木下ほうか氏監修の時計“PARTNER”。その第2弾完成のはずが…。【OUTLINEのアウトライン|no.8】

 名バイプレイヤーにしてヴィンテージロレックスの愛好家としても知られる(最近はバイクのほうが有名かも)、俳優の木下ほうか氏。筆者が展開する時計ブランド、アウトラインともコラボレーションしていただき“パートナー(PARTNER)”というモデル名で昨年10月にその第1弾を発売した。

 その発売に先立って行ったクラウドファンディングでは何と1400万円以上も集まるなど、高い評価を得て大いに話題を呼んだ。そんなわけで現在は3種類の新作モデルの開発が進行しているという状況だ。

編集部にて最終の試作品をチェックする木下ほうか氏

 そして、この程そのひとつ“パートナー II ”の最終プロトタイプが完成。今週火曜日(22日)にほうか氏が編集部に来社。最終チェックを行いOKが出たため早速製造にGOサインを出したはいいが、あるとんでもない問題が発覚したのである。

 パートナー II には今回、シチズン傘下の日本のムーヴメントメーカーであるミヨタの最上位機“Cal.9039”を採用しているのだが、メーカーにこの機械の在庫が無いことが判明したのだ。つまり、中国の需要が高まってきておりコロナ前の状況に戻りつつあるというのである。

 そのため機械を調達できるまで6〜7カ月がかかるという。薄型の“Cal.9039”を前提に設計し、かれこれ1年近くかけて修正してきたため、いまさらムーヴメントの変更などできるはずがない。ということで当初9月を予定していたクラウドファンディングを中止せざるを得なくなったというわけだ。

木下ほうか氏監修の第1弾“パートナー I ”、この新デザインを急遽前倒しして9月からのクラウドファンディングを予定。ムーヴメントはセイコーエプソンの自動巻きを搭載。ちなみに左のモデルはすでに完売

 そんなこともあって、当初は第3弾として予定していたためすでに開発を進めているパートナー I の新デザイン版を急遽前倒しして進行することにした。もちろん次回の試作品でほうか氏のOKが一発で出ればの話だが、パートナー II の代わりに9月からクラウドファンディングで展開できればと考えているどころなのである。こちらもかなりいい感じのデザインのため、ぜひご期待いただきたい。

上に掲載した“パートナー I ”は当WEBサイトのオンラインショップで販売中

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。