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そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ロレックス
デイトジャスト Ref.1601
ロレックスと言えば、高級時計の代名詞として語られ、近年では中古品でも価値の下がりにくい資産価値から、転売を目的とした購入者が多いイメージが大きいかもしれない。しかし、その人気を築いたのは、防水性を高めるためのオイスターケースや、手巻きを必要としない自動巻きのパーペチュアル機構など、実用性と耐久性を重視した設計を積極的に採用した、ツールウオッチとしての歴史と信頼性の高さと言えるだろう。
今回紹介するのは、そんなロレックスが1970年代に製造したデイトジャスト Ref.1601だ。ホワイトゴールド製のフルーテッドベゼルとサイクロップレンズ、ステンレススチール製のジュビリーブレスレットが組み合わされた王道のスタイルで、状態の良いブルーの文字盤が爽やかな印象を与える1本だ。
文字盤や針のコンディションが年式のわりに非常に良好だが、それもそのはず。この個体は、ロレックスによって針と文字盤が交換された“サービスダイアル”を備えているからだ。

【写真の時計】ロレックス デイトジャスト。Ref.1601。SS×WG(36mm径)。自動巻き(Cal.1570)。1970年代製。72万8000円。取り扱い店/ムーンフェイズ
クリーム色に焼けたトリチウム夜光を好む人や、オリジナリティを重視する人にとっては、あまり好まれない仕様かもしれない。しかし、日常的な使用を考えるユーザーにとっては、まさにうってつけの個体と言えるだろう。
その理由のひとつが、夜光の剥がれに気を遣わずに済む点だ。トリチウムに限らず、製造から年数の経過した夜光塗料は湿気や紫外線によって劣化し、衝撃や振動で文字盤や針から剥がれ落ちてしまうことがある。そして、剥がれた夜光の粉がムーヴメント内部に入り込むことで、不具合を引き起こす可能性もある。だからこそ、本格的な実用を前提とする場合は、サービスダイアルという選択肢は大いにおすすめできるのだ。
また、アンティークウオッチに興味はあるものの、使用感の強い文字盤や経年変化による変色に抵抗感があるという人にとっても、サービスダイアルの個体は魅力的な選択肢であると言える。アンティークウオッチ初心者にもおすすめしやすい1本だ。
ムーヴメントには、シンプルな構造ゆえに故障やトラブルが少なく、現在でも名機として語り継がれているロレックスの自社製Cal.1570を搭載。腕時計の精度をつかさどるヒゲゼンマイに姿勢差が生じにくい巻き上げヒゲを採用し、従来の緩急針ではなく、テンプの外周に設けられたマイクロステラスクリューによって精度調整を行うなど、精度の向上を目的として先進的な設計を惜しみなく投入したキャリバーであった。
こういった技術を惜しみなく使用したロレックスの腕時計は、圧倒的な堅牢性を誇り、幅広いユーザーからの信頼を得ていったのだ。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎ムーンフェイズ