2019年末、編集部に時計愛好家の杜岐(とき・ペンネーム)氏からある依頼が舞い込んだ。
その依頼とは「20年以上前から収集しているアンティーク国産時計とその付属品一式を1冊に収録した本を作りたい」というものだった。
そして編集部が全面協力。すべての写真を撮り下ろしするなど、1年ほどの制作期間を経て20年7月、杜岐氏のアンティーク国産時計に対する情熱とこだわりが詰まった待望のコレクションBOOK『1950s-70s ANTIQUE JAPAN WATCH 【アンティーク国産時計】』(全244ページ)が完成したのである。
著者でもある杜岐(とき)氏の膨大な数の時計コレクションのなかから、付属品が揃った国産アンティークを厳選し、約250本を掲載している
本書は、あくまで杜岐氏の私的なものとして制作し、当初から製品化の予定はなかった。
しかしながら、SNSでその内容をほんの少し公開したところ瞬く間に大反響。その資料的価値の高さに目を付けた愛好家の方から製品化を望む多くの声を寄せられた。そこで編集部では、杜岐氏の了解のもと“製品化支援プロジェクト”を企画。編集部が運営する時計専門のクラウドファンディングサイト“WATCH Makers(ウオッチメーカーズ)”にて、支援受け付けを実施する運びとなったというわけだ。ちなみに受け付け開始は10月31日(土)より。
それでは、改めて本書の見どころを紹介したい。
そのタイトルが示すとおり、主に1950〜70年代にかけて製造された国産アンティーク時計(セイコー、シチズン、オリエント、タカノ、リコーの5ブランド)を厳選したコレクションブックとなっている。
最大の特徴は、時計本体だけでなく、それに付属したボックスやタグなども可能な限り一緒に掲載している点にある。
いまでこそ、こうした付属品類にも価値が生まれているが、当時は、購入と同時に廃棄されてしまうことも多かったため、時計本体よりも集めるのが難しいとも言われるほど貴重な存在となっている。それら付属品を著者でもある杜岐氏は20年以上の歳月をかけてコツコツと収集してきたのである。
参考誌面
当時の公式カタログでも付属品が掲載されていることは少なく、加えてミュージアムなどでもこうした付属品類まで一緒に展示されることは希。本書における“資料的価値の高さ”とはまさにこの点にあり、当時、それぞれの時計がどういった状態で販売されていたのかを知ることができる唯一の資料のひとつと言えるかもしれない。
また、資料的価値以外にも、当時のトレンドが反映されたデザインなど、見ているだけでも十分に楽しめる内容に仕上がっている点も大きな魅力だ。
プロジェクトの目標達成で製品化
今回、本書をより多くの愛好家の手に取ってもらいたいという思いから、244ページという大ボリュームながらも価格を4000円(税抜き)に設定させていただいた。
ただ、このプロジェクトは、皆様からご支援が最低でも500部必要となり、これ以上ではじめて成立し製品化が実現する。そのためぜひともより多くのご協力をいただければ幸いである。
プロジェクトのスタートは10月31日(土)より、クラウドファンディングサイト「WATCH Makers(ウオッチメーカーズ)」で実施。
WATCH Makersはこちら
https://watchmakers.en-jine.com
<概要>
■書籍名:『1950s-70s ANTIQUE JAPAN WATCH 【アンティーク国産時計】』
■著者:杜岐
■編集:LowBEAT編集部
■発行:株式会社シーズ・ファクトリー
■判型:B5サイズ(182×257mm)
■ページ:244P(4Cフルカラー)
■主な掲載モデル:セイコー/グランドセイコー、キングセイコー、スーパー、マーベル、ロードマーベル、ローレル、クラウン、ライナー、スカイライナー、チャンピオン、クラウン…etc
シチズン/オート、アラーム、エース、ハイライン、クロノメーター、ホーマー、エクセル、デラックス、ジェット…etc
オリエント/スター、マルス、ジュピター、ロイヤル、グランプリ、ダイバー…etc
タカノ/プライム、シニア、スーペリオ、シャトー、サブリナ…etc
リコー/ダイナミック、オートジャスト、オートマット、EXPO、デラックスエイト…etc
文◎編集部