世界的なスポーツの祭典オリンピック。その公式タイムキーパーとして、いまやおなじみとなっているのがオメガだ。
初となる1932年のロサンゼルス大会以降、オメガは実に30回も公式タイムキーパーを務めているというから、もはや独壇場といっても過言ではない。
そんな栄誉ある大役を、かつて日本のセイコーが務めたことがあるのをご存じだろうか。
初めて担当したのは1964年の東京大会。この大会においてセイコーの高い技術力と信頼性が世界に認知され、国際的なブランドとして飛躍していったのである。ちなみに、日本では66年に東京オリンピックの開会式が行われた10月10日を「体育の日」として祝日に制定。現在は「スポーツの日」という名称に変更され、10月の第2月曜がこの日にあたるが、偶然にも2022年は10月10日だ。
そこで今回は、セイコーにとっても大きな分岐点ともなった東京大会にまつわる時計コレクター秘蔵の珍品を紹介したい。
01/ストップウオッチ
当時、スポーツ計時の経験がないセイコーだったが、画期的なストップウオッチなどの開発によって正式に公式計時に指名された。写真は89系と呼ばれる機械式ムーヴメントを搭載した競技用ストップウオッチ。1/10秒計測(左)や1/5秒計測、1/100秒計測(右)が可能なタイプまであった。
02/卓上型
卓上型としては、60分計測(写真)もしくは12分計測が可能なタイプのストップウオッチが製造された。いずれも市販されており当時の価格は9万4000円と非常に高額だった。なお、所有するコレクターによると、この個体は競技で実際に使用されたものだったと言う。
文◎堀内大輔(編集部)/写真◎笠井 修