【勢力を拡大するフランス時計に注目】アンティークスタイルの意匠が目を引く老舗ブランド、SELHOR(セルオール)

 SELHOR(セルオール)は、フランスの時計師シャルル・カリエによって1947年に設立された日本未上陸の時計ブランド。


 フランス東部の町、ドゥー川とデスブル川に挟まれたメーシュに拠点を置き、伝統的な時計製造の価値を遵守し、1960年代から70年代の雰囲気を感じさせるダイバーズウォッチやクロノグラフを製作している。


 全盛期にはリップ、ル・ジュール、イエマ、フォルバンなどが拠点を設けているスイスとの国境に近いブザンソンを拠点としていたが、47年に本社をブザンソンからメーシュに移転、その間にブランド名をメゾンカイラーに変更して時計の製造を続けていたが、70年代に休眠状態となったようだ。


 時は流れ2021年。セルオールはが拠点をパリに置き、時計業界にカムバックを果たす。現在は、自社のアーカイブからアイコンとなるモデルをセレクトし、ダイバー05コレクションやクロノグラフコレクションなど、当時のモデルの雰囲気やデザインを再現したヘリテージモデルを展開している。

 今回は、そんなセルオールのコレクションから、代表的な二つのモデルを紹介する。いずれのモデルも、デッドストックモデルを思わせるレトロな雰囲気が目を引きつける。日本円で6万円前後というリーズナブルな価格で時計をラインナップしているのも大きな魅力だ。


SELHOR(セルオール)
Diver 05/ダイバー05


 復活を果たしたセルオールのフラッグシップコレクション。アイコニックなインデックスやスクエアと目盛りを交互に配した外周の分表示マーカーなど、1960年代から70年代のオリジナルモデルから着想を得たデザインが魅力的。文字盤カラーは6色あり、特にサンドブラスト仕上げのライトブラウン文字盤はレトロな雰囲気を醸し出している。


 ケースバックには40年代に遡ったセルオールのダイビング時計の伝統を継承し、ダイビングヘルメットがエングレーヴィングされている。風防はサファイアコーティングを施したフラットミネラルガラスクリスタル製。ねじ込み式リューズを装備し、20気圧防水を備える。


 サイズは42mm、厚さは10.8m。時計の重量を軽減するためにベゼルはアルミニウム製。スイス製クオーツムーブメント、ロンダ 763を採用することで、240ドル(約2万7千円)という手頃な販売価格を実現している。日常使いにもビーチや水辺でも活躍するコストパフォーマンスの良い時計といえるだろう。


SELHOR(セルオール)
Vintage Diver/ヴィンテージ・ダイバー


 ヴィンテージ・ダイバーは1970年代に製造されていたダイビングウオッチからインスピレーションを得たモデル。ダイバーズウオッチ仕様のスペックに加え、クッション型ケースと立体的なバーインデックスが70年代ならではの個性を主張している。文字盤の色、ベゼル色、針の色、ケース仕上げから10種類と豊富なラインナップを揃えているのも特徴だ。


 サイズは42mmケースで厚さ12.5m。ドーム型サファイアクリスタル風防とねじ込み式リューズを装備し、200m防水を備える。


 機械はミヨタの自動巻きムーヴメント、Cal.9015を搭載。販売価格はスタイルにより異なり、550ドルから595ドル(約6万3千円から約6万8千円)。


》SELHOR(セルオール)
公式サイト
https://selhorwatches.com/


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/