オカダ・カズチカ-男の肖像時計の選択(パワーウオッチVol.105)

パテック フィリップの年次カレンダーモデル(左)とオーデマ ピゲのロイヤル・オーク。時計界の頂上ブランドが揃い踏み。“カネの雨を降らせる男”にふさわしい輝きだ

 

 美しくシェイプされた肉体に二枚目なルックス、そして抜群の運動神経。アルマーニのスーツを着こなし、移動のクルマはフェラーリ。“レインメーカー=カネの雨を降らせる男”として新日本マットに多くの観客を呼び込むオカダ選手は、そのすべてに隙がない。そんな彼が持参してくれたのはパテック フィリップとオーデマ ピゲだった。

「どっちも一昨年に購入したものですね。パテックは最初はムーンフェイズがないタイプが欲しかったんですけど、店頭で見たらこっちがいい雰囲気で買っちゃいました。オーデマ ピゲは、自分が身体が大きいのでビッグサイズがいいかなって思ったんですが、実際に着けてみたら37㎜がちょうど良かった。流行にも左右されないサイズだし、いまはとても気に入ってますね。以前はカルティエのサントスを使っていたんですけど、師匠のウルティモ・ドラゴンさんに『ふーん、宝石屋さんの時計だね』って言われちゃったんです(笑)。それから時計専門ブランドの時計に注目するようになりました。派手でいかにも高そうな時計よりは、時計好きの人が見ればいいものだってわかるようなシンプルな時計が好きです。だいたい5〜6本持っていますけど、主に使っているのはこの2本ですね。3大ブランド制覇してやろうと思っていて、ヴァシュロン・コンスタンタンの時計も物色しているんですが、いまのところピンとくるモデルが見つからないんです。でもいつかは手に入れてやろうと思ってます」

 いまでも年間約150試合をこなすだけに、多忙を極める日々だ。

「でも巡業のときは移動時間が長いんで、そこでいろいろ自由に過ごすことが多いですね。仮眠したり、本読んだり、ゲームしたりって感じで、移動時間を上手く使えば効率良く生活できますよ。いまは試合前でもリラックスできるようになりましたけど、以前は大会のメインイベントを任されたときなんて、緊張でずっとそわそわしてましたね。前の日から眠れないし、食事も喉を通らないくらいでした。そういう緊張が解けてきたのが、2回目にチャンピオンになったときからですね。試合開始のときにモチベーションのピークを持っていくっていうのが難しくて、そこは経験していかないとどうしても慣れないんですよ。だから新たに上にのし上がっていく選手を見てると、その緊張感が伝わってくるし、自分もそうだったなって思い出しますね」

 

オカダ・カズチカ(プロレスラー
OKADA KAZUCHIKA 1987年11月8日、愛知県生まれ。15歳で闘龍門に入門し、メキシコでプロレスラーとしての修行を積む。2004年にデビューし、07年に新日本プロレスに移籍。アメリカTNAでの武者修行を経て、12年2月、史上2番目の若さでIWGPヘビー級王座戴冠。同年8月、G1 CLIMAX初出場で初優勝を果たす。過去に6回もプロレス大賞の年間最高試合賞を受賞している試合巧者でもあり、「レインメーカー=カネの雨を降らせる男」としてプロレス界のトップに君臨している。