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セイコー製メカクォーツ搭載【クロノグラフ4種】10万円以下から価格別で厳選、機械式時計のような操作感とクォーツの利便性が魅力

海外のマイクロブランド(小規模な時計メーカー)が採用したことから注目を集めるようになり、近年は国内でも採用するブランドが登場しているセイコー製メカクォーツクロノグラフ。

10万円以下から10万円台まで、価格別で満足度の高いメカクォーツ搭載のクロノグラフを厳選して紹介しつつ、あらためてメカクォーツクロノグラフの魅力と特徴を説明したいと思う。


【編集部のイチオシ:メカクォーツ搭載クロノグラフ<10万円台>】

Furlan-MarriFurlan Marri(ファーラン・マリ)
カスターニャ

2025年に日本上陸を果たしたスイスの注目ブランド、ファーラン・マリのメカクォーツ搭載モデル。ダークブラウンとグレージュのツートンダイアルには、24時間計と60分積算計のほか、アプライドのブレゲ数字と立体的な時分針(サブダイアルの針も)を配置。目盛もプリントを重ねて肉厚に仕立てており、文字盤全体から価格以上の上質感を醸し出している。

小振りな38mm径のステンレススチールケースには、アンティークウオッチに見られるタスティ・トンディ(丸いボタン)スタイルのプッシュボタンを採用。先端がカーブしたクラシカルな針を備えるなど、時計のデザイン全体がアンティークからインスパイアされた意匠で統一されているのも魅力だ。

【問い合わせ先】
Furlan Marri Japan
TEL.03-6811-6076

【画像16枚】編集部の注目モデル4選、“メカクォーツ搭載クロノグラフ”のデザインを見比べる


【普通のクォーツと何が違う?】メカクォーツクロノグラフの魅力とは

今回の企画の核となるメカニカルクロノグラフ・クォーツムーヴメント、通称“メカクォーツ”と呼ばれるクォーツ式ムーヴメントをご存じだろうか。“メカクォーツクロノ”とは、簡単に言うと、機械式(メカ)とクォーツの特徴を両方備えたクロノグラフである。

端的に言うと、クロノグラフ機構にあたかも機械式(メカ)であるかのような動きを取り入れて、動力源は一般的なクォーツ式というムーヴメントを指している。では、機械式の動きとは具体的にどんなものかというと以下の三つとなる。

まず、“クロノグラフ計測秒針の動き”だ。通常のクォーツ式クロノグラフの場合は、中央にあるクロノグラフの計測用秒針は1秒ごとに動くステップ運針となるのが一般的。それがメカクォーツの場合は機械式のように滑らかに動くスイープ運針する。

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画像はクロノグラフの瞬時の帰零(ゼロリセット)機構を支えるセイコー独自の“三叉ハンマー”。クロノグラフ秒針、時、分積算針の同時帰零(ゼロリセット)を瞬時に行うとともに、耐久性やメンテナンス性をも高めた画期的なパーツ。セイコーの機械式クロノグラフにも採用されているもので、メカクォーツクロノのVKシリーズも採用する。

次に、“計測針類のゼロリセット”。クロノグラフ計測後にその計測針を12時位置にリセットをする場合、通常クォーツクロノは、4時位置のリセットボタンを押すとゆっくり自動回転して帰針する。対してメカクォーツは機械式クロノグラフのように、リセットボタンを押すと同時に「カチッ」と瞬時に針はゼロリセットされる。これは機械式クロノ機構と同じくリセットハンマー(写真参照)によって制御しているためである。

三つ目は“スタート&ストップボタンのクリック感”。クロノグラフ計測針を作動・停止させる2時位置のスタート・ストップボタン。機械式クロノでそれを押すと「カチッ」という音とともにクリック感が指に伝わる。これはメカクォーツにはあるが一般のクォーツクロノにはない。


【編集部のイチオシ:メカクォーツ搭載クロノグラフ<10万円以下>】

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■SS(36×41.5mmサイズ)。5気圧防水。メカクォーツ(Cal.VK68)。7万4800円

BREW WATCH(ブリュー・ウォッチ)
メトリック レトロダイヤル

2025年に日本上陸したアメリカ・ニューヨーク発の時計ブランド“BREW WATCH(ブリュー・ウォッチ)”。ブランド名は“コーヒーを入れる”という意味のBREW(ブリュー)が、その由来となっている。

さらにコレクションのデザインモチーフも、コーヒーと縁が深いエスプレッソマシンが源泉だ。エスプレッソマシンがもつメカニカルかつメタリックな質感、どこか温かみを感じさせる丸みを帯びたディテールをデザインに落とし込み、様々なイマジネーションを膨らませ、腕時計のコンセプトとして練り上げている。写真の“メトリック”シリーズは、1970年代デザインのスタイリングからインスピレーションを得た定番モデルだ。

特徴的なのが文字盤に配置された大きさの異なる二つのサブダイアルだろう。一般的な二つ目のクロノグラフはサブダイアルを並列で配置するが、本作は12時位置にスモールセコンド、9時と10時の間に60分積算計を配置。アシンメトリーなバランスが、マットなブラック文字盤にアクセントを加えている。

【問い合わせ先
チックタック池袋パルコ店
TEL:03-5391-8376

オンタイム渋谷ロフト店
TEL:03-5458-3076


【編集部のイチオシ:メカクォーツ搭載クロノグラフ<10万円以下>】

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■Ref.YK20243-1WH。SS(37.8mm径)。3気圧防水。メカクオーツ(Cal.SEIKO VK64)。5万5000円

OUTLINE(アウトライン)
2レジスタークロノ シリーズ Ⅲ (パンダ)

SEIKO製メカ・クォーツクロノ・VK64を搭載した2レジスタークロノの第3弾。デザインのモチーフとなったのは前作と同様にポールニューマンの愛称で知られる手巻きの傑作クロノグラフ。その中でもネジ留め式のプッシュボタンを採用してクロノグラフでありながら当時50m防水を実現した実用クロノの傑作と呼ばれる70年代の第3世代を再現している。

文字盤に立体感をもたせるために、二つのインダイアルは文字盤の面よりも1段下げて、細かな同心円状の装飾を施している。また、文字盤外周にある分目盛りは時計愛好家の間で「赤巻き」と呼ばれているレッドプリンを採用。70年代のオリジナルの象徴的なディテールだ。

裏ブタからベゼルまでのケース厚は11.9mm、ドーム形風防を含んでも13.1mmとオリジナルに近いサイズを実現。プッシュボタンも当時と同じネジ留め式を採用し、さらに1950年代にロレックスが採用していたリベットブレスも忠実に復刻されている。リベットの頭に溝がある四つのコマは、マイナスドライバーを使えば自分自身でコマ詰めが可能だ。

【問い合わせ先】
シーズ・ファクトリー
TEL.03-5562-0841


【編集部のイチオシ:メカクォーツ搭載クロノグラフ<10万円台>】

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■Ref.77001A45。SS(38mm径)。20気圧防水。メカクオーツ(Cal.SEIKO VK67)。13万2000円

Nivada Grenchen(ニバダ・グレンヒェン)
クロノスポーツ メカクォーツ(サンド)

1970年代にわずか20本のみ製造した幻のプロトタイプ“Chrono sport(クロノスポーツ)”を、現代的なスペックで復刻したモデルのメカクォーツ仕様。マットなテクスチャーのブラック文字盤に、アール・デコ調のサブダイヤルを組み合わせて、レトロな華やかさを演出。イエローのドットをあしらったフルーテッドベゼルと、クラシカルなダブルドーム型サファイアガラス風防を採用している。

先端にスーパールミノバを設置したインデックスも70年代のオリジナルモデルから意匠を継承。スーパールミノバは、エイジングしたトリチウム夜光の質感を想起させるクリーム色に仕上げられており、ヴィンテージテイストを高める効果を発揮している。

サイズは現行のクロノグラフとしてはコンパクトな38mm。ドーム型サファイアガラス風防と、12時位置にクリーム色のドットを配した両方向回転ベゼルを合わせ、70年代のディテールを忠実に再現している。ブレスレットに向けて急角度で傾斜を設けたオーバルケースも当時のフォルムを踏襲しており、実にアイコニックだ。

【問い合わせ先】
エイチエムエスウォッチストア 表参道
TEL.03-6438-9321

【画像16枚】編集部の注目モデル4選、“メカクォーツ搭載クロノグラフ”を別アングルから見る


機械式クロノグラフはメカニカルな雰囲気が強くとても魅力的だが、高価なうえにデリケートな部分もあるため、毎日ガンガン着けるのは気が引ける。その点、メカクォーツ式であれば比較的安価で、使い心地も機械式クロノグラフウッチの雰囲気を味わえる。

しかも時計自体は機械式に比べてもかなり軽くなるため日常使いとして手軽に楽しむことができるわけだ。国内のブランドで使われる例は少ないが、時計好きにこそ、おすすめしたいアイテムだ。

 

構成・文◎船平卓馬(Watch LIFE NEWS編集部)

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