世界最大の高級腕時計ECサイトにおける上半期ロレックス販売ランキング(6位〜10位)|【ロレックス】通信 No.115|

 筆者が取り上げた9月25日の記事で「高級時計専門ECサイトが2021 年度上半期の販売ランキングを発表」と題して、ドイツのカールスルーエに本拠を構える世界最大級の高級時計専門マーケットプレイス “Chrono24 (クロノ 24 )”が2021年1月1日から6月27日までの上半期に販売された時計について、SEIKOがその第4位にランクインしたことお伝えした。

 そこで今回のロレックス通信では、ブランドをロレックスだけに絞った場合にどの銘柄が売れているのか、Chrono24にお願いしてそのデータを出してもらったのである。その結果を今週と来週の2回にわたってお届けする。そして今回は10位から6位についてだ。なお、このデータは販売額ではなく販売本数での集計に基づいている。

 また、前回の記事でも触れたが、Chrono24で販売されている腕時計は、新品だけでなくUSED品からアンティークまで含んでいる。ランキングに旧モデルも含まれるのはそのためだ。

 では早速10位から6位までを見ていくことにしょう。

第10位|デイトジャスト(Ref.16233)

写真:「ゼロからわかるロレックス」より

 第7世代に当たる現行デイトジャスト(Ref.126233)の二つ前。第5世代目として1980年代末に登場し2003年まで生産されたレファレンスである。この18金イエローゴールドとステンレススチールのいわゆるコンビモデルは日本のバブル絶頂期に大ブレイク。当時はスポーツモデルではなくこのコンビのデイトジャストが手の届く高級品の代名詞として大人気を博した。Chrono24での相場は70〜80万円台。K18YG×SS(36mm径)。自動巻き(Cal.3135)

第9位|GMTマスター II(Ref.126710BLRO)

写真:「ゼロからわかるロレックス」より

 第2時間帯の昼夜を視覚的に判別しやすいようにとGMTマスターの初代から採用され、ある意味では代名詞となっていた青赤ベゼル。ベゼル素材がセラミックに変更された2007年で一旦姿を消したが、18金ホワイトゴールドで14年に、続いてこのステンレススチールタイプが18年に何と11年ぶりに復活。しかも通常のオイスターブレスではなく、かつてスポーツモデルで唯一GMTマスターだけが一時期採用していたジュビリーブレス仕様だったこともあって大注目を浴びた。現在日本での実勢価格は260万円と、ステンレスのスポーツ系ではデイトナに次ぐ高額なプレミアム価格となっている。それが9位とは恐れ入った。Chrono24での相場は250〜300万円。SS(40mm径)。自動巻き(Cal.3285)

第8位|エクスプローラー II(Ref.216570)

写真:「ゼロからわかるロレックス」より

 2021年に新型ムーヴメントに移行したのに伴い生産終了となった旧型レファレンスだ。とはいえ見た目は現行のRef.226570とほとんど変わっていない。この216570が登場したのは2011年のこと。それまでケースサイズは40mm径だったが、このレファレンスから42mmに大型化、いまやヨットマスター II に次ぐ大きさとなった。なお文字盤カラーには黒と白がラインナップしているのだが、現在デイトナの白文字盤が異常な人気であることから世界的にも白文字盤人気が高まり、これがこのエクスプローラー II にも波及。特にこの旧型については白文字盤のほうが実勢価格は20万円ほど高いという異常な状況だ。Chrono24での相場は110〜150万円。SS(42mm径)。自動巻き(Cal.3187)

第7位|サブマリーナーデイト(Ref.16610)

写真:「ゼロからわかるロレックス」より

 ロレックスのスポーツモデルの中でも常に3本の指に入る人気モデル、サブマリーナーデイト。このRef.16610は現行モデルの三つ前に当たる俗にいう5桁レファレンスである。生産期間は1989年から2010年までと20年以上ものロングセラーとなった。スペック上の数値ではケースサイズは40mm径と現行モデルよりも1mm小さいが、現行モデルはケースやブレスなどより堅牢で肉厚な感じになっているため、着けやすさや見た目のサイズ感は数値以上に良い。そのためこの5桁レファレンスのサブマリーナーデイトを支持する声はいまだに多い。Chrono24での相場は110〜140万円。SS(40mm径)。自動巻き(Cal.3135)

第6位|デイトナ(Ref.116520)

写真:「ゼロからわかるロレックス」より

 このデイトナはロレックス史上初の自社開発による自動巻きクロノグラフムーヴメント、Cal.4130が搭載された最初のモデルである。この4130は当初から約70時間パワーリザーブを誇るなどかなり実用的で優秀。そのため2000年に登場し2016年に現行デイトナにモデルチンジが実施されるまで15年以上ものロングセラーとなった。なお4130は現行デイトナにも搭載されているためいかに完成度が高かったかがわかる。また、このRef.116520は現行デイトとはだいぶ雰囲気が違いシンプルで控えめなデザインのため逆に着けやすい。この点もいまとなっては魅力に感じるのかもしれない。文字盤は黒と白がラインナップしており、やはり白文字盤のほうが相場は高い。Chrono24での相場は黒は280万円からで、白は300万円からと言うところだ。SS(40mm径)。自動巻き(Cal.4130)

 さて来週(10月17日)は1位から5位をお届けする。さて果たして1位にはどのモデルが入るか…。

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。