“限定の言葉に弱い”という人は結構多いのではないだろうか。
筆者もそんなひとりで、限定とついたモデルが発表されたと聞くと、ブランドを問わずついつい気になってチェックせずにはいられない質だ。
しかしながら、そうした消費者心理を踏まえてか、いまの時代“限定”とつくモデルは時計メーカー各社から発表されている。むしろ限定モデルを発表していないところを探すほうが難しいくらいだ。
こうなると、いくら限定モノ好きとは言え、さすがにすべてチェックするのは難しい。
そんななかでも筆者が優先的にチェックしているのが、日本市場のみで展開される、いわゆる“日本限定モデル”だ。
そのいちばんの理由は、日本市場向けであるため、当然、日本ユーザーの志向にあったデザインや仕様となったモデルが多いということだ。
例えば、レギュラーラインではカラーもブラックやホワイト、近年ではブルーといった定番色で展開されるのが基本だが、限定の場合、トレンドカラーやときには1歩攻めたカラーリングが採用されることが多く、ひと味違った魅力が味わえる。
最近では、日本市場でも人気が高まっているグリーンやグレー系を採用した日本限定が多い印象だ。
また、希少性が高い(もっとも例外はある)ことも魅力として挙げられるだろう。
単純に数量限定としたモデルでは、ミドルレンジ以下の価格帯の場合、数百本、ときには数千本限定ということが実は珍しくない。さすがに限定数が数千本クラスともなると特別感は得にくいだろう。
一方、日本限定ならば多くても100本程度と、比較的に少数しか展開されないため、そのぶん得られる特別感も高いというわけだ。
それでは実際に、日本市場のみで、かつ現実的な30万円以下の価格帯で購入できる限定モデルを厳選して紹介しよう。
》編集部のおすすめモデル-1
FORTIS(フォルティス)
フリーガー F-39-J オートマティック
機能性に特化したパイロットウオッチシリーズとして30年以上愛されてきたフリーガーが2020年にリニューアル。本作はその3針モデルをベースに、サンレイ仕上げを施したブルー文字盤を採用した日本限定版だ。グリーンのスーパールミノバとのコントラストが効いたレギュラー仕様のブラック文字盤もカッコいいが、現代的な雰囲気が高められたこの限定版の仕上がりもかなり秀逸。またレギュラーでは41mm径と39mm径の2サイズが展開されるが、後者をベースにチョイスしたあたりに日本のユーザー志向を意識していることがうかがえる。
■Ref.F.422.0007。SS(39mm径)。20気圧防水。自動巻き(Cal.UW-30)。日本限定50本。27万5000円(2020年12月発売予定)
【問い合わせ先】
ホッタ
TEL:03-6226-4715
フォルティス公式サイト
https://www.fortis.jp
》編集部のおすすめモデル-2
TISSOT(ティソ)
ティソ ジェントルマン オートマティック 日本限定モデル
ビジネスシーンからオフスタイルまで、現代紳士のあらゆるシーンに寄り添うタイムピースとして2020年に登場したティソ ジェントルマン オートマティック。早くも第2弾となる本作の日本限定モデルは、文字盤とベルトを大人の落ち着きを感じさせるグレーでまとめたシックな1本だ。文字盤の中央部にはエレガントなアクセントとなるクロスラインを配置。これがシンプルな仕上がりのなかにモダンな印象を与えている。さらに日本限定モデルではステレンレススチールブレスも付属。スーツスタイルからカジュアルスタイルまで、幅広く合わせられる汎用性の高さも大きな魅力だ。
■Ref.T127.407.11.061.00。SS(40mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.Powermatic 80 Silicium)。11万円
【問い合わせ先】
ティソ
TEL:03-6254-7361
ティソ公式サイト
https://www.tissotwatches.com/ja-jp/
》編集部のおすすめモデル-3
FREDERIQUE CONSTANT(フレデリック・コンスタント)
クラシック インデックス オートマチック ハイートビート
日本でも人気が高いことから、精力的に日本限定モデルを展開しているのがフレデリック・コンスタントだ。本作は、基幹ライン“クラシック インデックス オートマチックハートビート”をベースに、限定色としてダークグリーンを文字盤とベルトが採用された。ツートーンカラーやオープンハートなど特徴的な意匠はそのままに、グリーンを採用したことでよりシックな雰囲気がより強調された。秋冬ファッションとの相性もいいだろう。
■Ref.FC-310MGRW5B6。SS(40mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.FC-310)。18万7000円
【問い合わせ先】
フレデリック・コンスタント相談室
TEL:0570-03-1988
フレデリック・コンスタント公式サイト
https://frederiqueconstant.jp
》編集部のおすすめモデル-【番外編】
TUTIMA GLASHUTTE(チュチマ・グラスヒュッテ)
コーストライン TSHリミテッドエディション
最後に番外編として、“日本でしか買えない”限定モデルを紹介したい。こちらは、東京・御徒町にある時計ショップ“ティーエス・ホリウチ”が創立70周年を記念して2020年に別注したチュチマ・グラスヒュッテのコーストライン限定仕様だ。ベースとなっているコーストラインは外装にチタンを採用して軽量化。さらに300mの防水性、4万5000A/mまでの耐磁性という高スペックを有した実用モデルで、その文字盤8時位置にティーエス・ホリウチのロゴがあしらわれている点が最大の特徴だ。こうしたダブルネームモデル自体が珍しいことに加え、限定数はわずか10本。レア度として見れば今回取り上げたモデルのなかでも群を抜いて高いと言えるだろう。
■Ref.6150-98。TI(43mm径)。30気圧防水。自動巻き(Cal.Tutima 330)。限定10本。26万1800円
【問い合わせ先】
ティーエス・ホリウチ
TEL:03-3831-9733
チュチマ・グラスヒュッテ公式サイト
https://www.tutima-japan.com
文◎堀内大輔(編集部)