【70周年のオリエントスター】そのフラッグシップモデルが新しく生まれ変わった!

 1951年に“輝ける星”をイメージした、国産時計ブランドとして誕生したオリエントスター。
 初代モデルから、常に新鮮さを失わず、同時に“着ける悦び”“魅せる喜び”“繋ぐ慶び”の三つのよろこびを追求した時計作りを実践してきたオリエントスターは、今日、独自の世界観をもつ本格機械式時計ブランドとしての地位を確立している。

 2021年はそんなオリエントスターの誕生から70周年という節目の年である。そしてこの記念すべきアニバーサリーイヤーの幕開けを飾るモデルとして発表されたのが、まさしく同ブランドの時計作りにおける精神を体現したフラッグシップモデル“スケルトン”の新作だ。

アイコニックモデルの最新作“スケルトン”が登場

2021年はオリエントスターの誕生70周年、そして同ブランドを代表するスケルトンモデルの誕生30周年に当たるダブルアニバーサリーイヤーだ。これを祝して登場したのが、このクラシックコレクション“スケルトン”である。ディテールをアップデートし質感を高めたことに加え、新ムーヴメントを搭載して実用性も向上させた。
■Ref.RK-AZ0001S。ステンレススチールケース、本ワニ皮革ストラップ。ケース径38.8mm。5気圧防水。手巻き(Cal.F8B62)。31万9000円

 常に新鮮さを追求し続けるオリエントスターは、いまから30年も前の1991年に、当時は珍しかったスケルトンモデルの初作を発表している。文字盤を取り払い、本来は隠れている内部の機械式ムーヴメントを露出。そこに美麗な仕上げを施し、精密なメカニズムとともにデザインへと昇華させたモデルだ。魅せることにこだわったその意匠は、一つひとつ熟練の職人の手によって作り上げられるオリエントスターだからこそ生まれる。
 今回発表されたのは、このスケルトンモデルの系譜を受け継ぐ最新作。特筆は新開発したシリコン製ガンギ車を採用した、新ムーヴメントを搭載している点。これによりパワーリザーブが70時間に延長されたほか、精度を向上させるなど、実用性を大幅に高めた。

エプソンのプリントヘッドでも使われる高精度加工、MEMS 技術を応用し、新開発されたシリコン製ガンギ車。シリコンは硬いうえに軽量というメリットをもつ一方で、欠けやすいが、エプソンでは熱酸化と除去を繰り返し表面を平滑にすることで強度を確保。ばね特性も与えることで、カナの接合も接着剤を使用せず、ガスの発生やケース内の劣化を抑えた

 またもうひとつ見逃せないのがディテールの造形にこだわり、全体の質感をアップデートしたこと。例えばムーヴメントの受けに施された波目模様や渦目模様は切削によって仕上げ加工することで、いっそう美観を高めている。

ディテールをブラッシュアップして質感をアップデート

<面取りを施して美しい輝きをプラス>
ムーヴメントの受けなどには、縁にすべて面取りが施され、美しい輝きを与えている。テンプ上部のパーツ(写真)は、彗星特有の二つの尾を引く形状をモチーフにしており、オリエントスター70周年らしい、宇宙を感じさせるデザインに仕立てている点も見逃せない

<切削によって仕上げ加工がいっそう明瞭に>
シースルーバックからも仕上げに手の込んだムーヴメントが堪能できる。切削加工によっていっそうくっきりと浮かび上がった波目模様が高級な雰囲気だ。また受け自体も肉抜き部分を減らし、適度に厚みをもたせるなど、耐久性にも配慮がなされた構造となっている

<両球面サファイアガラスを採用し視認性が向上>
風防には高硬度のサファイアガラスを採用しているため傷に強い。一方、従来モデルでは片面のみ球面となったタイプのガラスを採用していたが、新作では両球面のガラスを採用。これにより、あらゆる角度から見た場合でも判読性が高まり、よりクリアな視認性を実現している

<着けてみました>
38.8mm径というケース内に、緻密なメカニズムが凝縮されたスケルトンモデル。ゴールドカラーの上品な輝きのなかで、ブルーカラー針やガンギ車が程よいアクセントとなって洗練された雰囲気をプラスしている。スーツやジャケットスタイルに欠かせない1本になるはずだ

<Variation>Ref.RK-AZ0002S。31万9000円

 新作のスケルトンはオリエントスターが70年間紡いできた時計作りの精神と技術が結集したモデルと言えるのである。

 

文◎堀内大輔(編集部)/写真◎水橋崇行

 

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