SIHH 2019年 新作時計レポート【vol.00】 久しぶりのジュネーブサロン

 毎年1月に開催され、高級時計の最新作がいち早くお披露目されるSIHH(通称ジュネーブサロン)が、今年も1月14日から17日までの4日間、スイス・ジュネーブで開催された。その新作情報をお届けするべく、今回は12月からスタートしたこの「Watch LIFE NEWS」として取材にお邪魔してきた。そこで、これから「SIHH2019新作時計レポート」と題してブランドごとに紹介していきたいと思う。ちなみに上の写真は会場入り口から撮ったもの。遠くにモンブランが見える。

 さて、前回筆者がこのSIHHを取材したのは2009年のことだ。何と今回、10年ぶりの取材となったわけである。そして驚いたのが出展しているブランドの数だ。以前はカルティエを筆頭とするリシュモングループ傘下の時計ブランドに加えて、ジラール・ペルゴなどを有するソーウィンドグループ傘下のブランドなど、リシュモングループ以外が5〜6ブランドで、それらを合計しても16〜7ブランドだったように記憶している。それがいまやメインブランドが19ブランド、そして独立系ブランドが17と実に36ものブランドが出展。以前に比べて倍以上に膨れ上がっていたのに驚かされた。

 つまり、このブランド数をたったの4日間で取材をこなさなければならいない。ということで朝9時半からほぼ15分間隔で開かれるブランドごとのプレスカンファレンスで毎日のスケジュールがびっしり。今回の取材には編集は筆者ひとりで参加したために、プレスカンファレンスへの出席が優先されたこともあって、個別取材の時間が限られてしまい、じっくりと新作を見られたのがごく限られたブランドだけになってしまった。そのため今回の新作情報は、メーカー資料をベースに紹介させていただくことを、あらかじめお含みおきいただきたい。

 そんなわけでSIHHレポートの初回は「Vol.00」として、まずはざっとSIHHの雰囲気を写真で紹介したいと思う。そんな今回のSIHHだが、4日間の来場者数は23,000人以上。昨年に比べてどうだったのかはわからないが、終了後の運営側の発表によると、かなりの大盛況だったようである。

滞在先ホテルからジュネーブ・コルナヴァン駅に向かう道で撮った朝の写真。写真の先にレマン湖がある(駅を背にして撮影)。近くに滞在しながら、レマン湖まで行くことすらかなわず。毎日、SIHH会場のある隣駅のジュネーブ空港駅との往復のみとなった滞在5日間だった

ジュネーブ空港駅から歩いて5分ぐらいのところにある会場。ちょうど大学入試の会場になっていたようで、会場に行く途中にあった別のホールでは多くの学生が群がっていた

会場に入ると途端にこの長蛇の列。これはセキュリティチェックを受けるための列、空港とまったく同じである。初日はブースの位置を確認するために、早く会場入りしたため良かったが、普通に行っていたら完璧にアウト。初日からプレスカンファレンスに大遅刻するところだった。10年前はもちろんなかったことである

筆者。今回同行してくれたパリ在住のカメラマン、神戸氏に初日の空き時間に撮ってもらった。まだ、初日だというのにすでにお疲れモード。50代後半にはさすがにこのスケジュールはキツかった!

こんな感じで通路には食事ができるテーブルがずらっと並んでいる。どこに座ってもOK。ここでは前菜、メインそしてデザートと、それぞれ4種類から選べるランチが無料で食べられるほか、ワインやビールなども飲み放題。なので皆さん結構呑んでいらっしゃる、しかし我々はもちろん取材中なので、それを横目にミネラルウオーターを注文(涙)。そして各ブランドのブースはこの両サイドに並んでいる

以前にはなかった独立系ブランドのブースがあるフロアへつながる通路。この先に17ものブースが並んでいる

会場にあったコカ・コーラ。王冠に「SWISS MADE」と記載されていたので、何とはなしに撮影してもらったので掲載(笑)

(取材・文◎菊地吉正/現地撮影◎神戸シュン)

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。