LowBEAT magazine 最新入荷情報

【傍から見れば平凡な3針時計?】多くを語らない硬派なデザインのIWCの実用派アンティークウオッチ

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


IWC
クッション デイト

今回紹介するのは、1969年に製造されたIWCのクッション デイトだ。
シルバーの文字盤にセンターセコンドの3針とデイト表示を組み合わせた、非常にシンプルな構成の1本である。クッション形のケースは、35mmという控えめなサイズ感ながら存在感があり、バーインデックスを採用したオーソドックスなデザインは視認性と美観を両立し、時代を超えて愛されるIWCらしい完成度を感じさせる。

IWC製であるということを知らなければ、ごく普通のアンティークウオッチにも見えてしまうほどシンプルなデザインだが、その平凡さこそが本作の魅力とも言えるのではないだろうか。ブランドネームやブランドアイコンとしての要素、あるいはデザインが過度に主張していないからこそ、その時計が持つ本来の質感の良さを、フィルターを通さずに直接感じ取ることができるのだ。

【写真の時計】IWC クッション デイト。Ref.R819AD。SS(35mm径)。自動巻き(Cal.8541B)。1969年製。22万円。取り扱い店/モンテーヌサカエチカ

【画像:文字盤や針、繊細なロゴプリントを見る(全5枚)

筆者自身も、有名ブランドの時計を購入したことがあるものの、ブランドネームやそのヒストリーばかりが主張してしまい、その時計本来が持つ質感の良さを十分に感じられなかったという体験をしたことがある。もちろん、これは決して悪いことではない。しかし筆者の場合、ブランドという色眼鏡を外して見てみると、案外それほど良いものではなかったという苦い経験でもあった。そのため、時計を選ぶ際に限らず、モノとしての作りの良さを俯瞰して確かめる行動の重要性を再認識する出来事となった。

そういった点を踏まえて改めて本個体を見直すと、シンプルながらも装着性を重視したケース形状や、立体的に成形された秒針や時分針、繊細なロゴプリントなど、あっさりとした味付けのなかにも、噛み締めるほどに素材の良さが滲み出るような深みのある造形が各所に取り入れられていることが分かる。

搭載するムーヴメントも、精度と耐久性を重視した堅牢な設計のCal.8541Bを採用しており、実用時計としての完成度をより一層高めている。シースルーバックではないためムーヴメントの動きや仕上げを直接確認することはできないが、厚みのある部品や丁寧な装飾が施された地板を見ただけでも、名機と呼ばれる理由を感じ取れるはずだ。

また、本個体が販売されていた1960~70年代当時を知る業界人によれば、国産の高級時計と比較しても非常に高価であり、一般の人にはとても手が届かないほどの高級品であったと語られている。そんな時計が現在では現実的な価格で手に入る点も、アンティークならではの魅力と言えるだろう。

全体のコンディションに注目すると、ケース全体に研磨が施されており、目立ったキズや打痕は見られない。また、秒針の表面にメッキの腐食が見られるため、コンディションにこだわる人は要チェックだ。

高級品でありながらも、それをひけらかさない慎ましさを兼ね備えたIWCのアンティークウオッチに、ぜひ注目してみてほしい。

【LowBEAT MarketplaceでほかのIWCの時計を探す

 

 

 

文◎LowBEAT編集部/画像◎プライベートアイズ

次のページへ >

-LowBEAT magazine, 最新入荷情報

PHP Code Snippets Powered By : XYZScripts.com