【ケースの中身まで実機レビュー】名機レマニア5100の系譜を継ぐ、“ダマスコ”の新作クロノグラフ!

 ドイツ屈指の技術系ブランド、“DAMASKO(ダマスコ)”から発売された新作クロノグラフ、“DC86”。クロノグラフの名機レマニア5100の系譜を継ぐ自社製ムーヴメントを実機で検証し、その実力と魅力を徹底解説していこう。

高い技術力が可能にした、特許取得済の60分同軸積算計

 数多くの時計メーカーが存在するドイツにあって、ひときわユニークな会社がある。それが、レーゲンスブルグに拠点を置くダマスコだ。もともと金属加工メーカーだった同社は、1994年から時計作りを開始。いまでは、ケースだけでなく、ムーヴメントも内製するようになった。その目的は、機能と堅牢さの徹底的な両立である。

 そんな同社を象徴するのが、自社製のムーヴメントを搭載したDC86だろう。ケースにはニッケルフリーで、耐食性の高いステンレス、クロニデュール1.4108を採用。そこに、60分同軸積算計(特許取得)に変更した、ETA7750ベースのムーヴメントを搭載したのである。ちなみに他社にも60分積算計へのモディファイ例はある。しかし、モジュールを使うのではなく、心臓部にあたるカムも改良し、併せてリセットハンマーの微調整を可能にしたあたりが、金属加工メーカーらしい。

 ほかにはないユニークな機能と、使い勝手の良さを両立して見せたダマスコ。クロノグラフ好きならば、きっと魅せられることは間違いない。

》自社製ムーヴメント、“Cal.C51-6”とは!?

 センター同軸積算計を持つレマニア5100は、長らくミリタリークロノグラフのいわば“基準器”だった。1978年のリリースから製造中止になる2000年代まで、数多くのメーカーがこのムーヴメントを用いて、プロ用の自動巻きクロノグラフを製作した。そのレイアウトを踏襲したのが、ダマスコの自社製自動巻きクロノグラフムーヴメント、キャリバーC51系である。

》センター同軸積算計とリセット機構で特許を取得

 ベースとなったのは、ETA(バルジュー)7750。しかし、12時位置にあった30分積算計は、センターの同軸60分積算計に改められた。また、レマニア5100の大きな特徴である、24時間計も追加されている。なおダマスコは、ETA7750にシリコン製のヒゲゼンマイを加えるほどのメーカーだ。そんな同社が手掛けただけあって、C51は傑作と謳われたレマニア5100に肩を並べる完成度を実現している。

》ETA7750と徹底比較、“Cal.C51”の注目ポイント

 大きな違いが、クロノグラフの心臓部にあたるカムだ。左のETA7750は3層だが、同軸積算計を持つC51は4層に変更された。理由は、リセットハンマーの挙動を安定させるため。4層目のカムにはやや曲がった部品が固定されており、それがローター芯の周りに固定された半月状の部品に接触しながら動く。リセットハンマーには偏心ピンが埋め込まれており、ハートカムとのあたりを調整できる。

 左はETA7750の30分積算計車。右はC51の60分積算計車である。歯車自体を大きくし、歯のピッチを細かくすることで60分積算に変更。ただし、この積算計車自体はリセットのために残されているだけで、60分積算計の動力はセンターに置かれたクロノグラフ車から取っている。他社のようにモジュールで対応するのではなく、ムーヴメントそのものをいじったのは、いかにもダマスコらしい。

 ダマスコらしいポイントが、地板に施されたDの刻印だ。独立系のメーカーとしては珍しく、ダマスコはETA7750でもグレードの高いTOPグレードの使用が許されている。同社はこれを誇りに思っているのか、ベースは7750 TOPと明記している。しかし、大規模なモディファイに伴い、石数は25から27に増えた。そのためダマスコは、25石表記を消して、わざわざDのマークを入れている。

 

》編集部のおすすめモデル
DAMASKO(ダマスコ)
DC86
 ダマスコのフラッグシップモデル。ETA7750をベースにしながらも、60分同軸積算計と24時間表示を与えられた、自社製ムーヴメントのC51を搭載する。ケースは自社で加工した、アイス硬化ニッケルフリーステンレススチールこと、クロニデュール1.4108製である。一般的なステンレスの4倍以上硬く、904Lよりも耐蝕性に優れている。また、ダマスコオリジナルの、セラミック製のボールベアリングを内蔵した回転ベゼルは非常に精密な感触をもつ。耐磁性能は約8万A/m、そして精度は+3秒から+6秒以内。内容を考えれば、価格は驚異的だ。

■Ref.DC86L。SS(43.3mm)。自動巻き(Cal.C51/ETA7750 TOPベース、27石、2万8800振動/時、パワーリザーブ50時間)。100m防水。55万円

 実用性を重視し、ルミノバのX1 GL C1を使用。つまり発光残量のいちばん大きなX1グレードで、色はグリーン、そして発光量を抑えたC1という意味だ。あえてC1を選んだのは、過剰に光らせないため。しかし視認性は大変良い。

》DAMASKO(ダマスコ)フェアが開催中!
 今回、実機レビューを行なった最新モデル“DC86L”をはじめ、ダマスコの主要モデルを揃えたスペシャルフェアが銀座の“天賞堂”で開催中。期間中にダマスコの時計を購入すると先着で純正ベルトがプレゼントされる嬉しいキャンペーンも実施されているので、この機会に店頭でダマスコのコレクションをチェックしてみよう。

■開催期間
2020年5月29日(金)~6月30日(火)

■開催場所
天賞堂
住所:東京都中央区銀座6-9-3 銀座AKビル7F
TEL:03-6264-5156
営業時間:11時~19時30分(月~土)、10時30分~19時(日・祝)
URL:http://www.tenshodo.co.jp/

 

【問い合わせ先】
ブレインズ(TEL. ︎03-3510-7711)
http://damasko-watch.jp

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