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【オメガやIWCだけじゃない】この夏、狙い目の隠れた名作実用時計

ロレックスやオメガ、IWCなど、名だたる時計ブランドはその実用性や信頼性から高い価値を見出され、アンティーク愛好家たちの間ではいまなお高値で取引されている。
だがしかし、手ごろな価格帯で人知れず生き残り続けてきた傑作時計も数多く存在する。そこで今回は、マイナー気味だが確かな品質を備えた、隠れた名作シリーズを紹介する。



今回紹介するのは、1965年にスイスのティソが製造したヴィソデイト シースター T12だ。

【写真の時計】ティソ ヴィソデイト シースター T.12。Ref.43514。SS(35.5mm径)。自動巻き(Cal.784)。1965年頃製。18万8000円/WatchTender 銀座

【画像:裏ブタの船のモチーフほか全6枚

1853年創業の老舗メーカー、ティソの防水時計シリーズであるシースターの名を冠しており、そのなかでも、1956年に登場したT12は、当時120m防水(12気圧)を誇る“超防水時計”として、当時の防水時計の概念を塗り替える存在であった。ちなみにこのほかにも、シースターの名を冠したモデルにはモータースポーツを意識したPR516や、ワンピースケースを採用したシースターセブンなどが存在していた。

高い防水性を実現するための12角形のスクリューバック式の裏ブタには、シリーズの象徴である船のモチーフが力強く刻まれている。ポリッシュ仕上げを主体とした35.5mm径の程よいサイズ感のケースは装着感を損ねない絶妙なバランスだ。

ムーヴメントには、当時のティソで多く採用されていたCal.784を搭載。高級機ではないため、簡素な仕上げだが、手巻き式ムーヴメントをベースに、スイッチングロッカー式の自動巻き機構を重ねた構造は、巻き上げ効率と信頼性に優れており、日常使用にも十分耐えうる性能を備えている。

またサンレイ仕上げの文字盤にアプライドインデックスを組み合わせたシンプルな顔立ちは、どんなシーンにもなじみやすい。希少なエクステンション式の純正ゲイフレアーブレスレットが装着されており、コレクターピースとしての価値も高い。

ティソのシースターシリーズは全般的に、外装、ムーヴメント、ともに高い品質を備えているため、十分なメンテナンスを施せば、いまなお活躍できる資質を備えている。
どうしても、ブランドの地位や資産性の観点から、アンティークウオッチ店での取り扱いが少ないティソだが、しっかりとしたケースの作りや、安定したムーヴメントの性能には目を見張るものがある。ぜひシースターシリーズに限らず、ティソの時計にも注目してみてほしい。

 

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文◎LowBEAT編集部/画像◎WatchTender 銀座

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