新人編集者が、スイスの古豪【FAVRE-LEUBA(ファーブル・ルーバ)】の実機を見せてもらいました!【前編】

 先日、280年以上の歴史を有するスイス時計ブランド、“FAVRE-LEUBA(ファーブル・ルーバ)”の新作モデル、レイダー・シーバードのレザーベルトタイプを紹介しました。

 同ブランドのコンセプトは、ずばり“レトロフューチャーデザイン”と“実用時計”。レトロフューチャーデザインとは、1960年代から80年代の時計デザインをモチーフにした時計を指します。当時は宇宙開発競争のなかで、未来志向のプロダクトが数多く生み出されました。

 そして同ブランドでは“高い視認性を誇る形状の針”、“大きな四角形のインデックス”、“クッションケース”、そして“14角形の風防リング”の四つのディテールを、レトロフューチャーデザインとしています。

 また、時計好きであれば周知のとおりですが、ビバーク9000やハープーンなどは、時計業界で様々な世界初を打ち出したブランドの誇る伝説的な実用時計です。ちなみに、1988~90年までは、スイスの古豪ブランドとして、“パネルクイズアタック25”のトップ景品だった歴史もあります。

 そんな同ブランドの時計を、編集部・松本がまだ見たことがないということで、先日実機を8本見せてもらいました。そこで、前編ではブランドの主力モデル、後編ではあの特撮ヒーローたちが着用しているモデルなど、前後編にわたり大ボリュームで紹介していきます。

 

FAVRE-LEUBA(ファーブル・ルーバ)
レイダー・ビバーク9000

写真の“RECCO(レコ)ストラップ”は反射板を装備した時計ベルトで、ビバーク9000のオプションとなります。
捜索装置から発信された電波を反射板が反射することで、
位置情報を伝えることができます。特殊繊維ケブラー素材。1万7280円

 1962年に発表され、高度計と気圧計の機能を有するアネロイド気圧計を搭載した世界初の高度計搭載の腕時計、“ビバーク”のデザインやコンセプトを引き継いだ“レイダー・ビバーク9000”。

 初代ビバークより大幅にスペックアップがなされ、世界初である機械式時計による海抜9000メートル(地上最高峰のエベレストよりも高い高度)の測定を実現しました。

 赤い針が高度計になっており、1周で3000m、3周すると9000mとなります。また、高度は3時位置のサブダイアルでも確認が出来ます。ケースサイド9時側にある空気の浸透膜が空気を取り込み、時計内部のカプセルが気圧を感知し、高度を測定する仕組みになります。

 見させてもらったのはベゼル、文字盤ともにグレーで統一されたモデルで、ブラックで統一されたビバーク9000もあります。ケース径は48mmと大振りなため、私の手首にのせるとオーバーしてしまいました。ですがケースには軽量なチタン素材を使用しているので、重厚感のある見た目ですが、思った以上に軽く、着け心地がよかったです。
■Ref.00.10105.06.45.45。TI(48mm径)。3気圧防水。手巻き(Cal. FL311)。93万5000円

 

レイダー・ハープーン42
 潜水時間(分)を測定するための逆回転防止ベゼルや、水中での分針の読み取りを妨げない、センターで回転する“秒ディスク”を採用したダイビングに特化したモデルです。

 時刻の読み方として、時は文字盤外周のアワーリングから、分は先端が特徴的な1針で確認します。そのため、写真の時刻は1時6分28秒となります。

 最初にハープーンをみたとき、時刻の読み方が分からなかったので動画を撮影しました。リューズを操作すると分針とともにアワーリングが回転する様子がよくわかります。

 見させていただいたハープーンは、2016年に発売されていた46mmモデルが4mmダウンしたミドルサイズモデル。また、ファーブル・ルーバの時計はラグを短く設定したモデルが多いため、実際の見た目よりも着けた時のバランスが良いのが特徴です。

 ハープーン42も同様にラグが短く設定されているため、手首に乗せるとちょうどよかったです。メンズライクな時計が好きな女性にもオススメしたいモデルです。
■Ref.00.131.08.52.20。SS(42mm径)。300m防水。自動巻き(Cal.FL301)。42万3500円

 

レイダー・バシィ120メモデプス
 1968年、世界で初めて水深計(デプスゲージ)を搭載した腕時計“バシィ”を発売した同ブランド。そして2018年、バシィ誕生50周年を記念した後継機であります、レイダー・バシィ120メモデプスが発売されたのです。

 バシィ120メモデプスは、オリジナルのバシィには存在しなかった最大潜水深度記録機能“メモデプス”を搭載した、究極のダイビングツールです。

 裏ブタから時計の内部に水を取り込み(画像)水圧を測定し、水深表示(センターの青い針)へと変換します。水圧が増加するにつれて時計内部の“合金膜”を押し出して、機械的センサーがこの合金膜の変化を検知。そして文字盤上のセンター針が潜水深度をディスプレイに表示する仕組みです。

 ブランドのコレクションのなかでも、一番計器然としたバシィ120メモデプス。サブダイアルや目盛りなどの、男心をくすぐるディテールが特徴です。ケース径はこちらも48mmと大振りですが、ケース素材には軽量なチタンを採用しているため、ステンレスモデルより手軽に着用ができます。
■Ref.00.10108.06.51.31。TI(48mm径)。200m防水。手巻き(Cal.FL321)。101万2000円

 

 紹介しましたビバーク9000、ハープーン42、バシィ120メモデプスが、オリジナル自社ムーヴメントを搭載したブランド主力のコレクションと言えるでしょう。実用時計を手掛けるスイス時計メーカーならではの時計です。

 

》一番のお気に入り!女性の腕にもぴったりなシーバード

レイダー・シーバード
 そしてこちらが、先日紹介した新作レイダー・シーバードのブレスモデルです。私の頼りない手首では、やはりこちらが一番フィットしました。

 メカニカルアラームを搭載した、ブランドが得意とする実用時計であった初代“シーバード”。 2017年にシーバードから“レイダー・シーバード”となって以降、メカニカルアラームウオッチとしての役目は終えましたが、その歴史はブランドの実用時計哲学として継承されています。
■(左)ミッドナイトブルー。Ref.00.10110.08.52.20。SS(37mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.ETA 2824-2ベース)。24万2000円。(右)チョコレートブラウン。Ref.00.10111.08.71.20。SS(34mm径)。100m防水。クォーツ(Cal.ETA F05.411ベース)。18万1500円

 サンレイ仕上げの文字盤とフルーテッドベゼルがエレガントな印象を与えてくれるレイダー・シーバードは、ケース径37mmと34mmの2サイズで展開。着用したモデルは34mmサイズで、レトロフューチャーなデザインが手首で存在感を放ってくれます。

 また、紹介したモデルのなかで一番手の届きやすい価格でしたので、お金を貯めていつかは手に入れたいと思いました。

 今回は一気に5モデルを紹介。次回の後編では、平成・令和の仮面ライダーやスーパー戦隊のレギュラーキャラクターたちが着用した3コレクションを紹介していきます。

 

文◎松本由紀(編集部)

【問い合わせ先】
スイスプライムブランズ
TEL.03-4360-8669
http://favre-leuba.com/jp/