●“ジェンダーレス”の可能性を広めたい
紆余曲折を経て、現在は編集の仕事を手掛ける市村。ウォッチライフニュースでは、新連載である本企画のほか、毎週日曜夜に連載「性別の垣根を超える腕時計」を担当。ユニセックスやジェンダーレスをテーマに、“性別の垣根を超えた自由な時計選び”を提案している。
「“ジェンダーレス”ってここ10年ぐらいやたらとメディアでも推されて耳にするわりには、イマイチ広がっていない印象がとにかく強くて。時計に限らず、ファッションやメイク、美容など、あらゆる世界において男性向け、女性向けっていう枠に縛られないスタイルがもう少し一般化してもいいと思うんですよね」

性別にとらわれない様々なスタイルを体現。レディースファッションの幅広さには、メンズとは比べ物にならないほどの魅力や可能性があるという。また、レディース・メンズの垣根を超え、互いのメリットを取り入れたアイテムがもっと増えてほしいと話す
ジェンダーレスの広がりは、単におしゃれやファッションといった外面的な自己表現の域を超え、男女間の価値観や趣味嗜好の違いの共有といった、内面的な相互理解にも繋がると話す。
「たとえば男性が毎日メイクをしようとすると、まずその難しさや手間暇、気苦労などが身に沁みてわかるんですよね。メイクを含め、身だしなみへの意識や当たり前の基準が本当に高くて“女性は毎日こんな大変なこと平然とやってるのか!”って。メイクや身だしなみに限った話ではないんですけど、想像だけじゃ計り知れない、男性が実際にやってみて初めてわかる女性の苦労って本当に多いと思います。もちろん、逆パターンも然りなんでしょうけど」
●時計業界におけるジェンダーレスの波
このジャンルにおいては、若い世代と中高年世代におけるいわゆる世代間ギャップの壁も特に大きいと話す。ファッションの幅を広げるのみならず、新しい価値観を取り入れるという意味でも、中高年層こそ少しでもジェンダーレスの魅力に興味をもつ人が増えてほしいと強調する。

性別を超えた魅力を放つユニセックスモデルの注目作やペアウオッチ・シェアウオッチの紹介、話題作の実機レビューにイベントリポートまで、日曜夜に多様な記事を配信中だ/写真◎連載「性別の垣根を超える腕時計」より
「時計界においても近年はダウンサイジングブームで、男女どちらでも着けられるサイズ感のユニセックスモデルが多く登場するなど、確実にジェンダーレスの波は来ていると感じます。時計に限らず、ユニセックスやジェンダーレスなアイテムがもっと増えてほしいですし、今後もそれを広めていくために尽力していきたいです」
なお、当連載“Time Files(タイム ファイル)”は次回から市村がインタビュアーとなり、毎回異なるゲストに取材を敢行。様々な人々の思い出の宝物にまつわるストーリーを中心に、多様な想いや価値観をお届けしていく。出演ゲストはSNSを中心に募集やスカウトを行い、近日中に企画趣旨・応募要項を公開する予定だ。
※以下、編集部・市村からのメッセージ
『まずはここまでお読みいただいた皆様、本当にありがとうございます。以前からウオッチライフニュース読者の皆様方に加え、SNSユーザーの方々が参加できるような企画ができないかと考えておりました。時計好きの皆様を含む様々なゲストの方々のご協力を賜りながら、このTime Files(タイム ファイル)という連載企画を一緒に作り上げていけたら幸いです。記事内容や出演に関して少しでもご興味がありましたら、ぜひSNSアカウントも覗きにきてください!』
取材◎船平卓馬