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【要チェックブランドは?】開催が迫るアンティーク時計フェアで狙い目のブランドを紹介!“マニア編”

明日8月2日(金)・3日(日)に開催が迫るアンティーク時計フェアin銀座。今回はこのフェアでぜひ確認しておきたいブランドの魅力を紹介する。



注目ブランド1【ロンジン】

現在はスウォッチグループ属し、中堅クラスのブランドとして位置づけられているロンジン。だが、かつてはクロノグラフや軍用時計を数多く手がけてきたスイスの名門ブランドとして名を馳せていた。

ロンジンの堅牢さと高精度を追求した時計作りは高く評価されており、大戦中の旧日本軍パイロットもロンジンの腕時計を使用していたという逸話も残るほどだ。おすすめのモデルは定番の手巻き時計である通称“トレタケ”や、フライバック機構を備えたクロノグラフであるCal.30CH搭載モデル、ロンジン初の自動巻きコレクションであるコンクエストや、ハイビートムーヴメントが特徴的なウルトラクロンなどが挙げられる。ロンジンの製品は全般的に完成度が高く、整備さえ行われていれば、どの時計であってもおすすめできる。

【写真の時計】ロンジン センターミニッツカウンター。SS(37.5mm径)。手巻き(Cal.12.68Z)。1940年代製。360万円/取り扱い店:キュリオスキュリオ

【画像:注目ブランドのアンティーク時計を見る(全6枚)


注目ブランド2【セイコー】

1881年に服部金太郎が開業した服部時計店から始まり、いまや世界有数のマニファクチュールブランドへと成長を遂げたセイコー。1960年代にはスイスの天文台クロノメーター コンクールに参加し、67年には2位を獲得するほどまでに成長していた。そんな同社は、実用性と精度に優れた製品を数多く輩出し、日本の時計業界を支える存在であった。とりわけ60年代から70年代にかけて生産された機械式腕時計の完成度は非常に高く、いまなお名作として語り継がれる腕時計が数多く登場した。

その中でも、フラッグシップモデルとして販売されていたグランドセイコーやキングセイコーは、外装、ムーヴメントの完成度が非常に高いため、万人におすすめできる。また、スピードタイマーやダイバーズウオッチなど、スポーツモデルも充実しているため、自分好みのデザインを見つけやすいのも嬉しいポイントだ。一方でセイコー独自の自動巻き機構であるマジックレバーを採用したマチックシリーズやファイブスポーツなども、手ごろな価格で楽しめるモデルが多く、ビギナーにもおすすめしたい。また、クォーツ式腕時計のパイオニアでもある同社のクォーツムーヴメントを搭載した70年代から80年代にかけての製品も高品質であるため要チェックだ。


注目ブランド3【シチズン】

1918年に創業し、国産の他メーカーと開発競争を重ねながら成長を続け、国産腕時計の実用性を高めてきたシチズン。戦後は耐衝撃装置のパラショックや防水機能のパラウォーターなどを積極的に採用することで、よりいっそう実用的な腕時計を開発していた。薄型手巻きのデラックスや外周式自動巻きローターを採用したジェット、グランドセイコーに対抗するために製造されたシチズン クロノメーターや国産メーカーで初めてクリスタルガラスを採用したクリスタルセブンなど、数多くの名作を生み出してきた。

どうしてもセイコーの陰に隠れがちな同社だが、海外メーカーにも劣らない外装デザインや合理的な機械設計など、同じ腕時計であってもセイコーとは異なったアプローチが魅力的だ。
注目のモデルは、高精度を追求したシチズン クロノメーターやクロノマスターシリーズ、防水性を高めたパラウォーターケースを採用したモデル全般、頑丈なことに定評のあるホーマーシリーズなどが挙げられる。また、自動巻きムーヴメントも独特であり、外周式ローターのジェットやクリスタルセブン、レオパールなど、魅力的なモデルが豊富にあるため、ぜひ探してみてほしい。


注目ブランド4【オリエント】

国産メーカーの三男坊として語られることの多いオリエント。ムーヴメントの技術面ではセイコー、シチズンに遅れをとっていたため、薄型のムーヴメント開発や外装に注力した大胆なデザインの腕時計を数多く生み出したブランドだ。
おすすめのモデルは、手巻きのオリエント グランプリやグランプリスペシャル、スイマーなどの正統派デザインから、奇抜なカットガラスが目を引くクロノエースやハイエース。スポーツ系デザインのキングダイバーやオリンピアカレンダーなどが挙げられる。


注目ブランド5【ティソ】

現在はスウォッチグループのエントリーグレードに位置しており、手ごろな時計を数多く手がけているティソ。アンティーク市場では高品質なモデルが数多く存在し、海外を中心にコアなファンが多いブランドだ。かつてはオメガと姉妹会社のような関係にあり、1930年にオメガと合併し、SSIHを設立していた。そのため、一部モデルではオメガとムーヴメントを共用したものも存在している。その後、このグループにレマニアも参入することで、レマニアのクロノグラフムーヴメントを搭載したモデルも登場する。

注目のモデルは、1930年に発表された世界初の耐磁時計“アンチマグネティック”や手巻きのクロノグラフ、防水ケースが特徴的なシースターシリーズやPR516など、日常生活での使用に最適なスペックを備えた時計が多い。アンティークウオッチの実用を考えているユーザーにはぜひチェックしてもらいたいブランドだ。


注目ブランド6【エテルナ】

現在、数多くの自動巻き腕時計に搭載されているETAベースのムーヴメントだが、その始祖とも呼べるムーヴメントを開発したのがエテルナだ。自動巻きローターの軸にボールベアリングを世界で初めて採用したことで知られ、後のETA2824やETA2892キャリバーに大きな影響を与えている。このほかにも、第2次世界大戦中のイギリス陸軍に軍用時計を納品しており、W.W.W.シリーズ、通称“ダーティ・ダース”を製造した1社としても有名だ。また、チェコスロバキア空軍にも軍用時計を納品していた。
注目のモデルは、自動巻きのエテルナマチックやW.W.W.シリーズ、防水機能を強化したコンチキなどが挙げられる。


注目ブランド7【ジャガー・ルクルト】

19世紀の始めに創業した高級時計の製造ブランドで、数々の発明やパーツを開発してきた。現在まで同社を代表するモデルとして、レベルソやメモボックスなど、アイコニックなモデルが数多く存在している。ラグジュアリーな印象を受けるブランドだが、かつてはイギリス陸軍向けにW.W.W.、通称“ダーティ・ダース”の製造を担う1社として軍用時計を納品していたのだ。アンティークのジャガー・ルクルトには、シンプルで繊細でありつつも、実用的な時計が数多く存在していた。

その中でも注目のモデルは、アラーム機能を備えた手巻き、もしくは自動巻きのメモボックスシリーズや、バンパー式自動巻きのムーヴメントを搭載したモデルなど、多岐にわたる。製造された当時の、修理しながら使い続けるという設計思想が反映された堅牢なムーヴメントは、アンティークならではの魅力と言えるだろう。

 

【アンティーク時計の即売会が8月2日・3日に銀座で開催!

 

 

 

文◎LowBEAT編集部

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