PR:KIWAME TOKYO ASAKUSA
海外ブランドとは異なる進化を続けてきた日本の時計ブランド。近年は、自社でムーヴメントを製造していたセイコーなどの大手時計メーカーだけでなく、新興の“国産ブランド”が玉石混交で誕生している。
京都、福島、滋賀など、日本各地で創設されているのだが、ここでクローズアップする“KIWAME TOKYO ASAKUSA(キワメトウキョウ アサクサ)”は、東京の浅草に工房を構え、2025年9月に誕生したばかりの新鋭だ。
ファーストコレクションとして、浅黄(USUKI)と黒月(KUROTSUKI)の2モデルを展開しており、いずれも伝統的なフィールドウオッチのスタイルをベースとしつつ、日本的な美意識を感じさせる、現代的で洗練された意匠に仕上げられている。
【画像】仕様違いで2機種、“KIWAME TOKYO ASAKUSA”ファーストモデルのデザインを見比べる
【レビューモデル】USUKI(浅黄)、日本伝統色の文字盤に注目】
ヴィンテージのフィールドウオッチやドレスウオッチのエッセンスを受け継ぎながら、 “余白”や“陰影”など、日本的な美意識をデザイン要素の中に取り入れたファーストコレクション。

■Ref. KTL01。SS(38mm径)。10気圧防水(10気圧)。自動巻(Cal.9039)。8万8000円
KIWAME TOKYO ASAKUSA(キワメトウキョウ アサクサ)
USUKI(浅黄)
写真の“USUKI(浅黄)”は、日本の伝統色である“浅黄(うすき)”をベースにした特別仕様の文字盤を採用したモデルだ。“浅黄(うすき)”は平安時代の格式『延喜式』にも記された古い色名であり、通常のアイボリーよりもやや黄味が濃く、温かみのある色合いが印象的だ。
【画像】裏ブタに“極”の文字を刻印、ファーストモデル“USUKI(浅黄)”を別アングルで見る
“キワメトウキョウ”の大きな魅力と言えるのが、クラシックデザインと、モダンなアレンジを、絶妙なバランスで共存させたデザインだろう。
本作では、アンティークの軍用時計に由来するシリンジ型の針、ブレゲ数字のアラビアインデックスなど、クラシックウオッチのディテールが随所に採用されている。しかしながら、単純なクラシック回帰ではなく、現代的なアレンジが加えられている。
“浅黄(うすき)”は、表面にマットな黒塗装を施したアラビアインデックスが大きな特徴だ。
塗装の深みと立体感が織りなすコントラストは、一般的なインデックスに見られる金属の輝きとは異なる趣を感じさせ、光を受ける角度によって文字盤に生まれる陰影は、どこか日本的な“陰影礼賛”の美意識も感じさせる。
文字盤については、“浅黄(うすき)”文字盤の色調に合わせて、高級時計に使われる“ブルースチール針”を採用しているのも、こだわりのポイントだろう。
“ブルースチール針”はステンレススチールを焼き入れして製造される。焼くことで表面が酸化して耐食性が増すのだが、この過程で黄色→紫色→青色→灰色の順に色が変化していく。“ブルースチール針”は青色の段階のもので、“浅黄(うすき)”文字盤の柔らかな色合いに、深い青の輝きが上質感とアクセントを加え、視覚的なリズムを生み出している。
これは個人的な感想だが、“浅黄(うすき)”文字盤は、日本伝統色でありつつ、同時に経年変化したアンティークウオッチの雰囲気を感じさせるのも魅力だ。
なお、時分秒針や文字盤外周に配置されたミニッツトラックは二種類の蓄光塗料が塗布され、一方はブルー(12 時、3時、6時、9時と時分秒針)、もう一方はグリーン(ミニッツトラック)に発光。色合いを変えたことで視認性を高め、昼夜を問わず高い判読性を確保している。
【レビューモデル】KUROTSUKI (黒月)、艶のあるブラックラッカー文字盤採用
“KUROTSUKI (黒月)”は、艶感のあるブラックラッカーダイアルを採用し、日本的な静謐さを表現したモデルだ。

■Ref. KTL02。SS(38mm径)。10気圧防水(10気圧)。自動巻(Cal.9039)。8万8000円
KIWAME TOKYO ASAKUSA(キワメトウキョウ アサクサ)
KUROTSUKI (黒月)
“KUROTSUKI (黒月)”は、ラッカーを重ねることで、エナメルや漆器を思わせる艶やかな質感を与えられたブラックダイアルが特徴だ。
文字盤には、表面に繊細な筋目仕上げを施したアプライドインデックスと鏡面仕上げのシリンジ針、先端を赤く染めた秒針を配置。色彩を極限まで削ぎ落としたことで細部の造形を際立たせ、洗練された上質感を醸し出している。
【画像】小ぶりで薄型、ファーストモデル“KUROTSUKI (黒月)”を別アングルで見る
文字盤とコントラストを生み出すように、アプライドのアラビアインデックスは、表面に繊細なヘアアイン仕上げが施された。
一般的に、アプライドのアラビアインデックスは表面をポリッシュ(鏡面)に仕上げることがほとんどで、本作のように筋目仕上げを採用するのはかなり珍しい。ソリッドな質感がクラシックな意匠に現代性を加え、光を受けることで控えめながらも独特の立体感を生み出す。
艶感のあるブラックラッカーダイアルと、ソリッドなアラビアインデックスの対比により、抜群の視認性を確保し、メリハリの利いたデザインに仕上げられている。
文字盤のディテールで、もうひとつ印象的なのが秒針のデザインだ。夜光を備えた先端部は、浅草・雷門の大屋根を思わせる造形になっており、その延長として伸びる針本体は、朱塗りの柱を想起させる深いエンジ色で彩られている。
浅草・雷門の屋根と柱の関係を一本の針の意匠に凝縮し、浅草の風景を象徴的に表現しているわけだ。注視しないと見逃してしまいそうな微細なパーツだが、“KIWAME TOKYO ASAKUSA(キワメトウキョウ アサクサ)”らしい、こだわりが光る造り込みと言えるだろう。
【問い合わせ先】
KIWAME TOKYO ASAKUSA ショールーム
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