3.3mmという驚異の薄さで、5度目の世界最薄記録を樹立!ブルガリ注目の2019年新作モデル

 Watch LIFE NEWS編集部・副編集長、佐藤が、BASELWORLD(バーゼルワールド)2019を現地取材。各ブランドから発表された新作の魅力をお伝えします。

ケースを含めても、たったの6.9mm!世界最薄の自動巻きクロノグラフが完成

 

 2014年に“世界最薄のトゥールビヨン(手巻き)”で世界記録を樹立したオクト フィニッシモ トゥールビヨンを皮切りに、16年は“世界最薄のミニッツリピーター”となるオクト フィニッシモ ミニッツリピーター、17年は“世界最薄の自動巻きウオッチ(当時)”のオクト フィニッシモ オートマティック”、そして18年は“世界最薄のトゥールビヨン(自動巻き)”のオクト フィニッシモ トゥールビヨン オートマティックと、続々と世界最薄のワールドレコードを打ち立てたブルガリ。

 そして、今年は5度目となる新たな世界最薄記録を樹立。それが“世界最薄の自動巻きクロノグラフ”となった“オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT オートマティック”である。ブルカリでは、ほかにも魅力的な新作がいくつも発表されたが、何と言っても、まずは、このモデルについて語らずにはいられない。

オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT オートマティック

Ref.SAP103068。TI(42㎜径)。30m防水。自動巻き(Cal.BVL 318)。207万3600円

 

 オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT オートマティックは、史上最薄となる3.3mm厚の自動巻き機械式クロノグラフムーヴメントを搭載したオクトの新モデル。
 ケースを含めても、その厚みはたったの6.9mm。オクト フィニッシモ トゥールビヨン オートマティックでも見られた、ムーヴメントの外周部に設けられたリング状のローターが回転することでゼンマイを巻き上げるペリフェラルローター方式を採用することで、厚みを抑えることに成功した。

 しかもこのモデルがすごいのは、ただ薄いだけではないというところである。

ケース9時側からオクト フィニッシモ クロノグラフ GMT オートマティックを見た様子。クロノグラフ、しかも自動巻きのクロノグラフでありながら、ケースの厚みは写真ほどしかない

 

 搭載するクロノグラフムーヴメントは、作動方式に円柱状のパーツがクロノグラフの動作を司る、精密な制御が可能なコラムホイール式を採用。そして、その伝達には耐久性が高く、垂直方向にスペースを取らない水平クラッチ方式(しかも、古典的なキャリングアーム方式)を採用した。
 単に薄さを追求するのではなく“実際に使える”高級時計にふさわしい仕様と実用性が追求されているのである。

プラチナ&アルミニウム製ペリフェラルローターを採用した、双方向巻き上げの自動巻きは約55時間のパワーリザーブを誇る。ペルラージュ仕上げのベースプレートを持ち、コート・ド・ジュネーブ装飾、面取り仕上げのブリッジを採用。テンプは耐衝撃に優れた両持ちタイプで、実用性が追求されている

 

 モデル名にあるように本モデルにはGMT機能が搭載されているが、GMT機能は9時位置にあるボタンでローカルタイムをセットする。ボタンを押すと時針が1時間おきにジャンプし、操作も非常に簡単。ホームタイムは3時位置にあるインダイアルが示し、昼夜のわかる24時間表示となっている。
 また、クロノグラフの30分積算計は6時位置に、スモールセコンドは9時位置に配されている。

オクト フィニッシモならではの立体的なケースとブレスには、サンドブラスト加工が施され、マットな質感に仕上げられている。また、ケースとブレスだけでなく、文字盤もチタン製。針はブラックPVDが施されており、視認性に優れる

 

 機能はもちろん、外装も魅力的な仕上がりだ。非常に薄型だが、オクト フィニッシモではおなじみとなった複雑な多面構造を持ち、巧みに立体感が与えられている。また、ケースとブレスはサンドブラスト仕上げのチタン製。オールチタン仕様で軽いうえ、ケース厚は6.9mmしかないので、装着感は抜群だ。

 オクト フィニッシモ GMT クロノグラフ以外にも、魅力的なモデルが多数発表したブルガリ。そのなかでも、筆者が気になったモデルをもう一つ紹介したい。

 

オクト フィニッシモ オートマティック セラミック

Ref.103077。CE(40㎜径)。30m防水。自動巻き(Cal.BVL 138)。184万6800円

 

 こちらは2017年に発表された、チタンモデルで登場したオクト フィニッシモ オートマティックの新バリエーション。ケースやブレスにブラックセラミックを採用したモデルが、今年新たにラインナップに加わった。
 セラミックを使用した時計は他社でも見られるが、本モデルはそうしたありふれたセラミックウオッチとは一線を画す出来栄えを誇っている。

 ケースやブレスがセラミックであるのはもちろんだが、セラミック製のリューズを採用するほか、なんと文字盤もセラミック製。加えて、ブレスに使用されるボールベアリングにまでセラミックを用いるというこだわりぶり。
 しかも、薄型のオクト フィニッシモ オートマティックに合わせて、非常に硬質なセラミック素材を可能な限り薄く仕上げ、さらにチタンモデル同様、サンドブラスト仕上げが施されている。

こちらはスケルトン文字盤仕様のオクト フィニッシモ スケルトン セラミック。外装の仕様はオクト フィニッシモ オートマティック セラミック同様だが、こちらはスケルトン加工を施した手巻きムーヴメントを採用する。Ref.103126。CE(40㎜径)。30m防水。手巻き(Cal.BVL 128SK)。292万6800円(9月発売予定)

 

 今回のレポートは厳選した2モデルのみ紹介となったが、ほかにも魅力的な新作はまだまだある。それらについての紹介は、また別の機会にお届けしたい。

文◎佐藤杏輔(編集部)/写真◎水橋崇行(現地取材)

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