LowBEAT magazine 最新入荷情報

【どシンプルだけどそれが良い!】“精度・巻き上げ効率・耐久性”を両立させた重厚な設計が魅力のオールドインターに注目

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


IWC
ウオータープルーフ オートマチック

今回紹介するのは、1960年代前半に製造されたIWCの自動巻きモデルだ。

具体的なモデル名は存在しないものの、パールドットのミニッツマーカーや砲弾型インデックスを採用した、当時のIWCらしい文字盤デザイン、そしてステンレススチール製の重厚なケースなど、アンティークのIWC、通称オールドインターならではの魅力が存分に詰まった1本である。

ケース径は34mm。現代の基準から見ればかなり小振りな部類に入るが、アンティーク時計の中では標準的なサイズと言えるだろう。加えて本個体は、当時の時計としては珍しくラグ幅20mmという大型サイズを採用している。どっしりと構えた重厚感のあるラグ造形のため、幅広のベルトと相まって腕元で十分な存在感を発揮してくれるはずだ。
何より、現在では使われなくなった奇数幅のベルト幅を採用しているアンティークウォッチが多い中、現代でも選択肢が豊富な20mm幅のベルトを使用できる点は、ベルトコーディネイトを楽しむマニアにとってたまらないポイントだろう。

また、スナップバック式ではあるものの、裏ブタ内側にパッキンを噛ませる構造の防水ケースを採用していたためか、ムーヴメントにはサビや腐食も見られず、非常に良好なコンディションを維持している。

【写真の時計】IWC ウオータープルーフ オートマチック。SS(34mm径)。自動巻き(Cal.853)。1960年代製。55万円。取り扱い店/プライベートアイズ

【画像:文字盤や針、重厚な設計のムーヴメントを見る(全6枚)

ムーヴメントには、1958年に登場した自動巻きのCal.853を搭載。1952年に登場した同社のCal.852をブラッシュアップしたムーヴメントで、ペラトン式の巻き上げ機構や巻き上げヒゲ、微調整緩急針などは受け継ぎつつ、テンワのアミダ外周部に精度調整用の錘を追加するなど、精度向上のための工夫が盛り込まれた設計が特徴だ。

自動巻き腕時計の製造・設計技術が完全に成熟しきっていなかった1950年代後半から60年代初頭にかけて、腕時計メーカー各社は、自動巻き機構において重要視される“精度・巻き上げ効率・耐久性“の3要素を両立させることに苦戦していた。

これら3つの要素を同時に実現するのは困難で、巻き上げ効率を重視すれば耐久性が落ち、精度と耐久性を重視すれば巻き上げ効率が犠牲になるなど、明確なトレードオフの関係にあったため、多くのメーカーが開発に難航していたのだ。
もっとも、ムーヴメントの厚みやサイズを度外視すれば比較的容易に解決できる問題ではあったが、それでは腕時計としての実用性が損なわれてしまうため、一般的には広く普及しなかった。

そんな中、精度に優れたベースムーヴメントと、巻き上げ効率および耐久性に優れたペラトン式巻き上げ機構を組み合わせることで、IWCは精度・巻き上げ効率・耐久性の3要素を見事なバランスで実現した。
さらに、IWCが開発したペラトン式機構は、細く折れやすいローター軸を保護するショックアブソーバーを備えており、ある程度の耐衝撃性を確保していた点も注目に値する。

ムーヴメントに厚みこそあるものの、実用性を重視した自動巻き時計として非常に高い完成度を誇るアンティークIWCの自動巻き。その魅力に、ぜひ注目してほしい。

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文◎LowBEAT編集部/画像◎Wプライベートアイズ

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