ポルシェを象徴する3種類のスペシャルカラーを採用した、ポルシェ・デザインのカラー・エディション登場
ドイツの人気スポーツカーブランド、ポルシェ。その創業者の父にしてその代名詞でもあるクルマ“911”のデザイナーとしても知られるフェルディナント・アレクサンダー・ポルシェが、1972年にドイツで立ち上げたのがポルシェ・デザインである。
実は同社が最初に手がけたプロダクトデザインが腕時計だったということをご存じだろうか。3年後の75年には、クォーツショックの影響で経営難に陥っていたIWCと提携し、数々のヒット作を生み出し時計界にその存在感を強めていったのである。
その代表作が、78年のコンパスウオッチ、80年のチタニウム クロノグラフ、82年のオーシャン2000である。コンパスを装備したりと従来になかったユニークな発想を時計界に持ち込み、80年代を代表するブランドのひとつとなった。
1978年のコンパスウオッチには、ケースにアルミニウム合金のジュラルミン、ブレスレットにはデルリン樹脂を使用した写真のオールブラックモデルが存在する
そして、そのユニークな発想は機能や素材だけでなく“色使い”にも及ぶ。当時の腕時計といえばステンレススチールやゴールドといった素材本来の色が使われていた。ポルシェ・デザインは、そんな時代にあって全体に黒を採用したオールブラックモデルをいち早くラインナップに取り入れたブランドのひとつだと言われているのだ。
オールブラックモデルは現行コレクションでも数多く展開されており、今回リリースされたフライバック機能を搭載したクロノグラフモデル“クロノタイマー・フライバック”もそのひとつだ。
このクロノタイマー・フライバックは、“ポルシェ・デザイン カラー・エディション”として、アシッド・グリーン、レーシング・イエロー、そしてガーズ・レッドとレーシングポルシェを象徴する3種類のスペシャルカラーをアクセント的に使用した三つのバリエーションが用意された。
それらのカラーは、クロノグラフの計測秒針、30分と12時間それぞれの積算計、クロノグラフのプッシュボタン、そしてポルシェの内装にも使用されているものと同じレザーを使ったベルトのステッチと、目立ちすぎず極めてさりげない。まさにポルシェ・デザインらしい洗練された仕上がりだ。
クロノタイマー・フライバック
写真左からガーズ・レッド、アシッド・グリーン、そしてレーシング・イエロー。チタン(42mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal. WERK 01.200、毎時2万8800振動、約48時間パワーリザーブ)。各104万5000円
このクロノタイマー・フライバックにはアクセントカラーに加えて文字盤にはカーボンを採用するなどレーシーな雰囲気が強調されている。しかも、クロノグラフ機構には、瞬時にゼロリセットが可能なフライバック機能を備える。そのため経過時間の再計測にも素早く対応できるという特徴をもつ。ちなみに9時位置にあるファンクション・インジケーターは目盛りが常に時計回りに回転する。つまり秒針の代わりのようなものだ。
デザインといい、機能といい、そしてファッション的にも、まさにポルシェ好きにこそ似合う作りと言えそうだ。
文◎菊地吉正/問い合わせ、ノーブルスタイリング TEL.03-6277-1604