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10万円以下も…人気再燃の“オールブラック“モデル3選【意外と知らない時計知識-“PVD”とは?】狙い目モデルを厳選

腕時計の外装に用いられる仕上げには、電解メッキやラッカー、CVD(Chemical Vapor Deposition/ケミカル ベーパー デポジション)など、様々な手法がある。

なかでも、目にする機会が多いのが“PVD(Physical Vapor Deposition/フィジカル・ベーパー・ポジション)”だろう。

定番のステンレススチールはもちろん、リバイバルしたチタンや、先進素材のカーボンなど、その素材独自のマテリアルや硬度を活かしたモデルが主流だが、今回は改めて、“PVD”の特徴と、その魅力について振り返ってみよう。


》ブラックカラー人気に火をつけた立役者“PVD”とは

“PVD”とは“Physical Vapor Deposition”の略で、真空チャンバー内で固体材料を気化させ、薄膜として基板上に蒸着させるコーティング技術のひとつ。

金属、合金、セラミックなど幅広い基材に適しており、時計の世界では、主にケースやブレスレットに使用されている。

“PDV”を行う目的は主に二つある。ひとつは金属皮膜で硬度と耐久性をもたせ、時計の表面を保護する役割。もう一つは美観を高める装飾的な役割だ。

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ポルシェデザインが1972年発表した“クロノグラフ 1”。フルブラックウオッチの原点的モデルのひとつであり、ブラックPVDのステンレススチールケースを採用していたことでも知られている。

“PVD”と聞くとブラックの印象が強いが、イオン化させる金属はさまざまな種類があり、意外かもしれないが色の表現は自由度が高い。

チタン系化合物を使用した場合は黒色となるが、金を使用することでイエローゴールドやピンクゴールドに仕上げることもできるのだ。

現在では多彩なカラーリングが可能となっている“PVD”だが、やはり定番はブラックカラーだろう。ブラックPVDは人気が根強いオールブラックモデルを支える立役者であり、PVDの原点でもある。

PVDを採用した腕時計は1970年代から製造されているが、ポルシェデザインのクロノグラフ1や、タグ・ホイヤーのモナコ“ダークロード”など、黎明期の名作とされるモデルはいずれもブラックPVDを採用しているのだ。

今回は、デイリーユースに適した10万円以下から40万円台までの価格帯から、“ブラックPVD”を採用した注目モデルをセレクトしてみた。


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■Ref.80128 37NLNM NLN。SS(42mm径)。30気圧防水。自動巻き(Cal.806)。世界限定140本。49万5000円

EDOX(エドックス)
ハイドロサブ クロノメーター オートマティック ラベルノワール リミテッドエディション

ジュネーブのラグジュアリーカスタムウオッチメーカー“LABEL NOIR(ラベルノワール)”とのコラボレーションによる限定モデル。

ラベルノワールは、ブラックを考えて洗練されたデザインを得意としており、本作ではケースとブレスレットにマットブラックPVDを採用。

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1965年に発売されたエドックスの名作“ハイドロサブ”の復刻モデルをベースにしつつ、光沢のあるブラックセラミックベゼルとのコントラストによって、ほんのわずかな光しか見えない深海の世界を表現した。

ムーヴメントはクロノメーター仕様のCal.806(SW200)を搭載。セラミック製の逆回転防止ベゼルを装備し、プロ仕様の30気圧防水を備えている。

 

【画像】マットブラックPVD仕様、“エドックス×ラベノワール”コラボモデルを別アングルで見る

【問い合わせ先】
ジーエムインターナショナル
Tel.03-5828-9080


H38446730_image

■Ref. H38446730。SS(40mm径/ブラックPVD加工)。10気圧防水。自動巻き(Cal. H-31 )。35万4200円

HAMILTON(ハミルトン)
イントラマティック オートクロノ

1969年に発表された“ハミルトン”初の自動巻きクロノグラフ“クロノグラフA”から着想を得て、クラシカルなデザインと機能を継承している復刻モデルのオールブラック仕様。タウンユースとしても決まる精悍なデザインに仕上げられている。

60年代のアンティークウオッチで見られた2カウンター仕様(文字盤に二つのサブダイアルを備えたクロノグラフ)で、サブダイアルには外周に傾斜を付け同心円の装飾を施しており、立体的な造形が陰影を生み出す。

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マットブラックのケースと統一感をもたせたデザインに仕上げつつ、しっかり視認性を確保しているのがすばらしい。

ムーヴメントはインハウスの自動巻きクロノグラフムーヴメント、Cal.H-31を搭載。ETA社のCal.7753をベースにハミルトンが独自に改良を加えており、最長60時間パワーリザーブと、実用性の高さも魅力だ。

 

【画像】レトロな2カウンター文字盤も魅力、イントラマティック オートクロノを別アングルで見る

【問い合わせ先】
ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン
TEL.03-6254-7371


T120.217.37.061.00

■Ref.T120.217.37.061.00。SS(ブラックPVD/38mm径)。30気圧防水。クォーツ。8万2500円

TISSOT(ティソ)
シースター 1000 クォーツ クロノグラフ 38MM

ブラックのワントーンデザインにより、深く豊かな海の表情をモノクロで表現した、シースター 1000 クォーツ クロノグラフ 38mmのブラックPVD仕様。

グレーのグラデーションがかかったブラックの文字盤には、針(時針、分針、60秒クロノグラフ針、1/10秒のカウンター針、スモールセコンド、30分積算計)とインデックスが配置され、いずれもブラックPVD仕様のステンレススチールケースに合わせて色彩がブラックで統一されている。

外側に向かって濃い色合いに変わるグラデーションにより、ワントーンながら、しっかりと視認性が確保されており、本格ダイバーズウオッチに匹敵する30気圧防水を確保。デザイン性と実用性を兼ね備えた仕上がりは満足度が高い。

 

【画像】グラデーション文字盤も注目、ブラックPVDの“シースター 1000”を別アングルで見る

 

【問い合わせ先】
ティソ
TEL.03-6254-5321


》PVDと何が違う、高硬度で耐摩耗性に優れる“DLC”とは

“DLC(Diamond-Like Carbonの略)”は、PVD(固体材料による物理的蒸着法)、またはCVD(ガス状の物質による化学的蒸着法)のいずれかを用いて行われる、炭素を用いた表面処理技術。

炭素硬化膜による独特の艶感が特徴で、金属を用いた一般的なPVDよりも保護層が剥がれにくく、耐久性に優れているとされる。なお、塗布工程が複雑なため、PVDよりも高額となる。

■Ref.CC4106-74E。スーパーチタニウム(デュラテクトDLC‧DLC ブルー/44mm径)。10気圧防水。光発電エコ・ドライブ(Cal.F950)。世界限定2000本。36万3000円

CITIZEN ATTESA(シチズン アテッサ)
ブルー・ユニバース コレクション

この“DLC”のトップランナーのひとつが、シチズンだ。シチズン独自のデュラテクトDLCは、一般的な“DLC”よりもはがれにくく耐久性に優れ、艶やかな輝きを与えることができる。

本作は、“シチズン アテッサ”のACT Lineから登場した、“Blue Universe Collection(ブルー・ユニバース コレクション)”の第2弾だ。

ベゼルとブレスレットの中コマに、シチズン独自の表面硬化技術デュラテクトの新色であるDLCブルーを採用。

DLCを採用したモデルは、カーボン素材由来のブラックカラーであることがほとんどで、ほかの色味を出すことが難しいとされているが、シャボン⽟が虹⾊に⾒える現象と同じ“薄膜⼲渉”の原理をによって、深みのある美しいダークブルーを実現している。

 

【画像】独特の青みを表現、“ブルー・ユニバース・コレクション”第2弾を別アングルで見る

【問い合わせ先】
シチズンお客様時計相談室
TEL.0120-78-4807

 

文◎Watch LIFE NEWS編集部

 

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