アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ロレックス
デイトジャスト Ref.1601/3
今回紹介するのは1972年頃に製造されたロレックスのデイトジャストだ。
ベゼルやリューズ、ブレスレットの中央列にイエローゴールドをちりばめたコンビカラーと、海外のコレクターからは“リネンダイアル”とも呼ばれるモザイク文字盤が魅力的な個体だ。また、文字盤の6時位置にはσ(シグマ)マークもプリントされており、文字盤の一部に貴金属が使用されている、希少な仕様の“シグマダイアル”であることがわかる。
こちらはオイスターケースにフルーテッドベゼルを組み合わせた王道のケースデザインだが、ベゼルの仕様や文字盤のバリエーションなど、豊富なデザインの中から好みの個体を探すことができる点がデイトジャストの魅力と言えるだろう。

【写真の時計】ロレックス デイトジャスト。Ref.1601/3。SS×YG(36mm径)。自動巻き(Cal.1570)。1972年製。82万5000円。取り扱い店/サテンドール
文字盤にはシミや腐食、目立ったキズは見られず、非常に良好なコンディションを維持している。文字盤やアワーマーカーに配されたトリチウム夜光はクリーム色に変化しているものの、剥がれや欠けは見られない。
ケースのコンディションに注目すると、側面や裏ブタに打痕やキズが見られ、やや使用感を感じる状態だ。しかし、過度な研磨は施されておらず、本来のケースシェイプを維持している。
36mm径の小振りなケースには、高い防水性能を誇るオイスターケースを採用。ネジ込み式リューズは気密性を高める一方で、度重なる操作によりネジ山が摩耗するおそれもあるが、ロレックスが誇るCal.1570の携帯精度と、高効率な巻き上げ機構“パーペチュアル”との組み合わせにより、手巻きや時刻合わせといった操作回数を最小限に抑えることができる点は見逃せないポイントだ。
もちろん、製造から半世紀近くが経過しているため、当時ほどの防水性は期待できないが、裏ブタやリューズ周りのパッキン、場合によってはリューズチューブを交換し、防水検査を行うことで、現在でも日常使用に耐えうる防水性を確保できるだろう。とは言え、水気や湿気、高温多湿な環境下での使用には注意が必要だ。
ムーヴメントには20年以上にわたって製造され続けたCal.1570を搭載。信頼性と耐久性に優れたムーヴメントであり、流通量の多さから今後のメンテナンスについても比較的安心できる。長期にわたって使用するためにも、時間の進みや遅れ、自動巻きローターからの異音、リューズ操作の違和感を覚えた際には早期のメンテナンスをおすすめしたい。
プラスチック風防を採用した柔らかみのある表情や、巻きブレスとも呼ばれるしなやかな構造のブレスレット、エッジの立ちすぎていないケースなど、どこか脱力感のある風合いが親しみやすさを感じさせるデイトジャストに注目だ。
【LowBEAT Marketplaceでほかのロレックスの時計を探す】
文◎LowBEAT編集部/画像◎サテンドール
