【60万円台でこのクオリティー】“ノモス グラスヒュッテ”の最新スポーツモデル“アウトバーン・ディレクターズカット”の魅力に迫る!【ドイツ時計を深掘り】

 “ノモス グラスヒュッテ”は様々な時計ブランドが林立する、ドイツ時計の聖地とも言われるグラスヒュッテに本拠地を置くウオッチメゾンである。
東西ドイツ統一後の1990年、ローランド・シュベルトナーが創業したノモス グラスヒュッテ。クラシカルなデザインが多いドイツブランドのなかで、バウハウスの影響を受けた同ブランドのコレクションは異彩を放ちながらも、その完成されたデザインが高く評価され、数々のデザイン賞を受賞している。また、ヒゲゼンマイや脱進機構に到るまでを自社生産し、新型ムーヴメントの開発も行っており、ドイツ国内だけでなく世界中から高い評価を得ている。

 そんな同ブランドの最新作である“アウトバーン・ディレクターズカット”の情報が届いたため、その詳細を解説しながら魅力に迫っていきたい。

アウトバーン・ディレクターズカット

■Ref.AB161011A32。Ref.AB161011A72。Ref.AB161011A92
【共通スペック】
SS(41mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.DUW6101)。各世界限定175本。各61万500円(2021年11月1日発売予定)

 ドイツ時計の聖地であるグラスヒュッテでの時計製造が始まってから175年という歴史を祝福する特別なモデルとして各色世界限定175本で販売されるレアピース。
同ブランドのなかでも比較的新しいシリーズである“アウトバーン”は、今日活躍する最も有名なデザイナーの一人である、ヴェルナー・アイスリンガーがデザインを担当。今回発売される。A3(ホワイト、オレンジレッド)、A7(ブルー、イエロー)、A9(ブラック、グレー)の各モデル名は、デザイナーがお気に入りのドイツの高速道路の路線名から名づけられているという。今回発売される3色は既存のレギュラーモデルに比べ鮮やかな色が映え、そのインパクトがある配色は1960年代から1970年代にドイツの街道を彩っていた車から着想を得たもの。
 ヴィンテージカーのように洗練されたデザインと美しい仕上がりが特徴。

 また、ムーヴメントは自社製キャリバーDUW6101が搭載されている。このムーヴメントは高さが3.6mmという非常に薄型となっているのが大きな特徴。この自社製ムーヴメントを視覚的に楽しめるように、裏ブタはシースルーバック仕様となっている。

 ムーヴメントを取り囲むように日付リングが配されており、文字盤の外周に合わせて配置された日付窓も特徴的だ。湾曲した横長の窓は3日間を一度に表示している。特許取得済のこの日付表示は、特別なプログラムディスクを組み込むことで省スペースを実現し、日付変更禁止時間帯(ダウンタイム)を縮小することに成功している。さらに、両方向へ日付の早送りができるため、機能的であり、誤って日付変更禁止の時間帯に早送りをしてしまったとしても特別なクラッチによって機構の破損を防ぐ機能も搭載されている。

 文字盤に注目してみると、スモールセコンドダイアルの部分が、窪んでいることがわかる。これによって文字盤に立体感が生まれ、よりダイナミックで新鮮な印象がプラスされている点も見逃せない。

 車のメーターを彷彿とさせるリングと時分針には、スーパールミノバが採用されているため、暗所でも高い視認性を確保している。

 かつてのレーシングストラップから着想を得たブレスレットもヴェルナー・アイスリンガーがデザインを担当。着脱が容易に行えるノモスクラスプを備えているため、機能性も非常に高い。
 これだけのこだわりと機能が詰まった限定モデルにも関わらず、手の出しやすい価格帯であることも、大きな魅力と言えるだろう。

 ドイツ時計製造の聖地であるグラスヒュッテの歴史を讃える、この限定モデルをぜひチェックしてもらいたい。

 

 

【問い合わせ先】
大沢商会
TEL.03-3527-2682
https://nomos-glashuette.com/ja

文◎川田健人(編集部)