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【まるで宇宙船の計器類のような近未来感】スペースエイジデザインが特徴的なオメガのダイナミックに注目

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


オメガ
ジュネーブ ダイナミック

今回紹介するのは、1969年に製造されたオメガ ジュネーブのダイナミックだ。その名が示すとおり、紺色の文字盤に描かれたホワイトのサークルと、放射状に長く伸びる集中線のようなミニッツマーカーが、強い近未来的雰囲気を感じさせるデザインとなっている。
ケースデザインにはオーバル形が採用されており、この大胆な文字盤デザインと相まって、60〜70年代のSF映画に登場する宇宙船の計器類を思わせる独特の佇まいに仕上げられている。

【写真の時計】オメガ ジュネーブ ダイナミック。Ref.166.039。SS(37×40mmサイズ)。自動巻き(Cal.565)。1969年製。21万8000円。取り扱い店/ジャックロード

【画像:独特な形状のケースや特殊なブレスレットの固定部分を見る(全5枚)

そして、このダイナミック最大の特徴が、裏ブタを持たないワンピースケースを採用している点だ。一見すると裏ブタ側にスクリューバック用の工具を掛けるような6点の溝が確認できるため、ネジ込み式裏ブタと勘違いしてしまいそうだが、実はこれは専用のベルトやブレスレットを固定するためのリテーナー(留め具)として機能している。
今回紹介する個体には純正のステンレススチール製ブレスレットが装着されているためわかりづらいが、この固定リングを緩めることで、ラグと一体化したリング状のパーツが外れる構造となっている。気になった方はぜひ調べてみてほしいが、レザーベルト仕様の場合は今回の個体のようなラグが存在せず、ケース裏面から直接ベルトが伸びているような、よりミニマルな外観となる。

ワンピースケースは、風防を外して文字盤側からムーヴメントを取り出すフロントローディング構造となっており、構造上、気密性や防塵性を高めやすいという特徴がある。そのため、当時はスポーツユースを意識したモデルにも多く採用されていた。
一方で、ワンピースケースの整備には専用工具と確かな技術が必要で、適切な環境が整っていない場合には文字盤や針、ケースにダメージを与えてしまう恐れもある。修理やオーバーホールを依頼する際は、こうした構造に精通した実績のある時計店に任せることを推奨したい。

ムーヴメントには、オメガの名機として知られる560系のCal.565を搭載。クロノメーター仕様のコンステレーションに採用されていたキャリバーと同系統の設計で、日常使用に十分な精度と高い耐久性を兼ね備えたムーヴメントだ。
ただし、潤滑油が乾いた状態で使用を続けると、自動巻きローター周辺を中心に深刻な摩耗や部品破損を引き起こす可能性がある。精度が安定しない場合や、時計を振った際に異音を感じた場合は、早めに時計店での点検・整備を行うことをおすすめする。

端正で真面目なフェイスデザインのモデルが多いアンティークオメガの中にあって、このダイナミックは圧倒的な個性を放つ存在だ。時代背景を色濃く反映したスペースエイジデザインを楽しめる1本として、ぜひ注目してほしい。

 

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文◎LowBEAT編集部/画像◎ジャックロード

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