峰岸 徹 -男の肖像時計の選択(パワーウオッチVol.25)

峰岸さんがトライアスロンのレース中はもちろん、練習中も身に着けているというタイメックス・アイアンマン

 

なぜ俳優の峰岸徹さんが、トレーニングウェア姿で登場しているのか。疑問に思った方も少なくないだろう。実は峰岸さんは、6年前からプライベートでトライアスロンをやっており、日常生活のなかでも運動を欠かさぬようにこのようなスタイルで移動しているのだ。

「レースを始めてから、身に着けるモノが変わりましたね。ファッション性も大事だけど、やっぱり機能性を重視してしまう。たとえば今日、履いているシューズ。一見すると普通のモノだけど、中敷きが特別製で、僕の体型や動きのクセなんかに合わせて調節されている」


レースを始めてから、身に着けるモノが変わりましたね。
ファッション性も大事だけど、やっぱり機能性を重視してしまう。

レースがないときでも、トレーニングは週3回のペースで行っている。運動不足を感じているときは、思い付きでウオーキングもする。トレーニングウェア姿は、どんなときでも都合がいい。

「時計もそんなわけで、いつもコレ(タイメックス・アイアンマン)を使っています。軽いんですよ、とっても。トライアスロンのレースは距離が200キロもありますから、重さがちょっとでも気になると、辛いんですよ。後半のほうになるともう、補給の水を持つだけでも重く感じますから」


年齢も職業もバラバラですけど、トライアスロンという競技を
一緒に戦い抜いてきた、いってみれば戦友ですから

スイム、バイク、ランという3つの競技を1人でこなす鉄人レース。道中は過酷だが、それだけにゴールしたときの達成感は計り知れないモノがある。

「僕は毎年、宮古島のレースに出ているんですが、最後ゴールに入るとき、競技場の雰囲気がスゴイんですよ。島民の皆さんの声援が地鳴りのように聞こえて、本当に揺れているような感じになるんです」

それは、常に華やかな舞台に立ち、スポットライトを浴びることに慣れている峰岸さんですら、思わず感動してしまう瞬間だという。

「だから、次の年もやろうという気になるんでしょうね。トライアスロンをとおして知り合った人たちも、今ではみんな僕にとって、とても大切な仲間になっています。年齢も職業もバラバラですけど、トライアスロンという競技を一緒に戦い抜いてきた、いってみれば戦友ですから。このタイメックスの時計も、もともとは4年前に九州のトライアスリート仲間からプレゼントされたモノなんですよ」

峰岸さんにとって腕時計は、レースをともに戦う相棒であると同時に、そこで知り合った代え難い仲間との“絆の証”でもある。

 

峰岸 徹俳優)
TORU MINEGISI 1943年7月17日生まれ。東京都出身。日本大学芸術学部在学中の1962年、東宝映画『非情の青春』で主演し、映画デビュー。以後、映画・テレビ・舞台などで幅広く活躍。1997年、大林宣彦監督の『風の歌が聴こえる』に出演したのをきっかけにトライアスロンを始める。