【時計コレクター秘蔵】1964年の東京オリンピックにまつわるセイコーの珍品

 世界的なスポーツの祭典オリンピック。その公式タイムキーパーとして、いまやおなじみとなっているのがオメガだ。
 初となる1932年のロサンゼルス大会以降、オメガは実に27回も公式タイムキーパーを務めている(しかもこのパートナーシップは2032年の大会まで継続されることが決定している)というから、もはや独壇場といっても過言ではない。

 そんな栄誉ある大役を、かつて日本のセイコーが務めたことがあるのをご存じだろうか。
 初めて担当したのは1964年の東京大会。この大会においてセイコーの高い技術力と信頼性が世界に認知され、国際的なブランドとして飛躍していったのである。

 今回は、セイコーにとって大きな分岐点ともなった東京大会にまつわる時計コレクター秘蔵の珍品を紹介したい

 

01/ストップウオッチ

 当時、スポーツ計時の経験がないセイコーだったが、画期的なストップウオッチなどの開発によって正式に公式計時に指名された。写真は89系と呼ばれる機械式ムーヴメントを搭載した競技用ストップウオッチ。1/10秒計測(左)や1/5秒計測、1/100秒計測(右)が可能なタイプまであった。

 

02/卓上型


 卓上型としては、60分計測(写真)もしくは12分計測が可能なタイプのストップウオッチが製造された。いずれも市販されており当時の価格は9万4000円と非常に高額だった。なお、所有するコレクターによると、この個体は競技で実際に使用されたものだったと言う。

 

03/セーリング競技用ストップウオッチ


 文字盤に“Yachting”と赤で記され、主にセーリング競技で使用されたと思われるカウントダウン式ストップウオッチ。そのベルトの長さから推測するに、腕などに巻き付けて使用されたのであろう。またケースもかなり頑強な作りで、分厚いネジ込み式の裏ブタが採用され、気密性が高められている。

 

04/関係者向け資料


 最後は計測機器ではないが、大会の関係者に配られたと思われるセイコーのロゴ入りバインダーを紹介したい。
 このなかには計器の使用方法などが記載された冊子やメモ用紙のほか、日本の芸術や文化を紹介するポストカードなどが納められていた。当時のことを知ることができる貴重な資料だ。

冊子にはそれぞれの競技で使用する計器を写真付きで掲載。その使用方法などが英語をはじめ複数の言語で記載されている

 

文◎堀内大輔(編集部)/写真◎笠井 修

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