONA コスモグラフ・デイトナ
COSMOGRAPH DAYTONA コスモグラフ・デイトナ COSMOGRAPH DAYTONA コスモグラフ・デイトナ

ファンが憧れるカリスマ的モデルです。代々、バルジューやエル・プリメロといった名ムーヴメントを搭載。ポールニューマンモデルなど、アンティーク市場では何百万もの高値を付け現行モデルも定価以上のプレミアム価格で売られています。写真はファーズとモデルのRef.6239とRef.6241(ポールニューマン仕様)

1967年
SUBMARINER COMEX
SUBMARINER COMEX

フランスの潜水調査会社コメックスとの提携によりプロダイバー用に支給されたダブルネームのサブマリーナ。このRef.5514はコメックス社の要請によってヘリウムガスエスケープバルブを装備した最初の機種で希少性の非常に高いモデルです。

1971年~現代
EXPLORER Ⅱ
EXPLORER Ⅱ

トンネルや地下など光の届かない暗闇のなかでも昼夜を判別できるように24時間針と24時間表示のベゼルを装備。ほかのスポーツモデルとは一線を画す個性的なデザインのため、いまやアンティーク市場でも大変な人気です。写真は第一世代の後期型。