アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ロレックス
デイトジャスト Ref.1601
今回紹介するのは1964年頃に製造された、ロレックスのデイトジャストRef.1601だ。
ロレックスのなかでも超定番のモデルであり、平凡過ぎるという意見も見られるものの、安定した性能とトータルバランスに優れた設計から、実用的なアンティークウオッチとして高い評価を得ているロングセラーシリーズだ。加えて、多彩なデザインのバリエーションや、経年による文字盤の変化など、個性的な個体が多く見つけられる点もデイトジャストの魅力と言える。
本個体は、もともとブラックミラーダイアル(艶のある黒文字盤)であったが、紫外線や湿気、経年によって塗料の表面が荒れ、独特な風合いの文字盤に変化している。表面には白い斑点が現れてその周辺がダークブラウンに変色しており、わずかに錆が浮いた鉄器を思わせる質感だ。こういった文字盤は、アンティークらしい時を重ねた風合いがマニアから珍重されている。

【写真の時計】ロレックス デイトジャスト。Ref.1601。SS×WG(36mm径)。自動巻き(Cal.1560)。1960年代製。128万円。取り扱い店/ムーンフェイズ
もちろん、これを“ただ劣化した時計”と捉える人も少なくはないかもしれない。だが、この色合いや質感には、本個体が過ごしてきた環境や時間、そして歴史が映し出されており、同じものは二つとして存在しない特別な魅力がある。
また、時分針には後年のデイトジャストでは採用されなくなったアルファ針が採用されており、この年代ならではのアンティーク感あふれるフェイスデザインが魅力的だ。
外装に注目すると、ロレックスが誇るステンレススチール製のオイスターケースに、ホワイトゴールド製のフルーテッドベゼルを組み合わせたデザインが特徴的だ。長年の使用に伴うキズや打痕、ケース研磨によるわずかなケース痩せが見られるため、コンディションにこだわる人は要チェックだ。
ブレスレットには、軽量かつしなやかな巻き込み式タイプが付属している。現行品の無垢材で構成されたブレスレットと比較すると、やや頼りない見た目をしているが、プラ風防を使用した軽量な本体を支えるには十分な耐久性を確保している。
ムーヴメントには自動巻きのCal.1560を搭載。同年代のデイトジャストやサブマリーナーなどに搭載され、多くのロレックスを支えた信頼性の高い名機だ。
無機物でありながらもどこか温かみを感じる、独特な文字盤が魅力的な1本である。ロレックスに限らず、自分好みの風合いに変化したエイジングダイアルをぜひ探してみてほしい。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎ムーンフェイズ

