菊地の【ロレックス】通信 No.081|デイトナがとんでもないことに!?| 2月12日の定点観測にみる実勢価格相場

 今年になってからロレックスの話題が、我々時計関連メディアとはまったく関係のない新聞やテレビなどでもやたらと目につくようになっている。その引き金となったのが2020年12月30日付けで配信された朝日新聞デジタルの「ロレックスマラソン、転売目的の客も 定価求めて争奪戦」という記事だったのではないだろうか。

 その後、近畿圏のBSの番組でも取り上げられた。そして先日、筆者は見ていないがテレビ東京のWBSでも「株高で高級品が好調」と題してデイトナが取り上げられたと聞く。もはやロレックスの高騰ぶりだけがひとり歩きしている感は否めない。

高騰するデイトナのRef.116500LN。人気は圧倒的に白文字盤が高く、単なる色違いにもかかわらず実勢価格には数十万円の開きがある

 別にこれらの報道が影響しているわけではないが、そんななかにおいて実はデイトナのRef.116500LNがこの1週間で急激に高騰しているのである。そして、その値上がり幅が尋常でないのだ。

 どれだけ上昇したのかというと、下のグラフは黒文字盤タイプなのだが、2月12日時点での安値相場は319万円。この金額は先月の同時期と比べて32万円。先週の定点観測時と比べても27万円アップと、この1週間で急激に上昇していることがわかる。

ウオッチライフニュース「週間ロレックス相場より」

 ちなみに人気の高い白文字盤タイプの安値相場は365万円。黒文字盤との差は実に46万円。先月までは25〜30万円の差だったことを考えると、白文字盤は黒以上に高騰したことになる。いやはやとんでもない数字となってしまった。

 これについて二つの並行輸入店に聞いたところ、両店とも「2月に入ってこれまで以上に入手が困難になっているため、仕入れ自体が急激に高騰している」と口を揃える。

 さて、デイトナ以外のモデルの1カ月間の動きはどうだったのか。次に掲載の「主要11モデルの月間ロレックス相場」を見てほしい。大半はそれほど大きな動きはないもののエクスプローラー I と II がじわじわと上昇している。この点はなんとなく気になるところか。

■ 主要11モデルの月間ロレックス相場(2月12日更新)
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【GMTマスターII/Ref.126710BLRO】国内定価102万800円
・実勢価格:208万円→209万円(↑) 先月より1万円アップ

【デイトナ/Ref.116500LN】国内定価138万7100円
・実勢価格:287万円→319万円(↑) 先月より32万円アップ

【サブマリーナーデイト/Ref.116610LN】国内定価94万3800円
・実勢価格:151万円→150万円(↓) 先月より1万円ダウン

【サブマリーナーデイト グリーン/Ref.116610LV】国内定価98万7800円
・実勢価格:213万円→202万円(↓) 先月より11万円ダウン

【ミルガウス/Ref.116400GV】国内定価87万6700円
・実勢価格:102万円→101万円(↓) 先月より1万円ダウン

【ヨットマスターロジウム/Ref.126622】国内定価126万5000円
・実勢価格:157万円→161万円(↑) 先月より4万円アップv

【ディープシー/Ref.126660】国内定価133万1000円
・実勢価格:151万円→149万円(↓) 先月より2万円ダウン

【エアキング/Ref.116900】国内定価67万6500円
・実勢価格:82万円→81万円(↓) 先月より1万円ダウン

【デイトジャスト/Ref.126200】国内定価74万3600円
・実勢価格:76万円→76万円(→) 先月と変わらず

【エクスプローラーII/Ref.216570】国内定価87万5600円
・実勢価格:117万円→120万円(↑) 先月より3万円アップ

【エクスプローラーI/Ref.214270】国内定価68万7500円
・実勢価格:100万円→106万円(↑) 先月より6万円アップ

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。