奇才の独立時計師が、10年ぶりに来日! 一時計師に戻った”時計界のピカソ”

ヴィアネイ・ハルターが一時計師であり続ける理由とは?

 

 独立時計師としてのキャリアをスタートさせて25周年を迎えたヴィアネイ・ハルター氏が、今年、10年ぶりに来日を果たした。これに合わせて、時の記念日である6月9日には、ヒコ・みづのジュエリーカレッジ東京校にて特別講演が行われた。
 さらに彼が日本を発つ当日、時間が限られるなか編集部にも足を運んでくださり、幸運にもインタビューをする機会を得たので、その様子をほんのわずかであるが紹介したい。

 時計好きであれは、ヴィアネイ・ハルター氏のことを知らない人はいないであろう。1993年に独立時計師としてのキャリアをスタート。その後、高度な技術と強烈な個性を持った時計師のみが入会が許される独立時計師協会 AHCI(通称、アカデミー)に籍を置き、自らのブランドを立ち上げて独創的な腕時計をいくつも生み出した。

 彼の作品で代表的なものには、時針・分針・秒針をすべて独立させて表示するマルチプルダイアルの“アンティコア”をはじめ、ハリー・ウィンストンで見せた時・分・秒、デイトをすべてデジタル式でジャンピング表示する前代未聞の作品“オーパス3”、そして、ドーム状のケース中央部に配した独自の3軸トゥールビヨンで宇宙のスケール感を表現した“ディープ・スペース・トゥールビヨン”などがあるが、いずれもその独創性と強烈な個性を持った作品がほとんどだ。

 そして、今回の来日では、次の作品に搭載する予定であるというコンスタントフォース機構を組み込んだトゥールビヨンについて学生に向けて講演を行った一方、かつては時計師をやめようと思うほど落ち込んでいた時期があったことなど、情熱を持ち続けて時計づくりと向き合うことの重要性を、自身の経験を交えながら解説してくれた。

 様々な困難に見舞われながらも、なぜ、彼は頑なに独創的で強烈な個性を持った腕時計を作るのか。
 これについて「自分にしか作れない機構やノウハウを使って、自分にしかできない表現で作ること」。これが最も大切にしていることであり、最も重要なことなのだと語ってくれた。

 なるほど、彼が奇才の独立時計師として、なぜ独創的な世界観をもった作品を生み出すことができるのか、その一端を垣間見ることができた気がした。

 

「自身のアイディアの正しさを時計として形にするのが重要」と語るヴィアネイ・ハルター氏

Independent watchmaker
VIANNEY HALTER ヴィアネイ・ハルター

1963年、フランスに生まれる。パリの時計学校を卒業後、10年間、アンティーク時計の修復の仕事に従事。20代後半でスイスに移住し、93年には自らの名を冠したブランド、ヴィアネイ・ハルターを立ち上げて、独立時計師としてのキャリアをスタート。(ちなみにAHCIへの入会は99年)。代表作には98年発表のアンティコア、2003年のオーパス3(ハリー・ウィンストン)、13年のディープ・スペース・トゥールビヨンなどがある。

左からK18RGケースのアンティコア、同じ独立時計師のアンドレアス・ストレーラ氏とコラボレーションしたムーヴメントを搭載し、20本限定で発表したアニバーサリーモデル、そして2013年に発表したディープ・スペース・トゥールビヨン

 

文◎佐藤杏輔(編集部)

 

【問い合わせ先】
小柳時計店
https://www.koyanagi-tokei.com

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