アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ヴァシュロン・コンスタンタン
ラウンド
今回紹介するのは、1970年代に製造されたヴァシュロン・コンスタンタンのRef.7811だ。世界3大時計のひとつであり、200年以上の歴史をもつ同ブランドの威厳を感じさせる、堂々とした風格の2針ドレスウオッチだ。
一見するとごく普通のステンレススチール製のシンプルなドレスウオッチに見えるが、本個体はなんと、ホワイトゴールドをふんだんに使用した金無垢時計なのだ。現行品のような、華美な装飾やひと目で高級時計だと分かるようなディテールがほとんどないため、一部のマニアを除けば、そもそもヴァシュロン・コンスタンタンの時計であるということに気づけないほどに地味なデザインなのだ。しかし、多くを語らない寡黙な紳士さが、アンティークの高級ドレスウオッチならではの魅力と言えるだろう。

【写真の時計】ヴァシュロン・コンスタンタン ラウンド。Ref.7811。手巻き(Cal.1014)。1970年代製。79万円。取り扱い店/黒船時計古酒店
ラウンド形のスムースなケース形状に黒のローマンインデックスとペンシル針など、必要最低限の要素のみで構成されたデザインは、時間に追われない、優雅なひと時を過ごす貴族にこそふさわしいと言わんばかりのエレガントさだ。防水性能をもたないケースについても、ハードなシーンでの使用を想定しないドレスウオッチならではの特徴だ。本個体のケースやプラ風防には小キズが見られるため、時計のコンディションにこだわる人は購入前に確認しておきたい。
ムーヴメントにはジャガー・ルクルト社製の薄型手巻きをベースとしたCal.K1014を搭載。高級時計にふさわしい、美しい仕上げと優雅な曲線を描くブリッジ分割が魅力的なムーヴメントだ。シースルーバックではないため普段はムーヴメントを鑑賞できないが、徹底した仕上げとジャガー・ルクルトの優れた設計によって優れた実用性を誇っている。
落ち着いて紳士的な印象を与える、ホワイトゴールド製の薄型手巻き2針のドレスウオッチに注目だ。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎黒船時計古酒店
