1828年に創設。スイスのノイウハウゼン・アム・ラインファルを拠点に、年間1500本ほどの高品質な時計を作る“H.MOSER&CIE.(H.モーザー)”は、ムーヴメントから調速機構やヒゲゼンマイといったパーツに至るまで、自社で製造する数少ないマニュファクチュールである。
そんなH.モーザーの人気コレクション、ストリームライナーに、新たに“ストリームライナー・トゥールビヨン ベンタブラック”が仲間入りする。
クッション型ケースから連結式リンクの一体型ブレスレットまで優美な丸みを描く、特徴的なケースをもつストリームライナー。
ストリームライナーコレクションの名を知らしめることになったその高級感と美しさは、隣接する面に施したポリッシュとサテンの異なる仕上げによってその魅力を生み出している。
今回はケース素材に、新たに5Nレッドゴールド素材を、さらに文字盤には深みのあるベンタブラックを採用。
なおベンタブラックとは、現存する最も暗い人工物質とされる漆黒カラー。ベンタブラックコーティングは、天文物理学の分野では望遠鏡、軍事分野では装備のステルス性を強化する熱迷彩、産業分野ではソーラーパネルなどに使用されている。
カーボンナノチューブを並べた構造で、光の粒子がベンタブラックに当たるとその99.965%の光は吸収されてしまうのだ。
この二つの異なる素材のコントラストは、光が貫く漆黒の文字盤に刻まれた5Nレッドゴールドのインデックスによってさらに際立っている。
さらにインデックスは文字盤とのサンドイッチ構造になっており、見る角度によってベンタブラックの上に現れたり消えたりするという、極めて高難度な意匠を実現。
また6時位置に搭載されているミニッツフライング トゥールビヨンが、まるでブラックホールに浮かんでいるかのように時を刻み続ける。
ムーヴメントは、自社製自動巻きキャリバーHMC 804。H.モーザー社の系列会社であるPrecision Engineering AG(PEAG)で設計、製造されたダブルヘアスプリングを備えている。
この一対のひげゼンマイの組み合わせにより、拡張時の各ゼンマイの重心の動きが補正、摩耗が軽減、精度と等時性が大幅に向上している。
ストリームライナー・トゥールビヨン ベンタブラック
H.MOSER&CIE.(H.モーザー)
■Ref.6804-0400。K18RG(40mm径)。12気圧防水。自動巻き(Cal.HMC 804)。10万9000スイスフラン
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