【ドイツ時計を深掘り】最新作から見える、ジンの魅力を徹底解説!

 ドイツ軍のパイロットであったヘルムート・ジンにより設立された“ジン”

 1994年には“IWC”のチーフエンジニアとして工程管理から製造、商品開発など多岐にわたって携わっていたローター・シュミットが経営を引き継いだことでも有名である。

 実用性と機能美を追求するドイツの時計メーカー“ジン”。ジンは様々な他業種で生まれた最新技術などを時計に落とし込み、時計の完成度を上げることに心血を注いできた。なかでも、Uシリーズに採用している、 Uボート・スチールはドイツの潜水艦メーカー“ティッセンクルップ マリンシステムズ“が、ドイツ海軍の212クラスの非原子力潜水艦の外殻のために開発した特殊鋼である。   

 潜水艦に使用されている素材とは、なんとも男心をくすぐるものがある。このUボート・スチールは、通常のステンレススチールとは対照的に、海水との長時間の接触に対して高い耐食性を有している、機能的にも優れた素材だ。また、最高の非磁性素材という側面もあり、ひび割れに対して極めて高い耐性がある。その強度は316Lの1.5倍ともいわれている。

 もうひとつの特徴的な技術として、デギメント加工基盤としてPVD加工を施すブラック・ハード・コーティングも紹介しなければならないだろう。デギメント加工とは、窒素を使用した浸炭加工をケースに施すことで、表面に炭素分子を拡散、浸透し、焼き入れを行い、素材の表面をセラミックと同じか、それ以上の硬度を実現するものである。またこの加工を施すことで、着色コーティングが剥がれるエッグシェル現象を抑制する効果も発揮する。

 上記のように、機能と実用性を是とするジンの哲学は“使うための時計づくり”であり、伝統に囚われず、革新的な技術を積極的に取り得ることで、世界中の時計ファンから愛されるブランドとなったのだ。

 このブランド理念に惹かれてか、著名人にもジンの時計を愛する人は多く存在する。なかでも今年公開され大きな話題を呼んだアニメーション映画“シン・エヴァンゲリオン劇場版”の総監督を務めた庵野秀明氏がジンの時計を愛用していることは広く知られており、舞台挨拶や、テレビ番組に出演する際など様々な場面でジンの“103”シリーズを着用する姿が確認されているという。

 そんなジンから、最新作の情報が届いたため紹介していきたい。

 まず新作1本目は、ダイバーズウォッチ U50.S に 新たに加わった、ブラック・マザー・オブ・パールの文字盤を備えた世界限定500本のダイバーズウオッチU50.S.Perlmutt.Sだ。

U50.S.Perlmutt.S

■Uボート・スチール(41mm径)50気圧防水。自動巻き(Cal.SW300-1)。世界限定500本。50万6000円

 世界限定500本のレアピース。
 マザー・オブ・パールとダイバーズウオッチの組み合わせは、水という要素で結ばれていることから、自然なマッチングをみせているモデル。マザー・オブ・パールは自然のものであるため、本モデルの文字盤は二つとして同じものは存在せず、まさに唯一無二の時計となっている。

 全体のデザインは、U50.S.Perlmutt.Sの際立ったフォルムとミニマルなディスプレイを強調するブラック・ハード・コーティングによって堅牢性を確保した。ブラック・ハート・コーティングはテギメント加工をベースとしているため、また、このモデルはケースとリューズに高強度のドイツ製潜水艦の鋼鉄である Uボート・スチールを採用。リューズは手の甲に当たらないよう4 時位置に配置されているのも、実用性にこだわるブランドならではの、ユーザー目線に立った配慮といえるだろう。

 また、逆回転防止ベゼルは通常のはめ込み式ではなく、3本のビスを特殊結合方式によりケースに固定されているため、外れる心配がない。
 技術的な試験認証サービス、船級および関連ソフトウェア、並びにエネルギー、オイル、ガス、海事の各産業における第三者コンサルティングを提供する、世界最大級の船級・認証機関“DNVGL”は、欧州潜水機器規格にもとづき、このモデルに対し水深 500m までの耐圧性、温度耐性、機能性を検証し、認証している。

 もう1本の新作は、ジンの最新キャリバーである”SZ01”を搭載したクロノグラフモデル“717”だ。

717

■SS(45mm径)。20気圧防水。自動巻き(Cal. SZ01)。88万円

1970年代後半にドイツ空軍のトルネード計画のために設計されたコックピットクロック “Nabo 17 ZM”

 新作717のベースとなったのは1970年代後半にドイツ空軍のトルネード計画のために設計されたコックピットクロック “Nabo 17 ZM”で、オリジナルモデルはセンター配置のミニッツカウンターを備えていた。 F104 スターファイターや長距離海上パトロール機のブレゲ ・アトランティックをはじめ軍用ヘリコプターにも使用され 、現在でも軍の多機能戦闘機トルネードに採用されている。  
 ケース下部にスタートボタンとリセットボタンを備え、センター配置のオレンジ色のストップウオッチ表示の視認性高かった。

 717は、クロノグラフ ムーヴメントSZ01を使用して、このコックピットクロックのスタイルを継承しつつ 、 オレンジ色の大きな針で表示するセンター配置の60分積算性を備えている。耐傷性の高いブラック・ハード・コーティング 仕上げのケースには、外側からスムーズに操作できるインナー・パイ ロットベゼルを搭載。
 両面無反射コーティングを施したサファイアクリス タルを採用し、文字盤はコックピットクロック と同様に暗闇や悪条件下でも優れた視認性を発揮します。
 また、ブランド独自の除湿技術 Arドライテクノロジーによりサファイアクリスタルの曇りを防止し、機能的信頼性を向上させた。
 直径 45mm の本モデルは、全体的にバランスのとれたフォルムで、まさにジンのコックピットクロックそのものといったデザインを実現している。
 
 実用性を追求し、新たな技術を開発し挑戦し続けている“ジン”の最新作をチェックしてみてはいかがだろうか。

【問い合わせ先】
ホッタ(TEL.03-5148-2174)
公式サイト: https://sinn-japan.jp/product/103.b.sa.auto/

文◎川田健人(編集部)

オススメ記事

  1. 【セイコー5、オメガ、タイメックス】60年代〜70年代の名盤レコードと…

  2. 【ひょっとして時計好きなのか】アメリカ合衆国次期大統領!? バイデン氏…

  3. 【WLN女子部発】実機レビュー! 美しい文字盤とムーヴメントを併せもつ…

  4. 【ペアウオッチとしても楽しめる】“ブライトリング”から“マザー オブ …

  5. 【2020年新作時計速報】ボーム&メルシエ(BAUME & …

  6. 【WLN女子部発・2020年新作時計速報】カルティエ(CARTIER)…

  7. 【1万円台で電波ソーラーも買える!?】日常使いに最適な“ソーラーウオッ…

  8. 【最新ムーヴメント搭載】創業140年を記念した、新型“グランドセイコー…

人気の記事

ロレックス

国産時計

スマートウォッチ

ドイツ時計

カジュアル時計

アンティーク時計

レディース時計