京本 政樹 -男の肖像時計の選択(パワーウオッチVol.53-2)

取材時にはブラックダイヤとパヴェダイヤでスカルを表現したジェイコブの新作を着用。ラグジュアリーな意匠のなかにスカルや赤いステッチを効かせ、オリジナリティあふれる世界観が表現されている。風防には「55/55」というシリアルナンバーのプリントが

 

ジャガーEタイプ、トヨタ2000GT、マツダ コスモスポーツなど所有するスポーツカーマニアとして有名な京本政樹さん。車好き=時計好きの法則に従うと時計への情熱もかなりのものでは、と推察していたが、まさにそのとおりだった。

「もちろんロレックスなどの定番アイテムはひととおり持っているんですが、最近気に入っているのはジェイコブです。車もいろいろ乗り換えてきた遍歴があって、ステイタスとしてメルセデス・ベンツに行き着いた時期があったんです。でも、そのときに『自分が本当に好きな車って、こういう高級車よりもむしろスポーツカーじゃなかったっけ?』ってことを思い出したんですよね。ベンツの後部座席でふんぞり返ってるよりは、自分で好きなスポーツカーを乗り回すほうが楽しいんですよ。ステイタスや価格と関係なく、本当に自分が好きなものを楽しみたいって気づいたときに、たまたま出会った時計がジェイコブだったんです」

現在ジェイコブは4本ほど所有している。ブランドとの出会いも早く、当初は京本さんと元巨人の清原和博氏くらいしか日本では所有している人がいなかったという。

「その後に格闘家の魔裟斗くんもするようになったけど、僕も日本ではジェイコブの知名度アップにだいぶ貢献したと思ってます(笑)。愛知県にある八神さんという宝飾店と懇意にさせていただいているんですが、そちらの方々に教えてもらったんです。最初の印象はとにかく大きいなということ。でもベルトを自分で交換してコーディネイトを楽しめたり、ちょっとした遊び心が気に入りましたね。最初はオーソドックスな赤・青・黄の3色が使われているモデルで、2本目に総ダイヤのスカル柄を手に入れました。ファッションでもスカル柄が好きなので、そのスカルをダイヤモンドで表現しているっていうのもインパクトを感じましたね。使っているダイヤモンドのクオリティが非常に高いのも気に入っています」

今回持参いただいたのは、スカル・ファイブタイムゾーンのリミテッドエディション。今年のバーゼルワールドで発表された新作で、限定55本のうち日本で購入されたものは3本。いち早く京本さんの手元に届いた。しかもシリアルナンバーが55/55の最終型番と超希少なアイテムだ。

「1/55が欲しいと思ったんだけど、それはジェイコブ本社で所有するから売ってくれないんだそうです。それでは、ということでジェイコブ氏自身が1番の次に最も切りがいい数字としてこの最終型番を薦めてくれたので決断しました」

徹底した美意識の持ち主でテレビの収録などにも私服で臨むという京本さん。インパクトの強いジェイコブもさらりと着けこなしている。大人の余裕を感じさせる時計使いは、ぜひ見習いたいものだ。

 

京本 政樹俳優)
MASAKI KYOMOTO 1959年1月21日、大阪府生まれ。アマチュア時代はミュージシャンを目指していたが、俳優としてスカウトされて1979年にテレビデビュー。早くから若手二枚目俳優として認められ、時代劇を中心に活躍。1985年のテレビ時代劇『必殺仕事人V』で演じたクールでミステリアスな組紐屋の竜役で、その知名度を一気に高めた。その後は現代劇ドラマやバラエティにもフィールドを広げている。趣味人としても知られ、熱烈なカーマニアであるほか、ダイビング、特撮など、幅広い分野に造詣が深い。