【ロレックス】通信 No.013|20万円台から買える!? ドレス系アンティーク《最終回》|デイトジャスト編

 最終回は、ロレックスのドレス系スタンダードの王道とも言える「デイトジャスト」を取り上げる。

 恐らくは人気で言えばスポーツ系なのだろうが、所有率で考えると圧倒的にこのデイトジャストなのかもしれない。1980年代のバブル期にはコンビのデイトジャストが男のステイタスとしてブレイク。実際に品薄になったというエピソードがあるほど、かつてはロレックスを代表するコレクションだった。しかも、初出は1945年、現在まで実に74年間も生産が続けられており、ロレックスのコレクションのなかでもダントツのロングセラーを誇る。

 そして今回は、そんな歴代モデルのなかから、テーマに挙げたアンティークウオッチの部類に属する最終レファレンス、第3世代の1600番台をクローズアップしたい。

 ではなぜこの1600番台なのかというと、Cal.1500系と言われる自動巻きムーヴメントを搭載しているからだ。アンティークらしさを味わうなら確かにそれ以前のレファレンスの方が味わい深くてグッと趣があるのだが、1500系ムーヴメントは当時の古い機械のなかでもよく出来ていてとても安定しているからだ。なお、この1500系自動巻きムーヴメントについては、前回のオイスター・パーペチュアル編で簡単に解説しているので、そちらを見ていただきたい。

 さて、かつては当連載のタイトルのとおり20万円代でも十分狙えた。しかし、みなさんもご存じのようにロレックス市場の実勢価格高騰で、いまでは残念ながらいちばんベーシックなステンレススチールタイプであっても30万円台後半からとなってしまっている。

ステンレスからゴールドモデルまでバリエーションも多い

製造年代]1962年頃〜70年代後半[ケース径]36mm[ムーヴメント]自動巻きCal.1565→Cal.1575[価格相場]30万円代後半〜50万円(金無垢を除く)。写真はいちばん人気でベゼルの素材だけが18金ホワイトゴールドというRef.1601

 1600番台のデイトジャストが生産されたのは1962年(58年説あり)から77年まで。実はデイトジャスト歴代モデルのなかで最も長い間製造されたレファレンスとなる。

 イエローゴールドの金無垢モデルのRef.1601(/8)に加えてコンビモデルが2種類。ベゼルのみがホワイトゴールドのタイプでRef.1601(/4)とベゼルとブレスの中ゴマにイエローゴールドを使ったタイプ、Ref.1601(/3)がある。

 また、オールステンレスタイプもベゼルの仕様違いで2種類、Ref.1600(ポリッシュベゼル)と1603(マシーンドベゼル)がラインナップしている。そのためインデックスや文字盤のカラーなどを含めるとバリエーションは少なくない。

 ムーヴメントはクロノメーター仕様で1万8000振動のCal.1565。のちに1万9800振動に高められた1575に変更されている。相場はスタンダードなもので30万円台後半から40万円台といったところである。

 1番の人気は、上の写真のようにベゼル部分だけにホワイトゴールドを使用したコンビモデル、Ref.1601(/4)である。イエローゴールドとのコンビよりも落ち着いて見えるため着けやすいからにほかならない。

適度なスポーティさが人気で通常モデルよりも相場は割高

[製造年代]1962年頃〜70年代後半[ケース径]36mm[ムーヴメント]自動巻きCal.1565→Cal.1575[価格相場]50万円代後半〜70万円台(金無垢を除く)。写真はRef.1625

 現行ラインナップには存在しないが、デイトジャストにはこんな変わり種も存在する。両方向に回転し、10〜50の目盛りが刻まれたベゼルを有する通称“サンダーバード”の愛称で呼ばれるモデルだ。

 デイトジャストとはいえ回転ベゼルがあるぶん若干スポーティな雰囲気が味わえることから人気は高い。そのため実勢価格は通常のデイトジャストより割高だが、雰囲気的には結構おすすめである。

 コンビタイプは2種類。ベゼルのみがホワイトゴールドでケースやブレスがステンレスのものRef.1625(/4)と、ベゼルとブレスの中ゴマがイエローゴールドを採用したタイプのRef.1625(/3)がある。もちろん、オールイエローゴールド製の金無垢タイプRef.1625(/8)も存在する。

 実勢価格はコンビモデルで50万円台から。フルゴールドの無垢モデルは100万円台半ば以上といったところだ。ちなみに人気は、通常のデイトジャストに同じくベゼルのみにホワイトゴールドを使用したタイプである。

 さて、3回にわたってドレス系アンティークをお届けしてきたが、スポーツ系であれドレス系であれ、アンティークウオッチのカテゴリーに入るものは、高年式のものでも30年以上も前の個体となる。そのため現行品に比べれば性能は劣るし、故障のリスクも高い。


通称「サンダーバード」のRef.1625/4を着けてみる。この古典的な雰囲気のベゼルが時代を感じさせ、味わい深い

 ただ、アンティークロレックスには、性能や品質だけでは語れない、古いものなりの〝味わい〟というものがあることも確かだ。ようやく湿度も低く涼しくなりアンティークウオッチにまさにいい季節となったことだし、この機会に秋の装いにさりげなくアンティークロレックスを着けて楽しんでみてはいかがだろうか。きっと、現行品とは違う意味での良さを感じられるに違いない。

 なお、デイトジャストについて、もっと詳しく知りたい方は、現在発売中の「ゼロからわかるロレックス・アンティーク編」もチェックしてみてほしい。

文◎菊地吉正(編集部)

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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