ドイツ時計

秀逸なディテールワークに注目。ランゲの新作“オデュッセウス”の真価を探る【Vol.02】

 2019年10月24日にA.ランゲ&ゾーネから発表された新作“オデュッセウス”。
 前回記事では、このバックボーンについて考察したが、今回はその“造形”にフィーチャーし、その魅力を深掘りしていきたい。


 

【Molding】

 本作における最たる特徴が、ブレスレットを含めステンレンススチール製であることだ。かつ、A.ランゲ&ゾーネは本作にスポーティウオッチとしての高い実用性をもたせるため、様々な工夫を凝らした。

 まずケースについて見ていきたい。
 ベゼル、ミドルケース、そして裏ブタで構成される3ピース構造は従来に同じである。だが、本作ではリューズと裏ブタにネジ込み式を採用し、12気圧防水を実現している点が大きな特徴だ。

 ここで気になるのはケースサイズだろう。
 ドイツブランドらしい重厚感な作りとなったモデルが多い同社では、比較的ケースに厚みをもたせる傾向があるが、本作においては防水時計としては標準的な11.1mm厚に留めている。ちなみに比較としてアイコンであるランゲ1を例に挙げると、同作のケース厚は9.8mm。防水時計でありながら、ランゲ1よりもわずかに厚い程度だ。
 またケース径は大きく見えるが、実際には40.5mmしかない。腕元で存在感を発揮しつつも、快適な装着感を両立する適度なサイズである。

オデュッセウスでも、同社のプロダクトにおける特徴的なディテールである“根元を絞ったラグ”(右はランゲ1)を踏襲。より立体感を強調したフォルムとなっている

 続いて注目したいのは、リューズ側の稜線状フォルムである。
 中央部分が少し突出したこの部分は、日付け表示と曜日表示の調整ボタン(詳細は次回解説)なのだが、その独特な造型がオデュッセウスに強い個性を与えている。

突出した部分にブラシ仕上げを施すことで、ケースの立体的なフォルムがいっそう際立っている

 そして本作において、ある意味最も注目したいのが同社初の“スチール製ブレスレット”だ。

 コマの一つひとつにブラシをかけてツヤを消し、さらに角に面取りを施すなど、細部まで丁寧に仕上げられた点はケースに同じである。ラグジュアリーな雰囲気が強い5連のブレスレットだが、ある程度の厚みを与えるなど耐久性にも配慮が見られる。

 そのため、ヘッドとブレスレットの重さのバランスが良く、安定感がある点も見逃せないだろう。コマの遊びもある程度余裕をもたせているため、重厚でありながらもフィット感も高い。

ラグと弓カンの接合部は、あえて段差を深く付けることで立体感を強調した

バックルは中央部分のブランド名が刻印されたボタンを押すことで、装着したまま最大7mmの長さ調節が行える実用的なエクステンション機能を備える

 
 初のスポーティウオッチにして、見事、高級時計にふさわしい美観と実用性を兼ね備えた時計を作り上げた手腕は、さすがA.ランゲ&ゾーネだ。
 そしてオデュッセウスを構成するもうひとつ重要な要素が“ムーヴメント”である。
 次回は、このムーヴメントについて詳しく解説していく。

オデュッセウス
Ref.363.179。ステンレススチールケース&ブレス。ケース径40.5mm(11.1mm厚)。最大12気圧防水。自動巻き(Cal.L155.1 DATOMATIC)。310万円(税抜き)※2020年3月まで全世界のA.ランゲ&ゾーネ ブティックのみで先行展開予定

文◎堀内大輔(編集部)

 

【問い合わせ先】
A.ランゲ&ゾーネ
TEL:03-4461-8080
https://www.alange-soehne.com/ja/

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