やっぱりいい! GMTマスター II の新オイスターブレス仕様|【ロレックス】通信 No.117

 新エクスプローラー I にばかり注目が集まった2021年の新作発表だったが、そんな影に隠れてGMTマスター II のラインナップにも変更があったことをご存じだろうか。ステンレススチールモデルの黒青ベゼル(通称バットマン)と青赤ベゼル(通称ペプシ)の2種類のツートンベゼルタイプに、今回新たに3列のオイスターブレス仕様が追加されたのだ。

右が今年再投入されたオイスターブレスタイプのRef.126710BLNR。左が2019年で生産終了した旧型のRef.116710BLNR。こうやって並べて比較してもほとんどわからないぐらいだった

 この3列のオイスターブレスだが、そもそもは黒青ベゼルに19年までおよそ6年間標準装備されていた仕様だ。それが新型の3200系ムーヴメントへの移行に伴い同年にマイナーチェンジされると、それまでのオイスターブレスをやめて青赤ベゼルタイプと同じ5列のジュビリーブレス仕様となった。

 ただ、ジュビリーブレス仕様に1本化されてからというもの、正直なところこの黒青ベゼルに限って言えばユーザーの反応はイマイチだったようだ。このことが直接関係したのかはわからないが、結局のところ廃番となってわずか1年余りで復活したというわけである。そして同時に青赤ベゼルにもこのオイスターブレスタイプが新たに追加された。

2019年に登場したジュビリーブレス仕様。これはこれで悪くないのだが、やっぱりロレックスのスポーツモデルの場合は見慣れているせいもあって筆者的にはオイスターブレスのほうが好みだ

 オイスターブレスとジュビリーブレスのどちらがいいかは好みの問題だが、価格面で見てみると国内定価はオイスターが104万9400円。一方のジュビリーブレスは107万2500円と2万3100円ほどジュビリーが高い設定だ。対して平行輸入店での実勢価格はどうか調べてみると210万円台後半から220万円台。微妙だがこの価格帯でオイスターのほうが5万円前後割高となっている。やっぱり人気度の差ということなのだろう。

ベゼルの色がキレイに出ていないためわかりにくい写真で恐縮だが、黒青ベゼルの右がジュビリータイプで左がオイスタータイプ。参考までに

 ちなみに今回、ブレスレット自体のレファレンスが新旧では変わっているため若干の仕様変更はあったと思われる。しかし、新旧モデルの実機を実際に比較(トップの写真参照)してみたのだが、正直なところ見た目では、その違いについてはほとんどわからなかった。

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!