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【短命に終わった自動巻きの名機】パテック フィリップRef.3415|Cal.12-600AT搭載した実用派ドレスウオッチ

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


パテック フィリップ
Ref.3415

今回取り上げるのは、1950年代末から1960年頃にかけて製造された、パテック フィリップのRef.3415だ。

1953年に登場した同社初の自動巻き腕時計Ref.2526と同じCal.12-600 ATを搭載するラウンドケースのモデルである。防水性に配慮したスクリューバック構造と名機Cal.12-600 ATを組み合わせた、同社のヴィンテージ自動巻きモデルの中でも興味深い一本だ。

35mm径のコンパクトなケースは18金イエローゴールド製。フラットなベゼルと、やや太めで腕に沿うようなカーブを描くラグが特徴的だ。1950年代のクラシカルな造形から、1960年代のモダンで洗練されたケースデザインへと移行する時代の空気を感じさせる。スクリューバックを採用したケース構造と、手首に沿うようにカーブしたラグの組み合わせも、このモデルの魅力の一つだ。

【写真の時計】パテック フィリップ。Ref.3415。K18YG(35mm径)。自動巻き(Cal. 12-600AT)。1950代末~60年頃製。352万円。取り扱い店/喜久屋商事 時計部

【画像:18金無垢のケースやムーヴメントの状態を見る(全6枚)】

コンディションにも注目したい。ヴィンテージの金無垢時計では、過度なポリッシュによってケースの輪郭が丸まり、エッジが失われている個体も見られる。その点、今回の個体はケース本来の造形が比較的よく保たれている。

ヴィンテージらしい趣を感じさせるボンベダイヤルには、6時位置にスモールセコンドを配置。立体的なバトンインデックスとシャープなペンシル針の組み合わせが、シンプルな文字盤に表情を与えている。リューズにはPPロゴが刻印されており、細部にもブランドの個性が表れている。

内部に収められているのは、パテック フィリップ初の自動巻きムーヴメントとして知られるCal.12-600 ATだ。18金製のローターには精緻な装飾が施され、調整機構には同社独自のジャイロマックステンプを採用。スワンネック式にも似た緩急調整機構も備え、1950年代の高級自動巻きムーヴメントを代表する存在として、現在も高く評価されている。

半世紀以上の年月を経た時計だけに、使用にあたっては相応の配慮が必要だ。スクリューバックは防水性に配慮した構造だが、現代の防水時計と同等の性能を保証するものではない。パッキンなどの劣化によって水分が侵入するおそれもあるため、水濡れを避けて使用したい。また、部品の入手や適切な修理対応が難しい場合もあるため、ヴィンテージ時計の整備に精通した時計師に状態を確認してもらい、必要に応じてオーバーホールを行うことを推奨する。

歴史的なCal.12-600ATの滑らかな巻き上げと、洗練されたケースデザイン。派手な過飾に頼らない、同社のものづくりの誠実さを客観的に実感できるタイムピースだ。

【LowBEAT Marketplaceでほかのパテック フィリップの時計を探す】

 

 

文◎LowBEAT編集部/画像◎喜久屋商事 時計部

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