【再現度高過ぎ!】セイコープロスペックス55周年記念ダイバーズをオリジナルと比較してみた。

 SEIKO(セイコー)が展開する本格スポーツウオッチブランド、“Seiko Prospex(セイコー プロスペックス)。
 今年はその原点となる“国産初の本格ダイバーズウオッチ”が誕生55周年を迎え、これを記念した様々なアニバーサリーモデルが展開されている。

 なかでも筆者が気になったのは1965年モデル、1968年モデル、1975年モデルを復刻した“メカニカルダイバーズ 復刻デザイン”だ。

(左から)11968メカニカルダイバーズ 復刻デザイン、965メカニカルダイバーズ 復刻デザイン、1975メカニカルダイバーズ 復刻デザイン

 

 記念モデルらしく、新たに“ブルーグレー”がキーカラーとして採用された本作。
 ブルーと聞いて、もっと現代風の仕上がりを想像していたが、実際にはグレーに近い渋めのカラーリングだ。
 一方でディテールの再現度が高く、アンティークっぽさも絶妙に表現されているため、かなりカッコいい。

 そこで今回は、オリジナルと比較しつつ、改めてその魅力を探っていきたい。

1965メカニカルダイバーズ 復刻デザイン

 本格的なものでは国産ブランド初となるダイバーズウオッチが、1965年に発表された通称“150mダイバー”だ。
 その名が示すとおり、当時150m防水を備えた自動巻きモデルで、後に多くの冒険家、探検家によって、北極、南極、エベレストなど地球のあらゆる過酷な環境下で使用されることで信頼性を不動のものとしていった、セイコーダイバーズの原点である。

 幅広なインデックスや先端にスクエアが付いた秒針、大きめなリューズなど、一見してわかる共通点は多いが、なかでも特筆はぷっくらと膨らんだボックス形の風防を踏襲している点だろう。当時はアクリル製だったが、復刻モデルではこれを硬度の高いサファイアガラスで再現している。
 またケース上面のサテン仕上げもオリジナルに倣って深めに施されているなど細部まで凝っている。精悍な顔つきはオリジナルモデルと同じだ。

 一方、ケースサイズはオリジナルよりも2mm拡大された。しかし、ケースサイズにあわせて針の長さなども延長されているため、バランスは整っている。

■1965メカニカルダイバーズ 復刻デザイン。Ref.SBEX009。エバーブリリアントスチール(39.9mm径)。200m空気潜水用防水。自動巻き(Cal.8L55)。数量限定1100本。71万5000円(6月発売予定)

 

1968メカニカルダイバーズ 復刻デザイン & 1975メカニカルダイバーズ 復刻デザイン

 ほかの“1968メカニカルダイバーズ 復刻デザイン”と“1975メカニカルダイバーズ 復刻デザイン”についても、デザインの再現度は非常に高い。
 特別なブルーグレーカラーでなかったら、時計に詳しい人でもない限り、見分けがつかないだろう。

 10振動のハイビートムーヴメントを搭載した300m防水ダイバー。70年には、日本山岳会の植村直己、松浦輝夫の両氏がエベレスト登頂にこのモデルを使用し、その堅牢性が証明された。

■1968メカニカルダイバーズ 復刻デザイン。Ref.SBEX011。エバーブリリアントスチール(44.8mm径)。300m飽和潜水用防水。自動巻き(Cal.8L55)。数量限定1100本。77万円(7月発売予定)

 

 世界初のチタン製ケース採用の600m飽和潜水用ダイバーズウオッチ。ワンピース構造のミドルケースをチタン製のプロテクターで覆った独自の防水ケースをはじめ、水中での装着性に配慮した蛇腹式ポリウレタンバンドなど、外装のみで20件の特許を有する。またその独創的なフォルムは今日のセイコーダイバーズのアイコンともなっている。

■1975メカニカルダイバーズ 復刻デザイン。Ref.SBDX035。TI(52.4mm径)。1000m飽和潜水用防水。自動巻き(Cal.8L35)。数量限定1100本。49万5000円(8月発売予定)

 
 
 アンティーク然とした魅力的な雰囲気をまといながらも、スペックはもちろん最新にアップデートされているため、安心して普段使いできるという点もうれしい。
 往年のセイコーダイバーズファンにとっても見逃せない新作と言えるのではなかろうか。
 

文◎堀内大輔(編集部)
 

【復刻モデルの問い合わせ先】
セイコーウオッチお客様相談室
TEL.0120-061-012
https://www.seikowatches.com/jp-ja/products/prospex