時計の種類も様々だが、やはり1本は持っておきたいのが2針、3針をベースにしたスタンダードモデルだ。クロノグラフ、ダイバーズ系に比べて製造コストが低いため10万円台までの手の届きやすい価格帯でラインナップが最も多く、クラシックからスポーツ系まで、豊富な選択肢が揃う。
あまりに数が多く、デザインのテイストも様々なのだが、全体を俯瞰すると、クラシックなデザインのモデルと、カジュアルデザインのモデルに大別することができる。クラシックとは、おおまかには現代に継承される腕時計の基本となるデザインが完成した黄金時代、1950~60年代前後の時計をモチーフにしたデザインのこと。
シンプルだが、立体的に仕上げたアップライトインデックス(バー、アラビア数字、ローマ数字と様々)、針(剣のようなフォルムが印象的なドーフィン針など様々)など古典的なエッセンスを取り入れているのが特徴となっており、オンオフを問わずに着けられる万能型のモデルと言える。ビジネスで着けられる時計も、このクラシックをベースとして、現代的なアレンジを加えたモデル、すこしカジュアルなテイストを加えたモデルまで選択肢の幅が多い。
ちなみに、カジュアルはクラシックに比べてデザインの定義がさらに漠然としており、先に解説したクラシック以外の、スポーツ系、ミリタリー系、ミニマル系など雑多なジャンルを包括したもの。ビジネスには向かないが、個性を備えたモデルが多いため、オフスタイルで様々なデザインを楽しめる。シーンや服装に合わせて、好みのモデルを選ぶのがおすすめだ。
今回は、オールラウンドで着用できる3針モデルから、デザイン、機能、コストパフォーマンスに優れる4モデルを厳選。おすすめのポイントを解説していく。
【編集部おすすめの3針時計_其の1】
OUTLINE(アウトライン)
アウトライン・369スペシャル(ブラック)
新進の国産ブランド“アウトライン”が手掛ける人気モデル、369スペシャルのブラック文字盤。“3・6・9”のアラビアインデックスが代名詞として知られている1950年代の傑作モデルをデザインモチーフに、モダンな雰囲気に仕上げられている。
「特徴的な“3・6・9”アラビアインデックスを取り入れた人気モデル。アプライド(立体化)仕様の“3・6・9”アラビアインデックス、くさび形インデックスなど往年のモデルに見られる意匠を採用しているが、光沢のあるブラック文字盤に合わせてインデックスと針に鏡面仕上げを採用しているのも面白いところ。ヴィンテージ感を損なわない絶妙な加減でモダンなアレンジが加えられている。また、オリジナルの雰囲気を再現するために同じ36mm径ケースを使用しているのもこだわりのポイント。ベゼル含んだケース厚を9.9mmに納めるため、ムーヴメントはミヨタの高級機で最も薄い、Cal.9039が搭載されている」
問い合わせ先
シーズ・ファクトリー(編集部)
TEL.03-5562-0841
【画像】光沢を備えた文字盤と印象的なインデックスを拡大して見る
【編集部おすすめの3針時計_其の2】
KUOE(クオ)
ROYAL SMITH 90-006 ブラック文字盤 シルバーケース
デザインを一新してさらに魅力を増した定番モデルROYAL SMITH / 90-006。ムーヴメントはMIYOTAのCal.9039を搭載。伝統的な製法によってなめし加工が施されたイタリアンレザーストラッップが装着されている。
「京都発、新進のブランド“KUOE(クオ)”。同社は古き良き時代のデザインを現代に再現したコレクションが人気を博しており、本作も35mmと小振りなサイズ感、薄めのリューズなど、1950年代~60年代のドレスウオッチがもつ雰囲気を巧みに表現している。特に注目したいのが文字盤だ。当時、ロンジン、オメガなどのアンティークで見られた“ワッフル文字盤”を採用しており、格子状の立体的な装飾が陰影を生み出している。大きめのアルファ針、砲弾型とクサビ型を組み合わせたインデックスも立体感のある造形に仕上げられており、クラシックでシンプルな文字盤に豊かな表情と奥行き感を加えている」
【問い合わせ先】
クオ グローバル
info@kuoe-jp.com
※メールにて問い合わせに対応
【編集部おすすめの3針時計_其の3】
CITIZEN EXCEED(シチズン エクシード)
エコ・ドライブ電波時計 ダイレクトフライト
新ムーヴメント“Cal.H147”を搭載した光発電エコ・ドライブ電波時計。受信エリアを日本国内から世界4エリアの“多局受信型”へとアップデートしたことに加え、多局受信型光発電電波時計では世界最薄となるケース総厚7.0mmを実現している。
「太陽光や室内のわずかな光で駆動する光発電エコ・ドライブに加え、リューズの簡単な操作で世界26時差の時刻とカレンダーを表示するダイレクトフライトも搭載。世界4エリアの“多局受信型”に進化したことで、10万年に1秒の誤差といわれる原子時計をもとに送信される標準電波を受信し、日本、中国、アメリカ、ヨーロッパの世界4エリアで自動的に時刻やカレンダーを修正できる。機能性の高さはもちろん魅力だが、総厚7.0mm(設計値)と薄型のスーパーチタニウムケースにも注目したい。ステンレスに比べて40%軽く、5倍以上の表面硬度を備えており、美観と実用性を見事に両立させている」
【問い合わせ先】
シチズンお客様時計相談室
TEL.0120-78-4807
【編集部おすすめの3針時計_其の4】
SEIKO PRESAGE(セイコー プレザージュ)
セイコー プレザージュ STAR BAR限定モデル
“現代の名工”の表彰を受けたバーテンダー/銀座STAR BARオーナー、岸久氏が“セイコー プレザージュ”のために考案した新作カクテルをデザインソースとした数量限定モデル。“時とともに刻々と表情を変えていく、東京の夕暮れの空”を文字盤のグラデーションで表現している。
「2017年に誕生して以来、様々な文字盤表現を生み出してきた“STAR BAR 限定モデル”。最新作で目を引きつけられるのが、波打つような質感を生み出した文字盤だろう。コート・ド・ジュネーブを彷彿とさせる独特の模様に加え、上下縦方向で繊細なグラデーションを施しており、刻々と表情を変える夕暮れ時の美しい空の情景を見事に表現している。これまでの“STAR BAR 限定モデル”に比べても特に個性的で美しい意匠と言えるが、グラデーションの色彩を落ち着いたトーンにした点も好印象のポイントだ。工芸品的な質感を楽しみつつ、普段使いしやすいデザインに仕上げられている」
【問い合わせ先】
セイコーウオッチお客様相談室
TEL.0120-061-012
文◎Watch LIFE NEWS編集部
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