【プロが教える!】ビギナーが選ぶべきアンティーククロノBEST10(後編)

 3月9日(月)に公開した“【プロが教える!】ビギナーが選ぶべきアンティーククロノBEST10”。今回はこの後編として6位〜10位のモデルを見ていきたい。

ビギナーにおすすめするクロノBEST10。
個性豊かな5位〜10位を発表

》第6位
ANGELUS アンジェラス
Cal.215

《おすすめの理由は?》
 良質なクロノグラフムーヴメントを多数展開し、普及に貢献したとされる名門アンジェラス。1940年前後に開発されたと言われるCal.215は、2プッシュボタン式をいち早く導入したムーヴメントとしても知られる傑作のひとつだ。なお、アンジェラスはムーヴメントはもとより秀逸なデザインでも多くの評価を得ているブランドで、そのファンは多い。


アンジェラス。SS(38mm径)。手巻き。1940年代製。参考価格70万円〜

 
 

》第7位
VENUS ヴィーナス
Cal.178

《おすすめの理由は?》
 ヴィーナス社は数多くのクロノグラフムーヴメントを手がけた、ムーヴメントメーカー。そのなかでも特に評価が高いのが、12時間積算計を備えたCal.178である。
このヴィーナス社ムーヴメントを好んで採用したメーカーとしてよく知られるのが、当時のブライトリングで、クロノマットやナビタイマーといったパイロットクロノの傑作に搭載された。

 
 

》第8位
VALJOUX バルジュー
Cal.72

《おすすめの理由は?》
 ヴィーナスのCal.178と同じく12時間積算計付きムーヴメントの傑作に数えられるのが、バルジューが手がけたCal.72である。1938年(36年とも)の製造開始から74年まで製造されたロングセラー。このCal.72をベースにしたムーヴメントを搭載したことで有名なのがロレックスのデイトナだ。

 

》第9位
MINERVA ミネルバ
Cal.13-20CH


《おすすめの理由は?》
 少しマニアックだが、その独特で美しい見た目と高い性能が評価され、9位にランクインしたミネルバのCal.13-20CH。デュボア・デプラ社の協力を得て開発された。その作りの良さを考えれば、搭載モデルの相場は割安だが、残念ながら現在の流通量はあまり多くない。

ミネルバ。SS(35mm径)。手巻き。1950年代製。参考商品。参考価格80万円〜

 

》第10位
LANDERON ランデロン
Cal.48

《おすすめの理由は?》
 カム式を採用し、さらにブレーキレバーを持たないなどの点から、省コスト版クロノグラフとして知られるCal.48。しかし近年クロノグラフが高騰するなかで50万円アンダーで手に入る手頃さは見逃せず、ビギナー向けとして高い評価を得たようだ。

 今回は、手巻きクロノグラフの傑作と呼ばれるムーヴメントから手頃さが魅力となった普及版まで幅広くランキングした5位〜10位を紹介。
 アンティーク時計の購入を検討している人は、【3針モデルBEST10】と併せてチェックして、ぜひとも役立ててもらいたい。

 

文◎堀内大輔(編集部)/写真◎笠井 修