最新入荷情報

【コンクールを制した名機】エル・プリメロに並ぶゼニスが誇る手巻きムーヴメント

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


ゼニス
ポートロワイヤルクロノメーター

ゼニスは160年におよぶ長い歴史のなかで、実に600種類を超えるムーヴメントを製作してきた。そのなかで、時計史に名を残す傑作として知られるのが、1969年に発表され、現在も進化しながら製造が続けられている自動巻きクロノグラフの“エル・プリメロ”である。毎時3万6000振動のハイビートで、50時間という当時としては長時間のパワーリザーブを実現したムーヴメントであり、かつてロレックスのデイトナに搭載されたことも有名だ。
そんな“エル・プリメロ”を同社クロノグラフの最高傑作とするなら、シンプルな3針ムーヴメントの最高傑作と言えるのが、2025年のウォッチズ&ワンダーズで発表された新作“G.F.J.”に、改良を施して搭載されたことで話題になったCal.135だ。

今回紹介するのは、1950年代後期に製造されたCal.135搭載のゼニス ポートロワイヤルである。

【商品情報】ゼニス ポートロワイヤルクロノメーター。SS(35mm径)。手巻き(Cal.135)。1950年代製。143万円。取り扱い店/キュリオスキュリオ

【画像:高精度ムーヴメントほか文字盤などをアップで見る】

Cal.135は、1948年~62年まで約1万1000個が製造された、天文台コンクールの基準を意識して設計された高精度ムーヴメントだ。直径30mmのムーヴメントの約半分を占める大きなテンワ、精度の微調整が可能な渦巻き形の緩急針などを備え、極限まで精度を追求した工夫が盛り込まれている。
このような特徴が有名なCal.135だが、それを実現するために歯車の配置も特殊なものが採用されている。通常ではムーヴメント中心に配置される、分針の軸を兼ねた2番車をオフセットし、さらにガンギ車の受け板を独立させ、テンプの下に潜り込ませる構造を採用し、テンプと香箱の直径を最大限広げるための工夫がなされている。
このほかに、2番車をオフセットさせたために不安定になる分針の歯車に、バネを当ててぐらつきを抑える工夫や、手巻きの際に生じる強力なゼンマイのトルクに耐えるための、はすば歯車を用いたキチ車など、徹底的に精度と耐久性にこだわった構造になっている。

“ポートロワイヤル”の名を与えられたこのモデルのデザインに注目すると、サークル状に段差がつけられた立体的な文字盤や、台形状に加工された時分針の根元など、通常のCal.135クロノメーターとは一線を画した斬新なスタイルが採用されており、Cal.135の精度の高さを外装デザインで表現しようとしたのではないかと考察できる。
ケースは若干のスレはあるが、目立つ傷はほとんどなく、エッジがしっかりと残っている。裏ブタにパッキンが入ったスナップバック防水ケース仕様だ。

 

 

【LowBEAT Marketplaceでほかの手巻き時計を探す

 

 

 

 

文◎LowBEAT編集部

次のページへ >

-最新入荷情報
-

PHP Code Snippets Powered By : XYZScripts.com