【ロレックス】通信 No.012|20万円台から買える!? ドレス系アンティーク《第2回》|オイスター・パーペチュアル編

 1回目の前回は手巻き式の機械を搭載したオイスターモデルを取り上げたが、2回目の今回は、自動巻き式を搭載する、オイスター・パーペチュアル、オイスター・パーペチュアル・デイト、そしてオイスター・パーペチュアル・エアキング(以降エアキング)の3シリーズについて解説したいと思う。

 さて、このオイスター・パーペチュアルには、ロレックスが開発した自動巻きムーヴメントの第2世代に当たる1950年(異説あり)に誕生した1000系の機械を採用したモデルもあるが、ここでは、その1000系をベースにブラッシュアップされ、ロレックスが誇る自動巻きムーヴメントの基本形がこれによって完成されたと言われるほどの傑作、1500系を搭載したモデルに絞って紹介させていただく。

 なお、この1500系について、なぜ傑作と言われるほど評価されるのかについては、この記事の最後に簡単に触れたい。

「オイスター・パーペチュアル」

[型番]Ref.1007。[製造年代]1960年代前半〜70年代。[ケース径]34mm。[ムーヴメント]自動巻きCal.1560→Cal.1570。[価格相場]20万円台〜50万円台。「ロービート No.5」より

 ロレックスの自動巻きモデルのなかで、デイト表示もない最もベーシックな入門機と言えるだろう。

 搭載されている自動巻きムーヴメントは、クロノメーター仕様で当時のエクスプローラーが搭載するムーヴメントのキャリバーナンバーと同じ、毎時1万8000振動のCal.1560だ。後に毎時1万9800振動にアップした1570に移行されている。

 写真のエンジンターンドベゼルを使用したRef.1007以外にも1002、1003、1005、1008(アメリカ市場向けゼファー)、1013(36mmのビッグオイスター)、1014(金張りケース)、1018(36mmのビッグオイスター)といった様々なバリエーションが存在する。そのためレファレンスによっても相場はバラバラだが、ベーシックなタイプで30万円台ぐらいでの流通が多いようだ。

「オイスター・パーペチュアル・デイト」

[型番]Ref.1500。[製造年代]1960年代前半〜70年代。[ケース径]34mm。[ムーヴメント]自動巻きCal.1565→Cal.1575。[価格相場]20万〜40万円台。「ロービート No.5」より

 先に紹介したオイスター・パーペチュアルにデイト表示機能が追加されて1960年代に登場。主力となるスチールモデルのポリッシュベゼルタイプ(写真)、Ref.1500のほかにエンジンターンドベゼルのRef.1501、さらには18金無垢モデルもラインナップしていた。

 ムーヴメントはデイトジャストと同じクロノメーター仕様で毎時1万8000振動のCal.1565。ただ、このデイト表示には当初デイトジャスト機構が装備されていなかった。70年前後から毎時1万9800振動のCal.1575に変更。この頃からデイトジャスト機構も装備されるようになったと言われる。比較的に流通量も多くコンディションやベーシックな文字盤のものは20万円台でも流通している。

「エアキング」

[型番]Ref.5500。[製造年代]1950年代後半〜90年頃。[ケース径]34mm。[ムーヴメント]自動巻きCal.1530→Cal.1520。[価格相場]30万〜50万円。「ロービート No.5」より

 エアキングのRef.5500というこのレファレンスは、1950年代後半に登場した後90年頃まで約30年も使われたロングセラーだ。また、派生モデルとして金メッキケース(5502、5506)、金無垢(5520)やBIGエアキング(5504)、同じレファレンスにもかかわらずエアキング名ではない個体もあるなど、イレギュラーモデルも複数存在するため謎が多いことでも知られる。

 初期のモデルにはクロノメーター仕様ではない毎時1万8000振動のCal.1530。その後60年代半ば頃に同じくノンクロノメーターの毎時1万9800振動のCal.1520に変更された。実勢価格は30万円台〜50万円台で、程度がいいと40万円台ぐらい。

「エアキングデイト」

[型番]Ref.5700。[製造年代]1960年代後半〜90年頃。[ケース径]34mm。[ムーヴメント]自動巻きCal.1535→Cal.1525。[価格相場]30万〜60万円。「ロービート No.5」より

 エアキングにデイト表示が付いた派生モデルとして1960年頃に登場したと言われるエアキングデイト。市場に出回ることが少ないため通常のエアキングよりも相場は割高となっている。

 オールスチールのほかにベゼルとブレスレットの中コマのみに14金イエローゴールドを使用したコンビモデルのRef.5701の二つのレファレンスが存在する。

 自動巻きムーヴメントはCal.1530にカレンダー機構が付いた毎時1万8000振動の1535。その後に毎時1万9800振動の1525に変更された。ちなみにデイト表示にデイトジャスト機構は装備されていない。

メンテナンス性と耐久性が格段に向上した傑作機、Cal.1500系

1500系自動巻きムーヴメント。ルビーカラーの二つのリバーシングホイール(切り替え車)が採用されたことでゼンマイの巻き上げ効率が格段に向上。それによって回転ローターも薄くすることが可能となった。写真は1500系の完成形と言われるCal.1570。毎時1万9800振動、26石

 1950年に登場した1000系は、自動巻きムーヴメントとして世界で初めて両方向巻き上げ式を採用したロレックスの第2世代機。1500系はその進化版として57年に誕生した。大きなテンプを採用、ゼンマイの入る香箱も大型化し、トルクの大きなゼンマイを使用することで精度をより高めている。

 ローターがどちらの方向に回転してもゼンマイが巻き上がるようにする切り替え車(リバーシングホイール)に硬化処理(ルビー色のもの)を施したアルミニウムを採用することで、摩耗に対する耐性もしっかりと高められている。

 さらにCal.1560からは歩度調整用にマイクロステラスクリューを採用。「ステラ」つまり星形のネジを出し入れすることで歩度を調整する独自の機構によって、高い精度を出しやすくなったと同時に、メンテナンス性も大幅に改善された。ベースキャリバーはCal.1530。

 なお、カレンダー機能が付いた場合のムーヴメント番号は、Cal.1530→1535というように、すべて末尾が5に置き換わる。よって、本記事ではそれに倣って表記している。

さて、次回は最終回として「デイトジャスト」をお届けする。

文◎菊地吉正(編集部)/写真◎笠井修

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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