中村 梅雀 -男の肖像時計の選択(パワーウオッチVol.41)

アニエスbは普段からよく着ているブランドで、時計も同じブランドに統一している。黒のシンプルなクロノグラフモデルで視認性も良い

 

時代劇から刑事ドラマまで、さまざまな作品で抜群の演技力を見せる中村梅雀さんは、普段は黒のシンプルなファッションを好んでいる。

「プライベートで着ている服がほとんどアニエスbのもので、時計もそれに合わせています。俳優をやっているせいかもしれないですけど、普段の姿ではできるだけ色の付いたキャラクターとして見られたくない。だからアニエスbのシンプルなデザインがしっくり来るんですよね。この時計もシンプルなんだけど、クロノグラフになっていてちょっとだけ工夫があるところが気に入っています。クロノグラフはなぜか学生時代から好きでした。特に必要な機能でもないんだけど、盤面に何もないと少し寂しいんですよね」

どんな色にでも変化しなければいけない俳優という職業を意識して、普段は最もニュートラルな色に自分を包んでいる。そのたたずまいは「静」でありながら、独特の緊張感も漂わせている。

普段の姿ではできるだけ色の付いたキャラクターとして見られたくない。
だからアニエスbのシンプルなデザインがしっくり来るんですよね。

「アニエスbの時計を着けるような役は絶対に僕のところには来ないから、安心してこれを着けているっていうのもあるかもしれない(笑)。ドラマではだいたい小道具さんが時計を用意してくれるんだけど、持ち主の趣味や嗜好、性格まで表れるものですからね。役柄を考えるときにはとても重要なアイテムです」

ところで中村さんといえば、俳優活動と並行して音楽活動を行っていることでもよく知られている。特にベースを中心とした楽器コレクションは有名で、「自由になるお金があったら、時計よりもベースギターに使いたい」と笑う。

僕は脱線派はんで、時計はライブの必需品なんです。
ついつい曲よりもお話の時間が長くなって、ステージの時間が延びちゃうんですよ(笑)

「高い時計には全然興味がないんですよ。3万円を超えるともう興味なくなっちゃう。そのぶん、ベースにお金が回ってるんですよね。現在30本以上持っていますが、いくら使ったか計算してみたらちょっとした家が買えるくらいの金額になっているかもしれない。演奏しているのはとにかく好きで、それこそ時間のことを忘れちゃいますね。ちょうどCDのレコーディングが終わったばかりなんですが、スタジオでの作業も本当に楽しかったです」

ライブハウスを中心に生演奏のステージも数多くこなしているが、ステージでは時計は手放さないという。

「僕は脱線派なんで、時計はライブの必需品なんです。ついつい曲よりもお話の時間が長くなって、ステージの時間が延びちゃうんですよ(笑)。だから時計も腕からはずして、常に目に入るところに置いておくようにしています。日常生活であくせくすることはないけど、時間を一番気にしなきゃならない状態に追い込まれるのは、ライブのときかもしれないですね」

 

中村 梅雀俳優)
BAIJYAKU NAKAMURA 1955年12月12日、東京都生まれ。中村翫右衛門を祖父に、 中村梅之助を父に持ち、10歳のとき新橋演舞場『勧進帳』 の太刀持ちで初舞台を踏む。昨年退団するまで前進座に所属し、主に立ち役として多くの舞台に出演。さらにNHK大河ドラマ『八代将軍吉宗』『功名が辻』『篤姫』、映画『釣りバカ日誌』シリーズなど、幅広いフィールドで活躍している。若い頃からジャズやフュージョンを好んでおり、自身でプレイするベースギターの腕はプロ級。